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長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト
糖質制限の中のバレンタイン
患者さんの御家族に「堂島ロール」のモンシェール 「スイートワルツ 10本入」を頂きました。いくつになっても嬉しいものですね。
症例報告
親戚からの紹介である。既往歴:H26心不全。HN病院循環器内科①アルダクトン②ダイアート③ルプラック④パリエット⑤ミカルディス20mg⑥ワーファリン⑦アカルディ⑧デパス⑨アーチスト⑩ラックビー。物忘れ、寝言、夜間大声、夜間せん妄、意識消失発作、生真面目、語義失語、高度難聴、小刻み歩行、歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮中等度、④左>右海馬萎縮中等度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:7.5、ピックスコア:5、レビー・ピック複合(LPC)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:3/9、改訂長谷川式:15/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にリバスタッチパッチ4.5mgを開始、フェルガード100M粒4錠を勧めた。意識消失発作/夜間せん妄にシチコリン1000mg静注、歩行困難/車椅子にドパコール100mg/グルタチオン2000mg/ソルコセリル1Ap/ビタミンC2g/ビタミンB12開始した。BP88/50と過降圧のためミカルディス20mg中止を指示した。るい痩にエネーボ250mLを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(+6)、近時記憶4/6(+3)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失、独歩可能となった。甲状腺機能亢進症(FT4=1.92)。一般採血:BUN27.4,s-Cr1.89,Alb3.9,TIBC247,Hb12.2以外異常なし。VitB1=17,VitB12=279,葉酸=3.5。ビタミンB1欠乏症(目標値30)、ビタミンB12低下症(目標値500)、葉酸欠乏症(目標値10)を呈しており、毎日メコバラミン(ビタミンB12)1mg、毎週フォリアミン(葉酸)5mgを開始した。BP91/56と相変わらず過降圧。

親戚からの紹介である。既往歴:2年前 軽度認知障害、頭部MRI:右前頭葉萎縮、A医院S先生、治療なし。1年前 頭部MRI:脳萎縮なし、AR病院神経内科、治療なし。物忘れ、夜間不眠、膝組み、言語ゆっくりを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤脳梗塞なし。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:4、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:28/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。語義失語にMガード2Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+1)、近時記憶6/6(+2)と軽度改善、本人から「頭がすっきりした」という感想があった。甲状腺正常。一般採血:GPT43以外異常なし。VitB1=48,VitB12=609,葉酸=10.5。

インターネット検索で来院された。既往歴:M内科①アムロジピン②バルサルタン③テネリア。物忘れ、歩行不安定、4年前から車をぶつけるを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:0、ピックスコア:0、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:17/30、近時記憶2/6と中等度低下していた。認知機能低下にレミニール4mg/ナウゼリン10mgを開始、NewフェルガードLA粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:16/30(-1)、近時記憶3/6(+1)と不変だったが、はっきりした表情になった。認知機能低下にレミニール4mgから8mgへ増量した。甲状腺正常。一般採血:TIBC244,Hb12.6以外異常なし。VitB1=33,VitB12=617,葉酸=1.7。葉酸欠乏症(目標値10)を呈しており、毎週フォリアミン(葉酸)5mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:22/30(+6)、近時記憶5/6(+2)と著明改善した。
知り合いからの紹介である。既往歴:H30/8鬱状態、T病院①ザクラス②ドネペジル3-5mg(H30/8-)③レスリン④オパルモン⑤ベルソムラ。物忘れ、易興奮、食欲低下、右下肢しびれ、介護抵抗、甘い物好き、生真面目、うつ状態を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、⑥その他 左淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:19/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。食欲低下に前医からのドネペジル5mg中止、認知機能低下に8日目からリバスタッチパッチ4.5mgを開始、フェルガード100M粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:19.5/30(+0.5)、近時記憶5/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Hb10.9,Ferritin35.7以外異常なし。VitB1=32,VitB12=437,葉酸=3.0。鉄欠乏性貧血にフェロミア50mg開始。ビタミンB12低下症(目標値500)、葉酸欠乏症(目標値10)を呈しており、毎日メコバラミン(ビタミンB12)0.5mg、毎週フォリアミン(葉酸)5mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:22.5/30(+3)、近時記憶5/6(+-)と更に軽度改善した。

親戚からの紹介である。物忘れ、アパシー、複数のことを同時に覚えられない、食欲低下、体重減少、語義失語を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②右>左前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤脳梗塞なし。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:4、前頭側頭葉変性症(FTLD)として治療を開始した。右手で左肩を叩く○、猿も木から落ちる○、犬も歩けば棒に当たる○、弘法も筆の誤り×、利き手○。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。注意スコア:2/9、多動スコア:1/8と発達障害は否定的だった。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。食欲低下にプロマック150mg/エネーボ250mL開始した。ビタミンB1、B12、葉酸血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+3)、近時記憶6/6(+3)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Zn63以外異常なし。VitB1=31,VitB12=268,葉酸=3.5。ビタミンB12低下症(目標値500)、葉酸欠乏症(目標値10)を呈しており、毎日メコバラミン(ビタミンB12)1mg、毎週フォリアミン(葉酸)5mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+4)、近時記憶6/6(+-)と更に軽度改善した。
第34回長久手南クリニック認知症カンファレンス
長久手南クリニックでは連携するケアマネージャー、看護師、介護士、理学療法士、歯科医師、医師などの多職種を対象に認知症に関する理解を深めるため認知症カンファレンスを行っています。今週から順次、連携する各施設に下記の「認知症カンファレンスのお知らせ」をFAXしますので参加希望者は記名して返信下さい(各施設1-3名)。
演者: 名古屋フォレストクリニック院長 河野和彦先生
日時: 2019年3月27日(水)午後6時30分-8時
場所: 長久手南クリニック 約80名
「基底核に石灰化のある認知症」
筆者は2015年10月に「基底核に石灰化のある認知症の病状と治療反応性 DNTC類似疾患の認知症状、臨床病型、治療法(Journal of Japan Society for Dementia Therapy 2(1), 32-40, 2015-10 )」を論文発表して以来、片側または両側淡蒼球(大脳基底核の最内側)石灰化に注目して治療をしています。一般には特発性基底核石灰化症(IBGC)と呼ばれています。病理病名は石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)と言いますが、臨床では病理までは確定診断出来ませんから、筆者は「石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患」と呼称しています。筆者の7000名の臨床経験からDNTC類似疾患は以下のような臨床病名を含むことがわかっています。レビー小体型認知症(DLB)、レビー・ピック複合(LPC)(進行性核上性麻痺(PSP)および大脳皮質基底核変性症(CBD)を含む)、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭型認知症(ピック病)、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)、アルツハイマー型認知症(ATD)、混合型認知症(MIX)、注意欠陥多動障害(ADHD)などです。従って、筆者はこのブログの中で「レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患」などのような表現をしています。
筆者の最近100例を抽出してみるとなんと「基底核に石灰化のある認知症」が56例含まれることがわかりました。
DNTC類似疾患56例の中の臨床病名はレビー小体型認知症(DLB)15例、レビー・ピック複合(LPC)14例、前頭側頭葉変性症(FTLD)8例、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)8例、混合型認知症(MIX)6例、アルツハイマー型認知症(ATD)5例の順でした。
100例全体で臨床分類するとレビー小体型認知症(DLB)26例、レビー・ピック複合(LPC)23例、前頭側頭葉変性症(FTLD)15例、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)11例、混合型認知症(MIX)12例、アルツハイマー型認知症(ATD)9例、脊髄小脳変性症(SCD)1例、正常圧水頭症(NPH)1例となりました。
「基底核に石灰化のある認知症」の特徴を知ることは、医師が治療を行う上で、家族が介護を行う上でとても大切です。脳内石灰化は生まれつき3人に1人は持っていることがわかっています。「基底核に石灰化のある認知症」の方は生まれつきのキャラクター分類として「頑張り屋」「頑固者」であることが家族からの聴取でわかっており、社会的に成功した方々も多く含まれます。
「基底核に石灰化のある認知症」には特徴的な良い点と悪い点があります。良い点では「ゆっくりと認知機能低下が進むこと」、「薬が少量で良く効くこと(薬物過敏)」などが挙げられます。従って、「基底核に石灰化のある認知症」の方は抗認知症薬やサプリメントを少量投与するだけでかなり認知機能が改善します。決して諦めずに患者個々の適量を少量から見つけ出し、効いたらその用量で維持することが大切です。しかし、多くの医師が通常量の抗認知症薬を投与してしまうため、患者や介護者は「異常興奮」「歩行悪化」「食欲低下」などの副作用に悩まされることになります。一方で悪い点は「頑固者が多いこと」「堪忍袋の緒が切れやいこと」とから「デイサービスに行きましょう」と言っても必ず「嫌です。行きたくありません。」と一旦は必ず断ることが特徴的です。従って、介護者は「介護拒否」や「堪忍袋の緒が切れやいこと」に悩まされることになります。「介護拒否」や「堪忍袋の緒が切れやいこと」がある場合は興奮系である抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチパッチ)は避け、サプリメント(フェルガード/プロルベインなど)やプレタール(抗血小板剤であるが認知機能改善効果あり)などで治療を開始します。同時に、低糖質・高タンパク食指導およびビタミン/ミネラル補充療法を行いながら認知機能改善を試みます。これだけ知っていれば認知症の約5割強の方を安全に治療出来るのですからどれだけ大切なことかを理解して頂きたく思います。筆者は「基底核に石灰化のある認知症」は治せる可能性が高い認知症と考えています。
「基底核に石灰化のある認知症」は高齢になればなるほどレビー症状(幻視、幻聴、せん妄、歩行困難など)とピック症状(易興奮、甘い物好き、収集癖、語義失語など)を併せ持ったレビー・ピック複合(LPC)になっていくことがわかっています。高齢者で「基底核に石灰化のある認知症」はレビー・ピック複合(LPC)の可能性が高いと思って治療していくことが大切です。最後に、認知症治療に共通したことですが、臨床診断としてレビースコアとピックスコアを必ず確認し、家族を含めた多職種からの情報を総合して何を改善してほしいのかに重きを置きながら治療していくことが一番大切です。
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