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最近、幾つかのメディアで中国人観光客相手の「白タク」問題がよく報じ られています。国内の主要空港の到着ロビーで漢字で書かれた中国人の人名を掲げて客を待ち、その客を車に乗せて行きたいところまで運転する「白タク」が増殖しているそうです。もし警察が取り締まろうとしても、運転手が「友達を乗せているだけ」と言えば取り締まれないそうです。 こんな無法行為が報道されていると、中国の文化大革命当時に毛沢東が発した「和尚打傘」(和尚さんが傘を差す)という言葉が思い出されます。 この「和尚打傘」の意味は中国の歇後語(しゃれ言葉)を知らないと意味が判りません。歇後語とは、二つの部分からなる成句で、前のたとえの部分だけ言って後の部分を自然に推察させるものです。前の部分は「前置き」の働きをして、なぞなぞの題のような存在で、後の部分はなぞなぞの答えになります。 前の言葉が「和尚打傘」なら、後に「無法(髪)無天」という言葉が自然と浮かんで来るんですね。「和尚さんが傘をさせば、髪=法も無ければ天イコールお空も見えない」ということで、毛沢東は「法も天もクソくらえ、オレ様のやりたいようにやる」と言ったんですね。文化大革命当時の法治主義完全否定の発言なんですが、中国ではいつの時代でも「無法(髪)無天」で、法律や社会的ルールが無視される傾向にあります。
2017年10月31日
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TBSテレビ「ひるおび!」を視聴していましたら、中国人の春節連休の日本訪問のキーワードは「洗肺(シーフェイ)」とのことです。中国では未だに大気汚染が深刻化しており、空気のきれいな日本の福井県の東尋坊等を訪れて「洗肺」(肺fei4を洗うxi3)するという意味だそうです。 ネットで調べましたら、つぎのようなことが書いてありました。「中国人観光客は、旅行先を選ぶ一つの要素としてきれいな空気を吸う『洗肺』が目的とのこと。中国の大手旅行会社では、洗肺を取り入れたツアーが組まれているとのこと。/中国人観光客の中で、佐賀県と並んで人気スポットとなっているのは福井県で、中国の投稿サイトに、2017年春節に『行きたい』書き込みランキングで、福井県が9位にランクインしており去年の調査では圏外だった。景色や海鮮が人気で、越前ガニを求める中国人観光客も増えているとのこと。」
2017年01月30日
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私は1988年7月23日から8月15日の夏に中国の上海外国語学院で短期留学を行ってます。当時のことを日記に簡単にまとめているのを読み返しましたが、僅か28年前のことなのになんて歳月の隔たりを感じることかと驚いてしまいました。日本が変化した以上に中国が大きく変貌を遂げており、それはまるで外国人がチョンマゲ時代の江戸から西洋化と近代化が始まった明治への移り変わりを語るような変な感じなのです。いまは死語となって忘れ去られてしまった言葉である外貨兌換券、友誼商店、万元戸、郷鎮企業、自由市場等々の言葉の説明から開始する必要があるようなんですよ。 さて、上海外語学院では、入学時に初級、中級、高級のクラス分けのための口頭試問があり、私は高級班に配属されました。これでも私は外国語学部中国語学科を卒業しており、高級班入りは当然と言えば当然なんですが、実際に高級班に属しての三週間の語学研修にはかなり苦戦させられました。担当の先生は隔日交代で卜華礼先生と王麗先生でしたが、卜華礼先生はベテランのママさん教師で表現がとても分かりやすくゆっくりと語りかけられるので私でも助かりましたが、もう一人の王麗先生は花の26歳のお嬢さん先生で、彼女の早口の中国語には非常に苦労させられました。トンチンカンな回答をするたびに、そんなことも分かんないのとの表情が露骨に顔に出て、私の小さな胸は授業中痛みっぱなしでありました。しかしおいしい油条(ユウチャオ)をクラスのみんなに持って来られたり、彼とのラブロマンスを休み時間をオーバーして語ったりと個人としてはとてもチャーミングな小姐(シャオチエ)でありました。 28年前の上海の短期留学では、友誼商店通いが欠かせませんでした。上海の夏は蒸し暑く、水道水は硬水で飲めず、友誼商店でミネラルウォーターやコカコーラを買うようになり、日本ではほとんど飲まなかったコカコーラの常用愛飲者になってしまいました。あっ、「友誼商店」とは外国との友情関係を深める商店という意味で、当時は大半の外国製品は友誼商店でしか入手できませんでした。 友誼商店と言えば、同商店では外貨兌換券がないと外国製品を入手できません。しかし上海市民のなかにも友誼商店で良質の外国製品購入希望者が多くいたようで、外貨兌換券が路上で闇のレートで交換されていました。外貨兌換券というのは、一般の中国市民が使用する人民幣とは別に、外国人にのみ渡された兌換券で、外貨兌換券と人民幣の額面価値は等価とされましたが、外貨に両替可能なことや、人民幣では買えない外国製品が買えることなどから外貨兌換券に対する中国市民の人気が高く、人民幣との闇両替が横行し、闇両替のレートでは外貨兌換券1元が人民幣1.5元~1.8元程で交換されていました。街を歩くと路上で闇両替商のお兄さんに「換銭」「換銭」(ファンチェン、ファンチェン)とうるさくつきまとわれたものです。現在の日本での中国人旅行客の爆買の下地がもうこの頃に存在していたのですね。 外国人は国営商店でも買い物が出来たのですが、販売員の接客態度が「売ってやるからありがたく思え」という感じで、紳士の私などは販売員のレデイの皆様方がおしゃべりを終えるまでじっと黙って待ち続けたものです。しかしすでに街には自由市場が開設されており、こちらの近郊農村から販売に来ている農民たちは商売熱心で、カメラ持参で撮影している私が日本人らしいと判断すると「はじめまして」「いらっしゃいませ」と日本語で愛想よく声を掛けてくれたものです。なお、農村部に従来存在した人民公社が1983年頃にはすっかり解体されており、農民は責任を負った以上の農産物を自由市場で販売することが許されるようになり、都市近郊の農村部には郷鎮企業(人民公社解体後に急増した農村企業の総称。人民公社の解体後、公社あるいは生産大隊が経営していた社隊企業は、中国農村の末端の行政単位である郷 や鎮が経営する集団所有の郷鎮企業として再出発しています)が雨後の竹の子のように数を増やし、主として農産物を加工して都市の自由市場で活発に販売するようになりました。 郷鎮企業で莫大な利益を得た農村住民のことを年間に一万元以上の収入のある農家と言う意味で「万元戸」と称し、彼らの建物はほとんどが二階建てや三階建てで、当時の上海の一般庶民の貧相な建物と比べて光り輝いているように感じました。 自由市場 万元戸の建物 私が上海に短期留学したのは1988年の夏のことでしたが、その翌年の1989年6月4 日に北京で天安門事件が起こり、学生たちの民主化運動は徹底的に弾圧されました。 なお、この拙文を拙サイト「やまももの部屋」の中国関連の「中国 横看成嶺」と題されたページに「私の上海短期留学日記」と改題して加筆転載することにしました。 ↓ http://yamamomo02.web.fc2.com/shanghai/shahghai.html
2016年02月14日
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私は劉賓雁という中国の作家について以前調べたことがあり、拙サイト「やまももの部屋」にも「劉賓雁と『人妖の間』」をアップして紹介していましたが、彼が米国で2005年12月5日に死去してから8年後の2013年12月30日にワシントンD.C.で「劉賓雁良知賞」が設けられ、翌年の2014年2月に第1回目の同賞受賞者として陳子明、王之虹夫婦が選ばれたことを最近になって知りました。 ↓ 「縦覧中国」 http://www.chinainperspective.com/ArtShow.aspx?AID=24061 同賞設立の宣言文の一部を中文和訳するとつぎのようなことが書かれてありました。「現在、中国の危機がいたるところに存在する状況下、最も深刻で最も危険で最も中国の体面を傷つけている危機は、空前の精神の壊滅と道徳の普遍的堕落であり、史上前例のない礼崩楽壊(社会の綱紀が紊乱し、騒動が止まず安寧でない時代を形容)状態となっている。劉賓雁の悲しみと憐れみを一身に背負い、仁愛と公義、寛厚と精進は益々中国人が自ら救い贖うことを切に求めている精神遺産である。このことに鑑み、私たちは国内外の碩学、鴻儒と志士たち(2名の中国を熱愛する西洋の中国研究者を含む)によって「劉賓雁良知賞」を設け、本賞の趣旨に合致した現代の中国人を表彰し、我が民族が粉々に打ち砕いてもまだ骨や血が残っている精神の河や山を取り戻そうではないか。 私たちは、 ヴォルテール、ユーゴーやソルジェニーツィンたちが18、19、20世紀の欧州とロシアの精神潮流を誘導したように、劉賓雁が聖賢の様を具有する良知の手本となって21世紀の中国の道徳復興と文明の再建の導きとなることを深く信じるものである。 『劉賓雁良知賞』の趣旨:自由と民衆の立場を取り、イデオロギーと政党党派を超えて良知と人文の理想をオリジナリティ豊かに書き上げてたり社会に貢献したことを表彰するものである。」 なお、劉賓雁良知賞第1回受賞者の陳子明、王之虹夫妻は中国の現政権と意見を異にする民主活動家で、陳子明はその民主化を求める活動で逮捕され、北京で監視居住に処せられていましたが、2014年初にアメリカのボストンで病気治療することが許可されています。
2014年06月21日
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サッカーに普段は全く関心のない私なんですが、ワールドカップ(W杯)での日本代表のコートジボワール戦はテレビ観戦し、逆転負けにはいささか悔しい思いをしたものです。そんな私ですが、今日(6月17日)、インターネットのYAHOO!ニュースでワールドカップ(W杯)ブラジル大会に関するとても嬉しい記事を見つけることができました。 それは、日本代表とコートジボワール代表の試合後に日本人サポーターたちが会場で黙々と「ゴミ拾い」を始め、その様子が中国のネット上に載って大きな注目を集めたというのです。例えば中国の簡易投稿サイト・微博には大量のコメントが殺到し、そのほとんどが日本人サポーターを称賛する声だったとのことでした。 それでgoogleの中文サイトで調べましたら、「環球網」に「日本サポーターが試合後に自主的に競技場のゴミ掃除を行い、文化の資質の高さを賞賛される」との記事を見つけました。 ↓ http://world.huanqiu.com/exclusive/2014-06/5022551.html この記事には米国のTBSが同局のサイト内に日本代表の服を着たサポーターたちが試合後に手に青色のポリ袋を持って競技場のゴミ拾いを始めている2枚の写真を載せ、同記事の文章の表題は「日本サポーターは試合後にゴミ拾い開始」というものでした。記事の文章には日本チームは初戦で1対2で負けたが、日本サポーターは混乱せず、周囲にゴミ箱がないことをを知って自分たちが用意してきたポリ袋でゴミ拾いを始め、すっかりきれいに掃除してしまったのである。このチームの勝ち負けとは関係のないこのような行為はサポーターの高度の素質をはっきりと現わしたものである」と書かれてありました。 この写真がネット上に広まった後、世界の数多くのネットユーザーたちがほとんどみんな日本サポーターたちのこのような行為に「「いいね!」ボタンをクリックし、ツイッター上に次のようにあれこれ自分の意見を書き込んだそうです。「彼らの文化と教育は本当に素晴らしい。」「日本はとても凄い!」「彼らは非常に礼儀を知っており、彼らには我々が学ぶに値することが沢山ある。」 そして日本内のサポーターはこれらのことが当然の行為と考えており、「サポーターもまた外交大使の役割を担っているなんて思いもよらず、本当に感謝している。」「ゴミを拾うのは当たり前であり、それにどんな理由が必要なの?」「これはやはり日本の責任感の教育と社会環境に由来するが、またサッカーファンに欠かせないことでもある。」
2014年06月17日
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前回、北京政府の大気汚染政策を批判した国営テレビ編集者が北京市長の王安順によって解雇されたことが米紙ニューヨーク・タイムズ発のニュースで伝えられ、その記事がそのまま「iNews 愛新聞 CHINA DAILY」という中国の国営通信社の新華社が運営しているサイトに転載されたことをお伝えしました。 情報統制の厳しい中国でなぜこのような記事がそんなサイトに載ったのか、そのことがとても興味深いことだと思いましたので、さらにgoogle簡体中文版でこの王安順について検索していましたら、「大紀元」3月20日の記事につぎのようなことが載っていることが分りました。なお、「大紀元」はニューヨークで在外中国人向けの中国語新聞として創刊されたもので、中国共産党に対する報道姿勢が非常に批判的であることで知られています。 ↓http://www.epochtimes.com/b5/14/3/20/n4110665.htm%E5%82%B3%E5%8C%97%E4%BA%AC%E5%B8%82%E9%95%B7%E7%8E%8B%E5%AE%89%E9%A0%86%E6%B7%B1%E6%B6%89%E5%91%A8%E6%B0%B8%E5%BA%B7%E6%A1%88%E8%A2%AB%E7%A7%98%E5%AF%86%E8%AA%BF%E6%9F%A5.html?p=all【大紀元2014年03月20日訊】(大紀元記者張頓綜合報導)】北京市前スパイ活動のトップで国家安全局局長だった梁克が周永康事件に深く関係しているとして逮捕後、それに引き続いて先日には北京市前政法委書記で現北京市長王安順もまた周永康事件に深く関係しているとして任意での事情聴取を受け、秘密に調査された。 なお周永康は、中国共産党の前中央政治局常務委員だった人物で、2012年の薄熙来事件との関連で失脚し、汚職問題で現在追及されているとのことです。周永康事件の広がりとともに王安順の地位も不安定なものとなり、米紙ニューヨーク・タイムズに実名入りで載った記事がそのまま中国のサイトに転載されたのかもしれませんね。
2014年05月01日
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今日(4月25日)、午後7時からNHKテレビの「ニュース7」を視ていましたら、舛添要一東京都知事が北京で北京市長と会見したと報じ、会見する王安順北京市長の姿もテレビに映し出されました。 それで「NHK NEWS WEB」で確認しましたら、「舛添知事と北京市長 協力を確認」との見出しで、舛添都知事に「王市長が中国で深刻になっている大気汚染物質PM2.5への対策や、交通渋滞の問題などについて、東京都に協力を求めた」「舛添知事と王市長は大気汚染への対策や東京オリンピックの開催などについて互いに技術や経験を共有しながら協力することで友好関係を深めていくことを確認しました」等のことが報じられました。 ↓ http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140425/k10014032421000.html では、このことを中国ではどのように報じているのだろうかと興味を持ち、google簡体中文版で関連記事を検索してみましたら、「人民日報」ホームページ上の掲示板「強国論壇」につぎのような短文がアップされていました。 ↓ http://bbs1.people.com.cn/post/1/1/2/138934875.html「現在中国を訪問している東京都知事舛添要一は25日に2008年北京オリンピックのメイン会場となった国家体育場の『鳥の巣』と国家遊泳センター『 ウォーターキューブ』を見学するとともに、さらに北京市の市長王安順と会談を行った。」 pm2.5などの大気汚染に苦しむ北京に東京都がその対策のために協力することは素晴らしいことだと思いますが、私はこの会談で一番興味を持ったことは北京市長の王安順が実際に顔を見せるかどうかということでした。北京市長が東京都知事を招いたのてすから、北京市長の王安順が会見に出席するのは当たり前だろうと思わるかもしれませんね。なぜそんなことに私が特に興味を持ったのか、その理由については次回このブログに書きたいと思います。
2014年04月25日
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YAHOO!ニュースが2014年2月27日に「北京政府の大気汚染政策を批判した国営テレビ編集者、市長の逆鱗に触れ解雇―米紙」と題して2014年2月26日の米紙ニューヨーク・タイムズ発のニュースを伝えていました。 ↓ http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140227-00000056-rcdc-cn それで私も、もしかしてgoogle簡体中文に関連記事が載っていないかと検索しましたら、「iNews 愛新聞 CHINA DAILY」のサイトに「北京ではスモッグの酷さへの不満がますます増大し、それだけすぐに報復されることになる」と題した記事が載っていました。なおこの記事の来源(出どころ)はNew York Timesとのことですが、この中文サイトの記事の一部分だけ翻訳して紹介したいと思います。 ↓ http://language.chinadaily.com.cn/article-196895-1.html「先週、中央テレビ局財経チャンネルで政府系の新浪微博(やまもも注:政府系のミニブログサイトで中国で最も人気のあるウェブサイト)に中国政府が環境保護に対して何も行わないことを厳しく告発する二つのブログ記事を出しました。一つは『いったい誰が北京のスモッグに関心を持っているのだろか』で始まり、さらに『たとえ汚染指数が記録を破ったとしても、政府はなんらこの問題を解決するための手立てを講じようとすることはないだろう」と書いています。そのブログ記事がアップされて数分後にさらに別のブログ記事が続き、『北京市政府はスモッグの後ろに隠れてはならない』として『これは警告である。人々はもうすでに鈍感ではなくなっているのに、政府が何らの策を立てないでいることはできないし、必ずその領土を保護しなければならないし、何かを行わなければならない』とアップして来ました。しかしこの二つのブログ記事はすぐ削除されてしまいました。」 この「iNews 愛新聞 CHINA DAILY」の記事にはつぎのようなことも書かれてありました。「たとえ政府(やまもも注:中央政府)がこれは緊急に対応すべき危機だと見做しても、お役人たちは中央テレビ局を攻撃して報復することに没頭しています。従業員たちが内幕を漏らすところによりますと、財経チャンネルの編集者は微博で発表したことから解雇され、中央テレビ局が全ての北京の酷いスモッグに関する情報を報道することを禁じられたとのことです。彼らは、微博が北京市長の王安順を怒らせたので、河北省周辺地区の大気汚染を報道することのみ許可したらしいと言っています。」 なお、この記事を載せたのはなんと「iNews 愛新聞 CHINA DAILY」という中国の国営通信社の新華社が運営しているサイトです。うーん、情報統制の厳しい中国でなぜこのような記事がそんなサイトに載ったのか、そのことがとても興味深いですね。北京市長の王安順の失脚を知らせる報道も近くあるかもしれませんね。
2014年04月18日
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これまで春の時期になると中国から黄砂が偏西風に乗って日本に飛来してきましたが、最近は中国から飛来する粉塵としてpm2.5がすっかり有名になりました。最初は聞き慣れない単語だったのですが、体に非常に有害な微小粒子状物質(髪の毛の太さの30分の1程度)ということで、マスコミでも連日報道するようになりました。 中国から飛来するpm2.5について、ネット内でも中国との関連で語られことが多くなりましたが、それらのなかにはソースも不確かな伝聞に尾ひれが付いて広まったとしか思えないようなものもあります。中国が「国内の大気汚染を隠蔽している」、「元凶は日本企業だと主張している」、「環境対策に対する日本の支援を拒否している」等のものですが、これらの情報の大半が確かな裏付けのないもので、それらがネット内を独り歩きしているのです。 それで私は大学時代に中国語を学んだこともあり、あらためて辞書を引きながらgoogle簡体中文版を検索して、中国でpm2.5等の大気汚染問題がどのように論じら伝えられているかを確かめることにしました。なお、ここで私が言っている google簡体中文版とは、googleを簡体字中国語で検索できるもので、中国大陸(中華人民共和国)の情報を知るのに欠かせないツールだと思います。勿論、中国には厳しい情報統制があることを前提にして検索し、注意を払って取り扱う必要があるのは当然ですけどね。 これまで拙ブログ「ポンコツ山のタヌキの便り」に、google簡体中文版で得た中国のpm2.5等の大気汚染関連情報を数度に渡って連載してきましたが、それらを纏めて拙サイト「やまももの部屋」に「google簡体中文版から覗いた中国の大気汚染問題」と題して「中国でのpm2.5の被害状況」、「環境破壊の拡大理由」、「日本の公害運動」、「日系企業の責任」、「日本も支援を」と主題分けして載せることにしました。 ↓ http://yamamomo02.web.fc2.com/googlechina.html もし興味がございましたら是非ご覧になってください。
2014年04月09日
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私は親中派ではなく、少なくとも現在の非民主的な中国政権には批判的な人間です。しかし、日本の一部のネット内の不確かな情報に基づいての、中国は「国内の大気汚染を隠蔽している」、「元凶は日本企業だと主張している」、「環境対策に対する日本の支援を拒否している」とするようなうわさの広がりには疑問を感じています。 ただ、確かに一部の日本企業が中国の大気汚染に関連しており、また石原伸晃環境相が中国から支援を拒否されたと述べており、すべてが全くの根も葉もないデマとは言い切れません。それでネットで改めて調べてみることにしました。 中国のサイトでpm2.5等の大気汚染の元凶が日本だと主張しているとの説の一番の発信源はどうも「産経ニュース」2013年2月7日にアップされた「『日本に元凶』 中国ネットメディアが“責任転嫁”」と題された記事のようで、同記事によると中国の「経済網」の張捷、「華竜網」の謝偉鋒がその ような発言をしているとのことです。「元凶」という言葉を使っているのですから、張捷、華竜網たちは中国で大気汚染を引き起こした中心的存在、最大原因は日本或は日本企業だと主張しているのでしょうか 。 まず、google簡体中文で「経済網」の張捷のそれらしき発言を検索しましたら、張捷の「日本はも しかした中国のスモッグ汚染の『元凶』か」と題された文章を見つけました。まず、おやっと思ったことは、この張捷の表題は「日本に元凶」があるなんて断定していないことです。 ↓ http://cen.ce.cn/more/201302/05/t20130205_24095120.shtml 張捷は、「日本では特に地震以降から原子力発電を石炭利用に変更し、日本ではゴミもまた焼却処理を行っているから、これらのことが中国の環境に非常な影響を与えている。だからただひたすら中国だけを責めることはできない。(中略)私たちが汚染を減らそうとしているのは間違いのないことであるが、しかし気候の異常とか周囲の隣国の情況も無視することはできない」と述べています。 また、google簡体中文版から「華竜網」で謝偉鋒が日本企業の中国における大気汚染の責任問題を論じている記事を見つけました。この謝偉鋒の記事の表題は「日本がPM2.5の規準値超えで中国をとがめるのは、旨い汁を吸って得意がるようなもの」とあり、日本人として見過ごせない記事だと思いますので、その謝偉鋒の文章の一部を翻訳して紹介したいと思います。 ↓ http://pinglun.eastday.com/c10/2013/0205/1209864360.html 謝偉鋒はこの文章で、「確かに日本で基準を上回るPM2.5の数値が出たことは、やはり中国北方地区の深刻な大気汚染と関係があることは隠しようもないことであろう。しかし、日本で今さかんに『被害をこうむった』と言い立てているとき、やはり日本の数多くの企業が生産し生み出している重大な汚染を見過ごすことは出来ない。あなたたちはこのことをどう説明するのか」と疑問を投げかけています。 さらに謝偉鋒は続けて「80年代から日本は幾つかの労働集約型製造業を発展途上国に移転させてきた。そして中国も国内の労働力資源が豊富なために製造コストが低廉で済むことを優位性にして、多数の日本企業の中国への進出を受け入れた。しかし、持続的に発展する過程中において数多くの部分に不調和が生じるようになった。例えば数多くの製造業が本国ではいずれも明確に禁止しているような製品の生産をやむなく中国で行うようになり、自国の基地はただ研究開発とマクロ的な管理だけに責任を持つようになってしまった。このような竜頭蛇尾的展開パターンは結局は中国のような発展途上国に生態環境と資源の大破壊をもたらしたのである」と指摘しています。 謝偉鋒は、その実例としてメイコー(名幸電子)の武漢への投資やエプソンの蘇州での無蚊工業団地等での事件を挙げ、「これらはいずれも地元に引き起った生態環境破壊の事件である。これらのことは氷山の一角に過ぎず、中国ではさらに多くの企業がいまも日夜ひっきりなしに汚染を排出し続けている」と指摘しています。うーん、日本企業もまた中国で環境破壊の加害者となっているようですね。 さらに謝偉鋒は、中国の大気汚染は韓国にも及んでおり、「このことは中国一国が直面している問題ではなく、それが結局はその他の多くの国々の企業の重荷となるのであり、『打算的』な日本人もどうか誠意を示し、ともにPM2.5対策に力を合わせてもらいたい。決して中国人のみに戦わせるようなことはしないでください」と要望しています。 ところで、日本と隣国の中国、韓国との現在の関係は残念ながら良好とは言えませんが、せめてpm2.5問題では三国の個々の利害や狭隘なナショナリズムの意識を越えた協力関係を構築してもらいたいものですね。 今年の3月20日には三国の大気汚染対策の政策対話会議が北京で開かれましたが、google中文版でそのことを検索してみましたら、人民日報の二ュースサイト「人民網」の2014年03月21日に「中日韓がPM2.5対策を協議 日本はこの機会借りて外交関係の修復を望む」と題した記事が載っていましたので、これも一部翻訳して紹介したいと思います。 ↓ http://world.people.com.cn/n/2014/0321/c157278-24695080.html 「人民網」は、日本のNHKテレビが北京で開かれたこの会議のことを報道する中で「この会議の中で中国側の代表は日本と韓国が大気汚染対策に豊富な経験を持っていることは中国にとって大いに参考になる有意義なことである」とし、「このことは中国が日韓の経験を学ぼうとする姿勢を表明したものである」と報じています。 また人民日報が運営する国際版サイト「環球網」2014年4月3日には「ソウルと北京がpm2.5問題で共同対策を行うための協定に正式署名」と題して韓国のソウル市の朴元淳(パク・ウォンスン)が北京市長と会見し、両市がpm2.5等の大気問題に関する協同対策のための協定に署名したと報じていました。 ↓ http://world.huanqiu.com/exclusive/2014-04/4951257.html 「中国が嫌いだ」とか「支那が嫌いだ」と言った個人的な好き嫌いの感情はともかく、地球の環境保護のために日本は自国の経験と技術を生かして中国の環境対策にどんどん協力していってもらいたいものですね。
2014年04月08日
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pm2.5問題について、日本のネット内に、中国が日本等の外資系企業の責任や賠償を主張しているとか、日本の支援要請を拒否しているとする情報が広がっているようです。 事実を確認するためにgoogle日本語版とgoogle簡体中文版であれこれ検索して調べてみましたが、中国が日本等の外資系企業の責任や賠償を主張しているとするネット情報については、そのようなことが「一部で報じられている」といった調子で、中国側が公式にそのような見解を出しているとする確かなソースを見つけ出すことはできませんでした。ただ、重慶のニュースサイト「華龍網」に評論家の謝偉鋒が「日本がPM2.5の規準超えで中国をとがめるのは、旨い汁を吸って得意がるようなもの」と題した文章を載せ、中国での日系企業の責任も問題にしていました。 ↓ http://pinglun.eastday.com/c10/2013/0205/1209864360.html しかし中国が日本の支援要請を拒否したとの情報源は確かめることができました。「日本経済新聞」2013年3月2日のネット記事に「中国、日本のPM2.5対策協力に難色 石原環境相」を見つけることが出来ました。 ↓ http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK02011_S3A300C1000000/ 同記事によると、石原伸晃環境相が2013年3月2日の徳島市での講演で、環境省のPM2.5行動計画に基づき「担当者を訪中させ、観測機器の無償提供や研究者の受け入れを申し入れた」が、中国側の対応として「欧米には研究者を派遣して先進国の経験を聞くと言うが、残念ながら腰が引けていて、日本に行くとは言ってくれなかった」と述べたそうです。 石原伸晃環境相は、確かに中国の役人からそれに近い発言を聞いたのかもしれませんが、日中関係が厳しい状況下での講演会スピーチ内容としては余りにも配慮のないものだったような気がします。しかし、そこがやっぱり中国嫌いの石原慎太郎の息子さんなんですね。おっと、環境相のお父さんは「支那」嫌いだったんですね(ただ残念ながら「支那」という単語は一発変換出来ませんでしたよ)。 なお、この石原伸晃環境相の徳島での講演内容を中国の軍事専門サイト「西陸網」が「日本は驚く:中国が日本の提供する援助を受けとらないことに」と題して報じています。 ↓ http://junshi.xilu.com/20130303/news_340_330730.html このサイトの記事には徳島市の講演会での石原伸晃環境相の発言が紹介され、同環境相が「これらの建議は全く中国側の反応を得ることが出来なかった。(中略)中国の役人は『我々はすでに欧米に研究人員を派遣して彼らの先進的経験を学んでいる』と言って日本の援助計画を事実上拒絶しました」と述べたと報じています。 しかし、この中国のサイトの文章には石原伸晃環境相の発言だけが紹介されており、それに対する中国側の見解は全く出ていませんでした。他の公的な中国サイトにも日本の支援を拒否するような中国側の公式見解は見当たりませんでした。 どんなことでもそうですが、情報源を確かめてから論議しましょうね。
2014年04月07日
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以前このブログに「新華網」の「日本は如何に青空を取り戻したか」と題された記事に、日本の住民の公害に対する訴訟活動やマスコミの大々的な報道が日本政府を動かし、そのことによって環境規制に関する厳しい法律が出されるようになった経緯が紹介されていることをお伝えしましたが、その記事に反公害を掲げた東京、大阪等の地方自治体の首長選挙が紹介されていないことが気になり、google簡体中文版で新たに検索してみることにしました。そうしましたら「環保與情網」2013年4月23日の記事に蔡成平の「日本の汚染対策は社会の協力によるもの」と題した文章が載っており、日本の地方自治体の首長選挙にも触れていることが判明しましたので、ここに一部翻訳して紹介させてもらいます。 ↓ http://www.eppow.org/2013/0423/38123.html 蔡成平は、日本で1960年代から70年代初めにかけて反公害の意識と運動が高まったとした後、反公害を掲げた地方自治体の首長が次々と出現したことをつぎのように紹介しています。「日本の政治家たち、特に政治の重要な一部を担う地方首長たちは次々と『反公害』の主張を旗印に民衆の支持を勝ち取った。例えば飛鳥田一雄が1963年に横浜市長となり、美濃部亮吉が1967年に東京都知事になり、黒田了一が1971年に大阪府知事になり、伊藤三郎が1971年に川崎市長となった。 彼らはみな『反公害』の態度を取って選挙を勝ち、さらに中央政府に先んじて強力に汚染対策を推進した。例えば飛鳥田一雄は1964年に電源開発株式会社と『公害防止協定』の署名を取り交わし、美濃部亮吉は1969年に『東京都公害防止条例』を制定したりしている。このことは地方が戦後日本の公害行政の発展に果たした歴史の一大特色と言えるであろう。」 蔡成平は、日本ではこのような状況の中で国会で公害対策が大いに審議され、厳しい法案が出されるようになったのだとしています。 中国の現在の政治体制では伝えにくいことなのかもしれませんが、過去にあった日本の地方自治体の反公害の歴史も忘れてはなりませんね。原発問題も同じような歴史を繰り返すのかな。
2014年04月06日
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中国のpm2.5などによる大気汚染の被害は「毎年120万人が早死にしている」との説まで出されるほど深刻です。では、どうして中国では大気汚染問題がこんなに深刻化したのか、google簡体中文版でその原因を探っていましたら、2014年3月19日の「中国環境報」に李瑩が書いた「どのように利益固めの障壁を打破するのか」という興味深い文章が見つかりましたので、ここに紹介したいと思います。 ↓ http://www.cenews.com.cn/gd/llqy/201403/t20140319_771605.html 李瑩は、まず環境保護の領域が「強大にして複雑な利益固めの集団の束縛」に直面しているとし、「環境保護の着手は遅く、人員は少ないし資金も少なく、権利は小さく、もともと弱体部門であった。同時に長年に渡ってのGDP至上の大背景の下、環境保護はずっと重視されず、それどころか一部のところでは発展を阻害し足を引っ張る部門とさえ見なされてきた」と指摘しています。李瑩は、しかし「環境状況は日々に厳しさを増し、人民の環境に対する意識は空前の高まりを見せ、環境保護を加速的に発展させることはもはや共通認識となっている。だが長期に形成されて複雑に絡み合った部門の利益、地方の利益、企業の利益がいまもなお身体と環境保護上にのしかかる三つの大きな山であり、環境対策の歩みを困難にしている」と指摘しています。「部門の利益」、「地方の利益」、「企業の利益」の三つの山が環境保護の発展を妨げているとしているのですね。 まず「部門の利益」なんですが、ここでいう「部門」とは国家行政組織の環境関連部門を指すようです。李瑩は「利益に駆り立てられ、一部の政府機構が『多頭症』(やまもも注:数多くの業種的垂直型管理と地域的水平型管理が複雑に重なる悪しき傾向)に罹っている。問題が生じると多くの監督管理部門が相互に水掛け論をやり、責任を曖昧にし、利益があると見るとみんな一斉に加わろうとし、雑然無秩序となる」と指摘しています。 次に「地方の利益」なんですが、ここでいう「地方」とは省、自治区、県などの各級行政区域を指します。李瑩は「汚染企業に対する地方の保護はある種の普遍的現象となっている。多くの汚染企業が地方経済の支柱であり、あらゆる手段を講じて招き入れようとさえする。地方の財政収入を守り、GDPの速度を上げるため、地方と企業は手に手を取り合い、環境保護部門とはいないいないばあをして遊んでいる(やまもも注:ふざけあっているとの意味)」とし、湖南省の郴州血鉛事件(やまもも注:市内の児童の半数近くが血液中の鉛濃度が基準を超えていた事件)がその深刻な例であると指摘しています。 最後の三番目の「企業の利益」なんですが、中国では「企業」は国有企業と民営企業に大きく分けられます。2010年に大環境汚染事故を起こして注目された紫金鉱業は国有企業でしたよ。李瑩は「近年になって環境に対して法律の執行力が強化され、数多くの企業があえて再び汚染物質を直接排出するようなことはしないが、やはりまだ僥倖心理(やまもも注:違法行為が発覚するのは運次第とするような考え方を指す)が存在している。企業自身の経済利益のために夜間排出、休日排出、雨天排出の方法を取ることがよくある。企業が環境保護検査に対応する手段がやはりますます巧みになったり隠蔽するようになり、汚染対応の設備を『運転歓迎、停止歓迎』の現象がたびたび見られて珍しくはない」と指摘しています。 李瑩は、これら三つが「強大にして複雑な利益固めの集団」となって環境保護の発展を妨げていると指摘しているのですね。
2014年04月04日
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今朝(4月3日)、購読している南日本新聞に「中国の環境基準は『詐欺的』/NPO指摘 汚染影響を過小評価」との見出しで「北京共同」発のつぎのような記事が載っていました。 「大気汚染が深刻化している中国の環境基準が、微小粒子状物質『PM2・5』などによる汚染の健康に与える影響を過小評価し、国民を欺いていると指摘する報告書を、北京と英ロンドンに拠点を置くNPO『チャイナ・ダイアログ』が2日までに発表した。 報告書は、中国では大気汚染により、毎年120万人が早死にしていると指摘。重度の汚染地域に住む住民の寿命は、空気がきれいな地域に比べて3年短く、中程度の汚染地域では1年半短くなるとする専門家の分析を紹介。(後略)」 それでgoogle簡体中文版で関連記事を検索していましたら、人民日報の二ュースサイト「人民網」2014年1月26日の記事に「検証:PM2.5污染は120万人の早死をもたらす』は過大評価なのか」と題する記事を見つけましたので紹介させてもらいます。 ↓ http://world.people.com.cn/n/2014/0126/c1002-24232983.html 「人民網」の記事によると「最近、二つの矛盾する数字がメディアで広く報道された。『2010年の中国の屋外でのPM2.5污染は120万人の早死をもたらした』と『中国毎年の屋外での空気汚染は35万-50万人の早死をもたらす』である」とし、どのメディアもこれらの数字を国際医学界の権威ある雑誌『ランセット』から引用していると指摘しています。 しかし「人民網」の記者が中国120万早死説を載せたという2013年6月8日の雑誌『ランセット』英文版を直接調べてみた結果では、そのような文章は見当たらなかったとし、120万という数字が最初に出されたのは『21世紀経済報道』と財新網の2013年3月31日の報道であり、その報道では、屋外空気汚染の専門家のアーロン・コーエンが清華大学と健康效応研究所が招集した『空気汚染と健康への影響』学術討論会で『2010年、中国の屋外の空気顆粒物汚染(主としてPM2.5を指す)は120万人の早死と2500万以上の健康生命年(早死がもたらす寿命の損失年と傷害がもたらす健康寿命の損失年を包括する)の損失がある』と報告したことが最初であるとしいます。 しかし、「人民網」はさらに農工党中央主席、中華医学界会長などの肩書のある王金南たのち専門家が2013年12月14日に雑誌『ランセット』第382卷総第9909期上で、中国の関連機関の報告に基づくと「中国の毎年の屋外での空気汚染は35万-50万人の間である」とし、120万と言う数字は過大評価であると発表したことを紹介し、またこの王金南本人にも取材し、「私たちは発表した文章は確かに『120万が早死』というこの数字は過大すぎると表明しました」が、「いずれの学者も自己の評価方式と方法を持っており、30万、50万、さらには120万とすることの私たち共通の目的は,国内外の関連部門が非常に重視するようになり、さらに一層の対策と行動を取ることです」との発言を載せています。
2014年04月03日
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google簡体中文版に環球網のサイト内に載った「日本メディアは中国のPM2.5が日本に流れつくことに不満 日本はツケをはらわねばならぬのか」と題する記事が載りました。 ↓ http://world.huanqiu.com/exclusive/2014-03/4877073.html 中国サイトの表題がなかなか過激なので、中国側の反論かと思って読みましたら、内容はいたってまともなもので、この表題は日本の「産経新聞」の2014年3月3日 の「主張」の「pm2.5 日本が『ツケ』を払うのか」との表題をそのまま写しただけのものと分りました。反論というより、日本の「産経新聞」の「主張」の「経済成長と軍事力増強を全てに優先させてきた結果が、地球を危うくする事態を招くに至った。大国と途上国という2つの顔の使い分けに終止符を打つべきだ。それが『地球市民』としてのモラルであろう」との中国に対する意見への弁明というような内容です。環球網は中国共産党の機関紙「人民日報」が運営するサイトであり、中国側の公式見解といってもいいと思いますので、その記事の結論部分だけを翻訳してお伝えしたと思います。 「実際、大気汚染問題はすでに中国民衆の関心の的の一つとなっています。早くも2012年2月末に中国国務院は『環境空気質量基準』のPM2.5監視基準を厳しくする新たな改訂に同意しています。その後すぐPM2.5問題を『政府工作報告』に書き加えましたが、このことは中国の最近の環境保護対策の縮図の一つでしかありません。 『人民日報』は、曽て中国の汚染情況は発達した国よりさらに複雑であり、基準は相対的に立ち遅れてしまい、協同対策にはなお永い歳月がかかりますと指摘していました。PM2.5対策には永い期間が必要で、発達した国の歴史を見ても、欧米では十数年掛かり、いまやっと下り車線に入りました。このように人体の健康保護を目標とした環境基準の達成は短期間に出来ることではなく、巨大な代償を支払わねばなりません。」 ねっ、まともすぎるほどまともですね。日本の一部のネットの報道に過剰反応があるようですが、中国側の本音はともかく、少なくとも公式見解はこのようなものだと知っておくべきだと思います。
2014年04月01日
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google簡体中文版でpm2.5の問題を調べておりましたら、「新華網」の2014年2月9日の記事に「日本は如何に青空を取り戻したか」という興味深い文章が載っていましたので、一部翻訳してここに紹介させてもらいます。なお、この「新華網」の文章は「新京報」の記事から転載されもののようです。 ↓ http://news.xinhuanet.com/world/2014-02/09/c_126102864.htm この記事は「日本政府が大気汚染に取り組み始めたのは早いことではなく、民衆の環境意識とメディアの報道が日本の大気対策を推し進めることになったのです」として、「日本が青空を『取り戻す』戦争には実際には数十年掛かりました」とし、1960年代から70年代の日本高度経済成長時代には小学校の校歌で「工場の煙突に七色の煙がのぼる」と歌われてその経済成長ぶりが賞賛されたほどだったとしています。 日本四大公害病の四日市喘息、熊本県の第一次水俣病、新潟県の第二次水俣病、神通川のイタイイタイ病などが次々と発生し、「人々の政府に対する訴訟が増加し、多くの日本民衆が政府や企業を訴訟し、最終的には勝利しました。メディアもまた自分の役割を発揮して大々的に環境保護問題を報道しました」としています。 そして「このような情況下、日本政府は環境問題を重視するようになり、1970年の国会は環境公害問題を集中討議したことから『公害国会』と称された」そうです。さらに日本は1967年に『公害対策基本法』を設定し、1968年には『大気汚染防止法』が通り、1971年には環境庁(環境省の前身)が設けられ、日本各地の自治体や住民、企業も次々と公害防止のための協定を結び、「住民は工場内部に入って汚染物質の排出情況を監視することが出来るようになりました。1978年には日本は米国を見習って『日本版マスキー法』(やももも注:自動車の排気ガスを規制する法律)も出し、自動車の排気ガス規制を強めました」とし、現在のようなハイブリッド車の開発と普及につながったとしています。 この記事には書いてありませんが、言外に中国では住民の公害に対する運動や訴訟活動が厳しく規制され、また環境問題の本質に対するマスコミの報道の規制や欠如が暗に指摘されているような気がします。
2014年03月30日
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前回3月26日に紹介した毛沢東の「和尚さんが傘をさす」発言の誤訳問題、現在の中国ではどう正されているのか気になってインターネットのgoogle簡体中文版で調べてみましたら、「華夏経緯網」の2008年9月25日の記事に米中国交締結時に活躍し、初代国連総会中国代表団代表となった熊向暉の談話「毛沢東は自らのことを『傘をさした孤独な僧』のようだと言ったのか」(http://www.huaxia.com/wh/gjzt/2008/00741477.html)が載っていましたので、ここに一部翻訳して紹介したいと思います。 毛沢東は訪中したエドガー・スノウと北京の中南海(中国要人の官邸がある場所)の住居で970年12月18日に5時間ほど会見し、通訳は唐聞生が担当したそうです。この会見の中で毛沢東の「和尚打傘、無髪(法)無天」発言もありましたが、同発言はスノウが個人崇拝問題に触れたときの返事として出てきたもので、毛沢東が「あなた方のアメリカでもやはり個人崇拝が多いですね。あなた方の国はいつも何かと言うと『ワシントン』と言っています。中国でもここ数年必要なら些か個人崇拝を行いましたが、崇拝が過ぎて、例えば『四つの偉大』(やまもも注:毛沢東のことを偉大な導師、偉大な指導者、偉大な統帥 、偉大な舵取りと讃えた)なんて言うのは人に嫌われ、しらけさせますよね」と言った後、スノウが北京に住む二人のアメリカ人の談話と違って毛沢東本人は『率直だ』との発言に返してつぎのように言ったときに出て来たものだそうです。「彼らはいささか迷信があるようですし、さらにいささか恐れがあるようで、誤解を恐れずに言うべきです。我は誤解を恐れずに言いますが、私は無法無天で、これを『和尚打傘、無髪(法)無天、没有頭髪、没有天』(やまもも注:和尚さんが傘をさせば頭髪もなければお空も見えない)と言うんです。」 この発言が通訳の唐聞生によって誤訳され、さらにスノウの独自の解釈が加わって世界に広まったそうで、いまは中国国内でもこのように正されているようですよ。 なお、毛沢東の「和尚さんが傘をさす」発言の誤訳問題を拙サイト「やまももの部屋」の「中国雑談」にも書き直して紹介しています。 ↓ http://yamamomo02.web.fc2.com/zatudan.htm#ketu
2014年03月29日
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中国には、上の句を言って下の句を言い当てる歇後語(けつごご)というものがあります。しゃれ言葉の一種ですね。例えば、「理髪師的徒弟」(床屋の弟子)なら、その後に「従頭学起」という言葉が続き、「床屋の徒弟は頭から学ぶ→イロハから勉強」ってことになります。「魯班門前誇手芸」(名工として有名な魯班の門前で腕前を誇示する)と来て、「不知身分」(身のほど知らず)となります。「猪八戒照鏡子、里外不是人」で、「猪八戒が鏡を見る→裏にも表にも人の顔がない→人に合わす顔がない」なんて歇後語もあります。 日本にも似たような表現がありますね。古典的なものでは「厠(かわや)の火事→やけくそ」とか、「お前の話は風呂釜だ→湯ばかり→言うばかりで信用できない、実行しない」なんてものがそうですね。 中国語のこのような歇後語表現の真の意味を知らないと、とんでもない勘違いが生じてしまう可能性があります。そんな例として有名なものに毛沢東が使った「和尚打傘」という歇後語表現があります。彼のこの言葉が全く異なる意味に英訳されて全世界に伝わったことがありました。 『中国の赤い星』の著者として有名なエドガー・スノーが文革時の1970年に毛沢東と会見したとき、毛は自らのことを "I am a lonely monk walking the world with a leaky umbrella"と言ったそうです。日本語に訳すと「私は破れ傘を携えて世界中を旅する孤独な修行僧だ」という意味になりますね。 当時の中国で絶対的な権威を誇っていた毛沢東のこの意外な発言に世界の人々は大変驚きました。しかし後にこの毛沢東の言葉は誤訳されたものであり、実際には毛沢東は「和尚打傘」と言ったとのことです。そしてこの「和尚打傘」は歇後語表現で、「和尚打傘、無法(髪)無天」(和尚さんが傘をさせば、髪 fa2=法fa3 も無ければお空も見えない→法も天もない)ということだったんです。すなわち、毛沢東は、「法も天もクソくらえ、オレ様のやりたいようにやる」と言ったんですね。文化大革命当時の法治主義完全否定の発言だったんです。それを通訳が歇后語と知らずに意訳し、さらにエドガー・スノーの訪中レポートを通じて世界中に伝えられたそうです。このように翻訳には誤訳がつきものであり、だから安易に孫引きするようなことはしてはいけません。
2014年03月26日
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今年(2012年)4月10日、中国の国営報道機関の新華社通信が4月10日、薄煕来氏が重慶市共産党委員会書記を解任され、中国共産党中央委員会および中央政治局常務委員会の職務も停止され、「深刻な規律違反」の疑いが持たれていると報じ、またその薄煕来氏の妻の谷開来氏に対しても、死亡した英国人ニール・ヘイウッド氏殺害の容疑がもたれていると報じ、それに海外のメディアが様々な憶測をまじえてスキャンダラスに報道しましたね。 中国では言論の自由がなく、報道も厳しく統制していますので、いろんな憶測が飛び交うのは仕方がありません。しかし、一つだけ確かなことは、中国の権力者はその権力を私的に乱用し、またひとたび権力闘争に敗れるとその権力の私的乱用が容赦なく暴露され、そのことを通じて人々はその私的な権力乱用の醜悪な実態を垣間見ることができるということです。 私は30年も前にある雑誌に「劉賓雁と『人妖の間』」と題する文章を書いたことがあるのですが、そこで劉賓雁が1979年に書いた報告文学「人妖の間」を通じて、黒竜江省賓県の幹部たちが相互に複雑な諸「関係」を結び合い、それを利用し、またその諸「関係」に守られながら、「権力の交換」を日常化させ、富と栄誉を築いている醜悪な実態を紹介したことがあります。それから30年以上経って、中国経済の自由化が進んで物質的には飛躍的な発展を遂げました。しかし、政治の民主化や言論の自由化は進まず、報道統制は依然として厳しく、そのような状況のなかで薄煕来事件のような私的権力の乱用が横行しているらしいことが突然報じられますと、中国社会は大いに変わったようでやはり変わっていないということを思い知らされます。それで、30年前に書いた文章ですが、まだまだそこに書いたことは過去のことではなく、いまの中国を考える上でも参考になるのではないかとこの「劉賓雁と『人妖の間』」を拙サイトにアップすることにしました。興味がございましたらご覧ください。
2012年05月05日
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