とはいえ、確かにフィル・コリンズの曲はどれも好きだった。85年にリリースしたソロ・アルバム「NO JACKET REQUIREDSussudio”や“One More Night”などのPVは、何度見ても(聴いても)全く飽きることがなかった。
そしてまたフィルは、ジェネシス(GENESIS)の顔でもあった。 元々中途加入だったフィルがvo.を務めるようになったのは、“ 歌うヒマワリ
”こと奇才・ピーター・ガブリエル(Peter Gabriel)が脱退したためだったが、それまでプログレ・バンドとして高い評価を得ていたジェネシスは時代の流れもあるだろうが、徐々にポップさを増していった。 86年にリリースされたジェネシスの「INVISIBLE TOUCH」は、すっかりプログレ色が薄まったものの、英米のみならず全世界で大ヒット!タイトル曲の“Invisible Touch”を始め、“Tonight, Tonight, Tonight”“Land Of ConfusionIn Too Deep”“Throwing It All Away”と5曲もシングルカットされ、米国では5曲全てが5位内(うち“Invisible Touch”は初の全米1位に輝いた)を記録する超人気っぷりだった。