偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2019.03.10
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カテゴリ: 友人ほか

(​ 承前 ​)
 昨日の記事の続篇です。
 船町渡船場の入口は道路から奥まった場所にあり、アプローチの通路は両サイドに車がズラリと駐車していることが多く、うっかりしていると見落として通り過ぎてしまう。

町渡船場に到着。​

(船町渡船場・入口)

(同上・説明碑)

(同上・渡船と木津川運河)
 船町渡船場は、川幅75mの木津川運河にある渡船場。「航路」が最も短い渡船場である。木津川運河は、木津川と尻無川とを連絡するため昭和4年(1929年)に開設されたという。運河の北側の地区が鶴町、南側の地区が船町。鶴町の道路が細かくあるのに対して、船町の道路は広い道が通っているだけで路地などはない。道の両側は広大な工場である。
 この船町地区には、伊丹空港の前身である木津川空港などがあったとのこと。空港跡地が大規模工場の敷地に転用されたため、細かい道路を造る必要がなかったのでしょう。​

(船町渡船場から木津川渡船場への道)
 船町渡船場から木津川渡船場までの道の両サイドは、ずっと大規模工場である。上の写真の道路左側はラサ工業の工場、手前の道路右側は中山製鋼のそれが続く。
 なお、余談ですが、鶴町の名が田辺福麻呂の万葉歌1064番に因んだものであるのと同様、この「船町」という町名は、その一つ手前の万葉歌1063番に因んだものとのこと。
あり通ふ 難波の宮は 海近み 海人をとめらが 乗れる船見ゆ
                   (田辺福麻呂 万葉集巻6-1063)

(天皇が通い続ける難波の宮は海に近いので、海人おとめたちが乗っている船が見える。)
船町は 難波の宮に 遠みかも 工場のみにて をとめは見えず (偐家持)​ ​​

​​​

(木津川渡船場・アプローチ道路)
 木津川渡船場への入口前到着。
 渡船乗り場はこの奥、300m余先であるから、乗り場到着までは、まだ3、4分はかかる。​

(同上)
 ここの渡船にはベンチと言うか、座れる場所が船首側にある。
 乗船者は我々5人だけ。
 初めて「貸切状態」となりました。
 他の4人は早速に並んで「着席」。大人4人が座れる程度の「椅子」の長さである。​

(同上・説明碑)
 男4人が並んでお行儀よく坐っている様が何となくユーモラスな感じ。船尾側から立って見ていたヤカモチさんはパチリ1枚撮りましたが、これはブログには掲載できません。
 カメラの向きを船外へずらして撮った写真。新木津川大橋の写真でも掲載して置くこととしましょう。​

(新木津川大橋)
 木津川渡船場で対岸に渡ると住之江区である。
 木津川はここでは、大正区と住之江区の行政区画を分かつ境界の役割を果たしている。
 渡船場で下船して南へ500m位行くと東西に走る道路・南港通りに出くわす筈、これを左折して東へ、というのが事前の地図を見つつの図上作戦でありましたが、行けどもそのような道路はない。やがて正平橋まで来てしまい、間違いに気づき引き返す。何のことはない、南港通りは高架になっていて、階段を使って、これに上がらねばならないのであった。平面交差しているという思い込みによる、間違いでした。図上作戦の盲点は「頭上」にあったという次第。
 南港通りの柴谷2丁目交差点で左折、木津川に並行して走る道路を北上する。やがて見覚えのある景色が現れる。道路際の擁壁だか塀だかに楽しい絵が描かれている場所である。今回、この絵の写真は撮っていないので、ご覧になりたいお方は、下記<参考>の記事をご覧下さい。
<参考>​ 銀輪渡船場巡り ​ 2016.8.25.
 前回の2016年の銀輪渡船巡りでは、木津川渡船場の後、正平橋を渡り南下、大和川畔まで行き、大和川沿いの道から住吉大社など経由するという大回りをして、北加賀屋公園からこの絵のある場所にやって来たので、今回の歩きコースのこの部分は通っていない。2006年12月の偐山頭火氏との銀輪行でも似たような大回りをしたので同様である。従って、今回の歩きコースのうちこの部分のみが未踏。その未踏部分に「頭上」問題が潜んでいたとは、「盲点」を突かれたと言うほかない(笑)。​

(千本松渡船場)
​ ともかくも千本松渡船場に到着。​


(同上)

(川口千本松の説明碑)
 この千本松という名は、江戸幕府が天保3年(1832年)に港湾整備のためここに石堤を築造し、堤上に多くの松を植えたことに由来するという。
 千本松は、天橋立、美保の松原と並び称されるほどの美観であったというが、今はそれを偲ばせるものは、この「千本松」という名のほかに、何とても無かりき、である。
 千本松渡船場を出て、木津川沿い右岸の道を北上し、突き当りを右に入ると、落合下渡船場である。
 落合下渡船場に到着。
 この辺りでは、木津川は大正区と西成区との境界になっている。​

​(落合下渡船場)
 乗船待ちをしているママチャリのオジサンに話しかけて少し雑談。
 桜島から徒歩で渡船場巡りをしている処で、次の落合上渡船場でこちら岸に渡り返し、大正駅まで歩いて解散だ、と申し上げると、感心して居られたが、この方も自転車でいくつかの渡船場を渡って来られたと見えて、ガラ携を取り出して、船町渡船場や甚兵衛渡船場などの撮った写真を見せて下さいました。
 この後、落合上渡船場を渡るのかとお尋ねすると、「対岸に渡ったら、そのまま新今宮まで帰る」のだと仰っていました。


(同上・説明碑)
 最後の渡船場、落合上渡船場到着は午後5時少し前。
 計画段階での想定よりも2時間程度遅い到着である。​

(落合上渡船場)
​ 対岸に見える公団マンションの向こう側の道路が大正通り。
 この大正通りを右(北)に行けば、解散場所のJR大正駅である。​


(木津川水門)
 船上から木津川水門にカメラでご挨拶申し上げ、今回の渡船場めぐりウオークへの「お別れ」とする。
また誰といつの日か来む押し照るや 浪速水都の渡船場めぐり (偐家持)

 千島公園と公団マンションの間の通路を通って大正通りへ。大正通りを北上。途中で目にとまったレストランで珈琲休憩、本日のウオークの総括。次回のウオークは10月下旬か11月上旬の金曜日に実施することとし、山の辺の道を「距離短めにして歩く」ということに決定。
 帰宅したら、スマホの万歩計では3万3千歩余になっていたから、5人組ウオークとしては過去最多の歩数となったのではないか。「距離短めに」という意見が出るのもむべなるかなであります(笑)。
 以上で、「5人組ウオーク・大阪渡船場めぐり」完結であります。
 5人組の3万3千余歩に最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。=完=
<参考>5人組ウオーク関連の過去記事は​ コチラ


​​​​​​​​​​​​​​​​






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最終更新日  2019.03.10 18:18:10
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