Pastime Paradise

Pastime Paradise

2008.05.16
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カテゴリ: The Beatles

…改めて自分で読み返してみると、何やさっぱり分からん文章ですがな
真夜中に妙なテンションで書いたラブレターを、翌朝冷静に読み返したときのような気恥ずかしさで、思わず目眩が!(><)
 30個といいましたが、流石に自分でも“ What You're Doing ”は無茶やわ…と思ったので、正確には31個のタイトルを散りばめています。
 一応全曲You Tubeへ飛べますので、お暇な方はそちらもどうぞ♪


Rain )上がりの夕暮れ時、 ペニー・レイン Penny Lane )の有名な床屋で散髪を済ませた僕は、 愛しいリタ Lovely Rita )の住むアパートへと向かった。今日は彼女の27回目の バースデイ Birthday  彼女が喜びそうな 愛のことば The Word )を2、3フレーズほど考えながら歩いていると、いきなり女性の声に呼び止められた。
ドクター・ロバート Doctor Robert )!」
マギー・メイ Maggie May )の姿があった。彼女はまだ 小さな子供 Little Child )だった頃からずっと僕が担当し、娘のように可愛がってきた 女の子 Girl )だ。彼女の病が完治して以来、会うのは半年ぶりぐらいだろうか。
「やあ、マギー!すっかり元気そうだね」
「ええ、先生のおかげよ。ねえ先生、 今何してるの What You're Doing )?時間があるなら 私の車でドライブ Drive My Car )しない?」
「ん…一緒にドライブしたいのはやまやまなんだけど、これから約束があってね」
「残念だなあ。じゃあまた今度ね、先生!」
 会わない間にすっかり魅力的になっていたマギー・メイに手を振って別れると、僕は再びリタの元へと今にも沈みそうな 太陽を追う I'll Follow The Sun )ように西へ向かって歩き出した
 10分ほどで彼女が暮らす ストロベリー・フィールズ Strawberry Fields Forever )というアパートに着いた僕は、入口の手前で二人組と擦れ違った。 Chains )をジャラジャラ身に着けた 悪ガキ 不良少年 Bad Boy )と、全身を黒い服で包んだ少女で、擦れ違いざまの一瞬、3人の視線が交錯した。
「あの…これ落としましたよ」
黒い服の少女 Baby's In Black )はそう言って億劫そうに 何か Something )をこちらに差し出した。
有難う、お嬢さん Thank You Girl )」
 彼女から手渡されたものを受け取った僕は、チラリとそれに目をやり、すぐさまズボンの右ポケットに無造作に突っ込んだ。

 リタの部屋がある3階で降りた僕はふと思い立って階段で4階まで上がると、学生時代からの友人である 税務官 Taxman )のジュードを先に訪ねた。
ヘイ、ジュード Hey Jude )!どうだ調子は?」
 ジュードは先月このアパートに越してきたばかりで、奇しくもリタの真上の部屋だった。
「やあ、ロバート。サリーもすっかりここが気に入ったって 彼女は言った、彼女は言った She Said She Said )んだ。それで私も満足、満足なんだ」
 彼の、話の最後を二度繰り返す話し方は昔から変わらない。
「そうか、それはよかった。おや? のっぽのサリー Long Tall Sally )は今、いないのかい?」
 ジュードの妻・サリーはロシア出身のモデルだけあってスラリと背が高く、本当はロシア風のちゃんとした名前があるそうだが、こちらに来てからはサリーと名乗っているため、仲間内ではのっぽのサリーと呼ばれている。
「彼女は 昨日 Yesterday )から ソ連に帰ってる Back In The U.S.S.R. )んだ…いやソ連じゃなくてロシアに、ロシアだ。何でもあっちで撮影があるそうでね、決して別居とかではない、別居ではないよ」
「分かってるよ。いつでも 彼女が君を愛している She Loves You )ことは僕も知ってるさ」
 僕の言葉にジュードは幾分照れくさそうな顔をして、彼の 履き古した茶色の靴 Old Brown Shoe )に視線を落とした。
そして勧められるまま書斎の長椅子に腰掛けた僕は、机上で異彩を放っている丸いクリスタルのオブジェに目を向けた。
「あ、ああ、その置物、置物か?」
 僕の視線に気付いたジュードが、妖しく光り輝くオブジェをそっと僕に手渡した。硬さも大きさもちょうどいい。
「何でもロッキー何とかっていうアーティストの作らしいけど私はそういうものに一切興味が無くてね、興味が無いんだ。よかったら君にあげる、あげるよ」
ロッキー・ラックーン Rocky Raccoon )のクリスタル製品っていえば、最近かなり有名じゃないか。こんな高価そうなものをもらってもいいのかい?」
「仕事以外で Money )の話はしたくない、したくないんだ。価値が分かる人が所有してこその芸術品、芸術品だよ。私には ガラスの玉ねぎ Glass Onion )にしか見えない、見えないんだから」
「そうか、じゃあ遠慮なくいただくよ。お返しに 僕から君へ From Me To You )もちょっとしたプレゼントがあるんだ」
 そう僕がまだ言い終わらぬうちにジュードは後頭部を何度も激しく殴打され、書斎机に突っ伏した。まだ微かに息はあるようだが、この大量の出血では長くと続かないだろう。彼からの最後のプレゼントであるクリスタルのオブジェは赤く染まってもなお、一層の妖しい輝きを放っていた。
 「 おやすみ Good Night )、ジュード」
 僕は彼に静かに別れを告げ、ズボンの右ポケットから取り出したジュードの部屋の鍵を掛け終えると、リタの待つ3階へと階段を踏み出した。”





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Last updated  2008.05.17 02:45:38 コメントを書く
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