ザビ神父の証言

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2009.10.31
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カテゴリ: 国際政治
クロニクル イラクで日本人青年殺害

2004(平成16)年10月31日

5年前の10月中旬、日本人青年香田証生さん(当時24歳)が、訪問先のイラクで、「イラクの聖戦アルカイダ組織」を名乗るグループに拉致され、人質とされました。

拉致を実行したグループは、インターネットで犯行声明を出し、日本政府が48時間以内に、イラクからの自衛隊撤退に応じなければ殺害すると通告してきました。これに対し日本政府は、青年の解放を求めたが、要求についてはテロリストとは交渉しないとの立場から拒否しました。この結果、青年はグループにナイフによって首を切断され殺害され、5年前のこの日未明、バグダード市内で放置された香田さんの遺体が発見されたのです。

当時私は、日々入院中の病院でニュースを見ていたのですが、香田さんが拉致された3日後に、これは助け出せない、残念ながら香田さんは拉致グループに殺されるだろうことを確信しました。

香田さんがヨルダンからバスでバクダッドに移動したことは早くから報道されていましたが、どうやら香田さんは、ヨーロッパからイスラエルに渡り、そこから隣国ヨルダンに渡り、イラク入りしたらしいことが、分かってきたからです。

イスラエルに入国した事実はパスポートに記録されます。多国籍軍に加わってイラクに自衛隊を派遣している日本人が、イラクの人々にとって不倶戴天の仇のような存在であるイスラエルからやってきた事実を、拉致グループが知ったらどうなるか、それは想像するに難くないことでしたから。少なくとも中東情勢に多少とも知識があれば、イラク入りを考えながら直前にイスラエルに立ち寄るような無謀なことはしないものです。その点香田さんは、あまりに無謀でした。

丁度検温にやってきた看護士さんと共にテレビニュースを覗きながら、思わず「これは助からない」とつぶやき、問われて事情を説明したことを、今でも良く覚えています。その想像は有り難くないことに、当たってしまったのです。

もう一つ指摘したいことがあります。自衛隊撤退を求められた時の日本政府は、小泉首相自らが、間髪を要れずに拒否の回答をしたことです。誘拐犯との交渉は、時間を稼ぐのが基本であり、回答を引き延ばしながら救出の可能性を探るのが鉄則です。






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最終更新日  2009.10.31 02:33:53
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