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2024.01.20
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今回も江戸川乱歩作品の感想を書かせて頂きます。全体的に短編集が中心です。

日記帳
20歳の弟を病気(おそらく不治の病)で亡くした兄が、弟の書斎にあった日記帳を開いて読んでみます。弟は極度な内気で、暗号のはがきを出す事により恋した相手に思いを伝えていたらしいのです(暗号は「I LOVE YOU」と読めました)。
相方が弟の気持ちを受け取ったかどうかは謎ですが、内気で恋も知らずに死んだと思われていた弟が恋していたのは、実は実は自分の婚約者(弟の死の2ヶ月前に婚約)だった事を知った兄はその事で悩み苦しむ事になります。結局、婚約者が愛していたのは兄なのでしょうか?それとも弟なのでしょうか?(「江戸川乱歩作品集Ⅰ」収録)

接吻
とんでもなくヤキモチ焼きな会社員が主人公。勤め先の上司の親戚にあたる美女を紹介され結婚した主人公ですが、ある日その美人妻が誰かの写真に接吻し、その写真を物置のタンスの引き出しにしまうのを障子の穴から目撃します。
真夜中にタンスの引き出しを探ってみると、出てきたのは上司の写真!!怒り爆発の主人公、上司に辞表を出して妻を責め立てると、妻が接吻していたのは主人公の写真との事。どうも、障子の穴から見えた全ては鏡に映っていた事で、主人公が上司の写真を取り出したタンスは妻が写真をしまったのとは別のタンスでした。
全ては主人公の誤解だったのか、妻の上手い口実だったのか、真相は藪の中。まあ、疑うよりは信じる事の方が幸せですけどね(後の再就職が大変そう・・・・・・)。(「江戸川乱歩作品集Ⅰ」収録)

蟲(むし)
人嫌いで引きこもり症の主人公が、恋する相手を殺害し屍姦行為に走ります。衝動的に殺人を犯し、自分に絶対逆らわない恋人を得ますが、屍の宿命として徐々に腐敗が始まっていきます。主人公は恋人の肉体を保つ為に涙ぐましい努力をしますが、結局どの方法も叶わず、最終的には面相の付かなくなった無残な腐乱死体に顔を埋め悶死します。
題名の「蟲」というのは、昆虫の事では無く腐敗した死体を冒す細菌の事のようで、乱歩作品の中でもグロテスクな類の物語です。(「江戸川乱歩作品集Ⅰ」収録)

名探偵・明智小五郎の記念すべきデビュー作品。主人公は古本屋で煙草屋の下宿人・明智小五郎と知り合いますが、憧れの古本屋の美人妻が座敷で密室状態で殺害されているのを発見します。通りがかりの2人の大学生の話によると、座敷で怪しい人物を目撃するも、その人物の着ていた物を1人は黒、もう1人は白と答え食い違います。
主人公は明智を犯人と疑いますが、明智はキッパリ否認。明智はここで名推理を披露します。真犯人は古本屋の隣りの蕎麦屋の店主で、古本屋へは裏口から出入りできたのです。犯人が外部へ逃げたという思い込みが、事件を密室殺人と思わせてしまったようです。
実は、蕎麦屋の店主はサドで古本屋の妻はマゾ!!2人は古本屋の夫には内緒でSMプレイを楽しんでいたようですが、それが高じて殺人を犯してしまったようです。
大学生の目撃証言も勘違いだったようで、蕎麦屋の店主の自主により事件は幕を閉じます。
初登場時は貧乏書生だった明智探偵ですが、この後に名声を高め、高級デパートに探偵事務所を経営する身分になるんですよね。(「明智小五郎全集」収録)

心理試験
身勝手な大学生が犯した身勝手な殺人事件。守銭奴な金貸し婆さんが隠した大金の噂を親友から聞いた苦学生は、金貸し婆さんを殺害して大金を奪う計画を立てます。お婆さんを殺した後、植木鉢に隠された大金の半分を奪い、警察に落とし物として届けます。こうすれば、1年後には金は自分の物になるという計算でした。
その後、苦学生の親友が殺人現場を目撃するも、出来心で植木鉢の大金を盗んだ事で容疑者となります。苦学生にも嫌疑が掛かり、担当判事は2人に心理試験を試します。
苦学生は心理試験を難無くパスし、親友の容疑はますます深まりますが、明智探偵は苦学生が答えた「屏風」という言葉に不自然なものを感じ、殺人現場の屏風の傷について訊ねたところ、苦学生は屏風の傷は事件前からついていたと証言。それが仇となり、犯行がバレてしまいます。屏風は事件の前日に持ち込まれた物でした。
自分は未来有望な人材と思っているようでも、他人を殺して金を奪って良いという法は無いんだよ!いい加減にしろっっ!!(「明智小五郎全集」収録)

黒手組
会社重役の令嬢が世間を騒がす怪盗団・黒手組に誘拐されるという事件が発生。明智探偵が事件解決に乗り出します。身代金は怪しげな大男に奪われますが、誘拐された令嬢は明智探偵が救い出しました。
実は、事件の真相は黒手組とは全く関係の無い事でした。令嬢には恋人がいたのですが、信仰宗教の違いから父親に反対されたので黒手組を利用して駆け落ちしたのでした。事件前、令嬢の友人から届いたはがきは、実は恋人が出したもの。待ち合わせ場所と時間を記す暗号になっていました。
協力者は小男の書生。彼はマントと竹馬で大男に化け、身代金を受け取っていました。後の明智探偵の計らいで令嬢と恋人は結ばれ、小男の書生も好きな人と結ばれました。何はともあれ、ハッピーエンドな話で良かったです。
この物語は、舞台用の脚本も書かれていました。細かい部分は端折られて分かり易かったです。
(「明智小五郎全集」収録)

月と手袋
悪徳な金貸しの妻と不倫を楽しむシナリオライターが主人公。金貸しが気付いているのを知りながら妻と不倫を続ける主人公は、かなりの面の皮。金貸しの妻も夫の財産が目当ての結婚。
そんな3人が入り乱れて、ついに主人公は金貸しを殺害します。
残った2人は事態を強盗殺人に見せかけ、金貸しの財産でゴージャスな生活を送りますが、そんな生活の中、明智探偵の知り合いの警部さんと懇意になっていきます。
警部さん、主人公と不倫妻に友好な態度を取ってくれますが、色々と突っ込みを入れて2人を精神的に追い詰めて行きます。実は警部さん、明智探偵のアドバイスで行動していて、最終的には犯行を喋りまくった2人の会話をしっかり録音して観念させます。
行動するのは警部さんで、明智探偵はアドバイザーという珍しい形式。明智さんからすれば、3人の人物関係を見ただけで犯行はバレバレなんでしょうね。(「明智小五郎全集」収録)

今回は、ここまで。





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最終更新日  2024.05.15 01:05:00
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Re:横溝・乱歩読書感想文21(01/20)  
chachochacho  さん
これもすごい。ただその努力に脱帽して、布団へ入らせていただきます。 (2024.01.27 00:36:18)

もう少し余裕を持って  
a-chan8684  さん
chachochachoさん、おはようございます。
昨年からの読書量が蓄積してますね・・・・・・(汗)。今後は、もう少し余裕を持って読書を楽しみたいです。 (2024.01.27 11:44:55)

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