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2025.11.27
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横溝・乱歩作品の感想を書かせて頂きます。
今回は久々に江戸川乱歩の作品の感想を書かせて頂きます。

トラックの荷台から石膏詰めの女性の死体!!その死体の顔は無残にも潰されていました。
乱歩先生の定番ですが、失踪した姉を探している女性の確認により、手首の傷から死体は彼女の姉である事が判明。その妹さんも正体不明の道化師に襲われ、行方不明になります。姉にも妹にも奇妙な道化師の人形が届いていたので、不吉に思った姉の婚約者(本当は妹の方が好き)の男性は明智小五郎探偵に事件について相談するのですが・・・・・・。
顔の無い死体のパターンとして被害者と思われていたのが加害者というのが定番なんですが、ここで石膏詰めにされた死体は事件の直前に病死した犯人の知人女性のものでした。体形が犯人に似ていたという事で、犯人が自分を被害者の1人と見せ掛ける為に身代わりにしました。
後に妹さんも殺害されている事が判明しますが、この事件で一番悪いのは姉(真犯人)の婚約者ですよ。婚約した後で嫌いになるぐらいなら、何で相手の事をよく知りもせず浅はかに婚約なんかするの!?裏切られた姉さんも、姉さんに恨みを買った妹さんも可哀そうですよ。

十字路
カルト宗教に嵌りこむ妻に嫌気が差した会社社長が秘書の女性と不倫していたのですが、それを知った妻の襲撃を受けて誤って妻を殺害してしまいます。社長はダムの底に沈む村の古井戸に死体を捨てに行くのですが、途中で接触事故を起こしてしまい、警察の聴取を受ける為に車から離れている間に妹の恋人と諍いを起こした男性がタクシーと間違えて乗り込んでしまい、頭を打った事が元で車内で死んでしまいます。驚く社長ですが、仕方なしに死体を2つとも古井戸に捨ててしまいます。
兄の失踪の謎を解く為に彼の妹は探偵に依頼するのですが、この探偵、腕は立つのですが質の悪い奴で、調査の末に会社社長の仕業である事を突き止めるのですが、殺人の証拠となる妻の靴をネタに大金をせしめようと社長を恐喝してきます。当然、こ奴は社長の手に掛かります。
でも、探偵が突き付けてきた妻の靴は偽者で、本物は警部さんが拾っていました。覚悟を決めた社長は拳銃自殺し、愛人の秘書も飛び降り自殺します。2人とも可哀そうですが、こんな事なら最初から自首するべきでしたね。

悪霊
主人公の新聞記者の降霊術仲間である実業家(故人)の妻が土蔵の2階で殺害されます。土蔵内は密室状態で、鍵は死体の下にありました。謎の記号が書かれた紙も残され、更に中年紳士と時代遅れの服装の女性の2人の男女が実業家の屋敷に入るのが目撃されていました。
新聞記者が降霊術仲間達と共に心霊学会の中心人物である博士宅を訪れた際、霊媒師である盲目の少女が、この中に犯人がいて次の犠牲者も出ると言うのですが・・・・・・。
残念な事に、この話は未完の作品。続きは読者の想像に任せるという事ですね(トホホ)。(「十字路」収録)

空気男とあだ名される健忘症の主人公が「プラクティカル・ジョーク(悪意の無い悪戯)」を愛好する男性と親しくなり、その会合に参加するようになりますが、いつしかその男性の妻に恋をして家に招きます。そしたら空気男の家に男性が来て、怒って妻を連れ帰ります。
その後、自宅から出てこない男性の妻を心配した空気男が様子を見に行くと、地下室の水漏れの補修工事中。まさか男性が妻を殺して埋めたのではと思ったら、出てきたのはマネキン人形。これは男性が仕組んだプラクティカル・ジョークでした。
その後、男性と妻が突然引っ越してしまった事を聞いた空気男、やはり妻殺しは行われていたものと思い、地下室を改めて掘り返すのですが、何も出てきませんでした。
戦後になって新聞記者になった空気男、新興宗教の取材に訪れると教祖は何と男性夫妻。地下室の件は一世一代のプラクティカル・ジョークという事で和解し、男性を尊敬の目で見るようになります(一体、何が言いたかったのでしょうか?)。

鏡地獄
鏡愛好家である主人公の友人の男性。鏡、ガラス、レンズなど物が映る物は勿論、幻灯器械、遠眼鏡、虫眼鏡、万華鏡、プリズムにも興味を持ち、色々な鏡の原理を見せて主人公を楽しませてくれました。そこまでなら、まだ健全な趣味でした。
彼は学校を出ると自分の実験室を建築し、両親亡き後に遺産を受け継ぐと、その道楽はエスカレートしていきました。実験室に天体望遠鏡を据え付けて天文台にしたり、上下左右に鏡を貼り詰めた部屋を作ったり、巨大な顕微鏡で断末魔の蚤(のみ)を見たり、終いには財産を投げ売って色々な形の鏡を集め出し、部屋全体が万華鏡のようになったり・・・・・・。
周囲の者はあまりの度を超した道楽に心配するのですが、ある日、彼は中に出入りできるガラスの玉をガラス工場技師に作らせ、その中に入って発狂してしまいます。球状の鏡の内部は、どのような感じだったのでしょうか。入ってはならない禁断の場所だったのでしょうか。何にしても、度を超した道楽は身を亡ぼすという事なのでしょうね。(「ぺてん師と空気男」収録)

内部が中央で三角形に仕切られた「三角館」に住む双子の老人とその家族。双子の彼らは、長生きした方が全財産を受け継ぐという父の遺言に従って生きてきましたが、余命幾許も無い事を悟った双子の兄が生活力が無い(というか金遣いが荒い)息子達の将来を心配して、双子の弟にどちらが先に亡くなっても子供達に均等に財産を継がせる事を持ち掛けます。
でも弟は、金を使う事しか考えられないバカ甥達の為に大事な親の財産を渡せるか!と頑として受け入れません。そう言う弟の息子と娘(どちらも養子)も似たようなもので、娘婿の稼ぎのお陰で生活しているのですが。
そうしているうちに双子の弟が殺害され、兄家族が全財産を受け継ぐ事になりますが、兄は弟との約束を守る為に子供達に均等に財産を継がせる契約をしようとして、その兄も殺害されてしまいます。兄の息子達と執事が怪しくなってくるのですが、犯人の動機は財産狙いではありませんでした。
全ては双子の弟の娘婿の犯行でした。双子の兄の次男と不倫している妻に財産が入る事になれば、自分は捨てられると思っての事。今まで自分の稼ぎがあるからこそ妻の愛情を繋いできたらしいですけど、お金で繋ぐ愛情なんて本当の愛情では無いですよ・・・・・・。

月の魔力(一種の催眠?)によって人々を自殺に追いやる殺人鬼・目羅博士。江戸川先生(本人かしら?)は動物園で出会った青年から不思議な話を聞かされます。眼科医である目羅博士は満月の夜、殺害する相手によく似た人形を首吊りの格好にして相手に見せる事によって、その相手を首吊り自殺に追い込んでいました。青年も同じ方法で殺され掛けますが、必死で博士の魔力に対抗します。そして、博士そっくりの人形をビルの窓際から落とすと、博士もビルから落ちて行きました。
人は殺人の為に殺人を犯す。青年は恐ろしい言葉を残して去って行きますが、彼は月光の魔力が生んだ幻だったのでしょうか。

主人公の探偵小説家の友人に婚約者殺しの嫌疑が掛かります。婚約者の死体は面相の付かない有様になっていました。友人は親の都合で決めた婚約者よりも秘密の恋人の方に心惹かれていて、逢引に行っていたので容疑は深まるばかり。探偵小説家は友人を救う為、独自の捜査を行います。
真犯人は被害者と思われていた友人の婚約者で、本当の被害者は友人の秘密の恋人でした。婚約者は探偵小説家の友人の逢引の際に後をつけて、逢引が終わったところで友人の恋人を殺害し、面相を分からなくして貨物列車を利用して死体を輸送。カーブの際に死体が落ちる事を人形で実験していたので、それを利用してアリバイ作りをしました。
妬みの感情が恐ろしいですが、トリックを暴かれた後おかしくなっていく婚約者の姿は哀れでした。(「目羅博士の不思議な犯罪」収録)

今回は、ここまで。





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最終更新日  2025.11.30 22:39:32
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