ドクターイワタの認知症ブログ~東海エリア最高の治療実績~

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Jan 17, 2016
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長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト​

蒲郡 三谷弘法山

20160117@弘法山子安大師像
20160117@弘法山景観
20160117@喫茶店Hill Top(ヒルトップ)

症例報告

20160117@6153@603
開業医からの紹介である。精神科 1.ドグマチール50mg。内科 1.プラビックス75mg 2.アムロジピン5mgなど。物忘れ、甘い物好き、語義失語を呈していた。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮中等度、3.側頭葉萎縮軽度、4.海馬萎縮軽度、5.両側基底核ラクナ脳梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:4、前頭側頭葉変性症(FTLD)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にレミニール4mg/ナウゼリン10mgを開始、NewフェルガードLA粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にサアミオン10mgを開始した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+3)、近時記憶5/6(+2) と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。脳血管性認知症(VD)にプロルベインDR4Capを勧めた。

20160117@6155@604
知り合いからの紹介である。物忘れ、小刻み歩行、歩行不安定、右への傾き、右不全片麻痺、呂律不全、流涎、嚥下困難、四肢末端冷感、真面目、腕組みを呈していた。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮軽度、3.側頭葉萎縮軽度、4.海馬萎縮なし、5.両側基底核ラクナ脳梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:2、脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgとサアミオン10mgを開始、プロルベインDR4Capを勧めた。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:23/30(+2)、近時記憶5/6(+2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。腕組みが続いており、頭部CT所見からも前頭側頭葉変性症(FTLD)を否定できない。

20160117@6158@605
ケアマネからの紹介である。既往歴:意識消失発作3回。内科 1.アリセプト5mgなど。物忘れ、幻視既往、易興奮、昼間傾眠、尿便失禁、食欲低下、徘徊、薬物過敏、語義失語、突然の大声、意識消失発作、振戦、易転倒、小刻み歩行、歯車様固縮を呈していた。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮なし、3.左>右側頭葉萎縮軽度、4.左>右海馬萎縮軽度、5.両側基底核ラクナ脳梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:9、ピックスコア:6、レビー・ピック複合(LPC)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:1.5/9、改訂長谷川式:4/30、近時記憶0/6と高度低下していた。易興奮/易転倒/食欲低下にアリセプト5mg中止、8日目から認知機能低下にリバスタッチパッチ4.5mgを開始、NewフェルガードLA粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgとサアミオン10mgを開始、プロルベインDR4Capを勧めた。せん妄にシチコリン1000mg静注、歩行困難にドパコール50mg/グルタチオン2000mg/ソルコセリル/ビタミンC/ビタミンB12開始、食欲低下にドグマチール50mg/プロマック150mg開始した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:6/30(+2)、近時記憶1/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。脈拍100以上のためプレタールからプラビックスへ変更、プロルベインDRは希望されなかった。

20160117@6161@606
インターネット検索からの紹介である。物忘れ、アパシー、語義失語、甘い物好き、使用行動を呈していた。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮軽度、3.左>右側頭葉萎縮軽度、4.左>右海馬萎縮軽度、5.両側基底核ラクナ脳梗塞数カ所、6.その他 左>右ピック切痕。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:5、前頭側頭葉変性症(FTLD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:15/30、近時記憶3/6と中等度低下していた。認知機能低下にレミニール4mg/ナウゼリン10mgを開始、NewフェルガードLA粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgとサアミオン10mgを開始した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:18/30(+3)、近時記憶2/6(-1)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。

20160117@6162@607
親戚からの紹介である。内科 1.アリセプト5mg 2.ノルバスク5mg 3.アバプロ100mgなど。物忘れ、暴言(妻不在時)、アルコール多飲(妻不在時)、夜間不眠、語義失語、生真面目、うつ状態を呈していた。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮中等度、3.側頭葉萎縮軽度、4.海馬萎縮なし、5.両側基底核ラクナ脳梗塞多数、境界領域梗塞、6.その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:4、前頭側頭葉変性症(FTLD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:21.5/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にドネペジル5mgを継承、フェルガード100M粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始、プロルベインDR4Capを勧めた。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:22/30(+0.5)、近時記憶4/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。

パーキンソン症状のあるレビー小体型認知症にアリセプトはダメ

レビー小体(Lewy body)とはユダヤ人神経学者Frederic Henry Leweyフレデリック・ヘンリー・レビーによってパーキンソン病患者の脳幹で発見された封入体です。その当時、レビー小体は脳幹に限局しており、パーキンソン症状を伴う認知症はパーキンソン病にアルツハイマー型認知症が合併したものであると考えられていました。、しかし、日本人神経学者小阪憲司が認知症とパーキンソン症候群を主症状とし、レビー小体が脳幹だけでなく大脳皮質にも報告したレビー小体が蓄積されたパーキンソン症状を伴う病態としてレビー小体病(Lewy body disease)を提唱、さらにレビー小体病をレビー小体の分布から脳幹型、移行型、びまん型に分類し、脳幹型がパーキンソン病であり、びまん型がびまん性レビー小体病と総称されました。1996年レビー小体型認知症と総称することが決まり、臨床診断基準と病理診断基準がNeurology誌に掲載されました。この臨床診断基準により臨床診断が可能になり欧米ではアルツハイマー型認知症に次ぐ2番目に多い認知症であることがわかってきました。

著者は今までに5000名以上の認知症初診患者の診療から、幻視・幻聴を伴い、パーキンソン症状を伴わないレビー小体型認知症を多数経験しており、ここに大脳皮質型があることも付け加えます。レビー小体の分布から脳幹型がパーキンソン病、脳幹+大脳皮質型が認知症、幻視・幻聴、パーキンソン症状を伴うレビー小体型認知症、大脳皮質型は認知症、幻視・幻聴を伴い、パーキンソン症状を伴わないのレビー小体型認知症ということになります。

パーキンソン症状を伴うレビー小体型認知症の場合は、脳内ドーパミン低下を伴うためドーパミンを補充する必要があります。逆に、パーキンソン症状を伴わないレビー小体型認知症の場合は、脳内ドーパミンは充足しているためドーパミンを補充する必要はありません。

アリセプト(後発品ドネペジル)は脳内アセチルコリンを上昇させることが知られています。しかし、アリセプトが脳内ドーパミンを著しく下げる物質(抗ドーパミン物質)であることは余り知られていません。パーキンソン症状を伴うレビー小体型認知症にアリセプトを通常通り最初の2週間は3mg、以後5mgで投与したらどのようなことが起こるでしょう。元々ドーパミンが低下しているのに、アリセプトという抗ドーパミン物質を投与するのですからパーキンソン症状は悪化するに決まっています。あなたが予想されたとおり、パーキンソン症状を伴うレビー小体型認知症に漫然とアリセプトが処方されると、四肢硬直、寝たきりになってしまいます。






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Last updated  Jun 18, 2023 05:05:49 PM
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