『内緒にしてくれる?』

『内緒にしてくれる?』

2005年03月10日
XML
カテゴリ: ふたりきり暦
私は20歳の時、はじめてスキーに連れて行ってもらった。

もともとスキーなんて、となぜだか1度も行ったことがないのにいい印象を持っていなかった私。
「インストラクターの資格も持ってるんだよ、オレ。大丈夫、ちゃんと教えてあげるから」
と言う男の友達の言葉を信じてしぶしぶ行った…

…のが間違いだった。

転び方だけを教えてリフトに乗せられた。

吹雪。

下のレストランも見えない視界。

そんなところにもう1人の初心者の男の子とふたり、放り出された。


死ぬかと思った。滑ったというよりずっと転がり落ちていた。
転がる私に「なんで滑れないの?」と吐き捨てて私の横を滑っていったインストラクター資格を持つ男。

午後はみんなが戻ってくるまでずっとレストランにいた。

「もうスキーなんてするものか」と、もともと好感を持っていなかったスキーというものが決定的に大嫌いになった。


そんなことがあってからも1度だけ雪山へ行った。
つきあっていた彼がスキー好きで、行く直前まで布団にしがみついて嫌がっていた私をなんとか連れ出して車に乗せたのだ。
そのときは数回一緒に滑ったあとにひとりでリフトに乗って何回か滑った。
でも特に楽しいと思わず、
それっきり。
雪山に行くことはなかった。

「スキー行こうよ~」それからもいろんな人に何度も誘われるも、



そして32歳になり…
ふたたび雪山に挑戦することになったのは、彼がスキーをやっているという事からだった。
(苦笑)って感じです。

「冬になるとスキーで週末いなくなることが多いです」
と秋ごろに彼に言われていた私。

「私もはじめれば一緒に行けて楽しいかも」とスキー部から彼を奪還すべく(オオゲサ)、重たかった腰をあげようと一大決心をした。

今となっては実際、結局何度も週末ほったらかしにされちゃったワケですが、それは置いといて。

ウエアをオークションで落札し、学祭のフリマでグローブも買った。ウインターフェアに行ってゴーグル&彼とおそろいのリフト券入れも買ってもらった。
あとは……行くだけ。

いろんな人に連れてってとお願いし、実際誘いもあったのだが、
やはり一番最初は…
きちんと教えてくれる人と行かなければ。
と慎重になってしまい結局行ってなかった。

そうでなければまたトラウマになって、もう一生雪山に行かなくなる…


まあ、ようは彼と行きたかったわけで。


そんなわけでついに先月一緒に行ってきました。
前の晩にお城に泊まって昼ごろに着くように支度をして出た。
いざ雪山に着くと……
トラウマってすごいですね。
着いたとたん、「顔色が悪くなってる」と彼に言われました。
手も震えだした。目も泳いだ。
「今日は天気もいいし、恵まれてるよ」
そう言ってトラウマ話を知っている彼は私をなだめてくれたが、私は…逃げ出したい衝動と戦っていた。
彼の車の後ろのシートを倒してウエアに着替えているときも無言な私。
「ほら、○○の大好きな雪がいっぱいあるよ」
「…こんなにいらない。あり過ぎ」

テンション低い私とは真逆にテンションの高い彼。
「雪山に来るとテンションあがるんだよね~♪」

レンタルしてブーツを履く。
これでもう逃げられない…………
泣き叫んでダダをこねてでも帰ろうかと思った。けど…
そんなことをしたら彼に嫌われちゃうし、せっかく決心したのがムダになる。

彼のやっているのはショートスキー。
もともとやってみたかったし、長い板がイヤだったし、ボードもチャラ系でイヤだったし、彼もやっているし、という好条件がそろい踏みとあって教えてもらうことにした。

板を履いて10年↑ぶりの雪山に立った。



コワイ………



体が固まった。

でも、目の前に彼がいる。
「大丈夫、絶対受け止められるところにいるから」
そんな彼の言葉に促され、彼に向かって滑った。


何度か低いところで繰り返し滑り、リフト乗り場まで移動しようと彼が言った。
1回滑り降りないとリフトまで行けない。
見るとすごい角度……
ゾッとしたけど、さきほどの言葉を信じて行ってみる事にした。

彼はかなり上手くて、上級者コースも平気でいける人。
ずーっと後ろ向きで滑ってくれて、私の手を引っ張ってくれた。

途中何度かスピードに負けて彼にしがみついた。
「あー怖っっっ」
「思ったより全然滑れてるよ、うまいうまい!!」
はぁはぁ言ってる私。彼の肩越しに見る景色がとてもきれいだった。
「キレイだなぁ」
「余裕だな(汗)」

無事リフト乗り場へ到着。ご飯を食べてからリフトに乗ることに。
彼がご飯を買ってくる間、となりのテーブルのカップルの会話が聞こえてきた。

彼女は彼にもっと優しく教えて欲しいらしい。
その彼は自分の教えるとおりに滑らないとダメな人っぽくて、
「少しは私の滑りたいように滑らせてよぅ」と訴える彼女。
「××が出来ないのに△△が出来るわけがないじゃん」と諭す彼氏。
双方の言い分が交わることはなさげな話し合い。
とうとう彼女は半泣きになった。

私の彼が戻ってきてからもそのカップルの話し合いは続いた。
食べ終わってリフトに向かうときもまだ続いていた。
彼も聞いていたようで
「ああいう男は壁にぶつかることなく滑れるようになったタイプだな」と言った。
私もそう思った。あの彼女…私と同じようなトラウマもちになるんじゃないかなと思った。
でも…
「あの彼女も彼のことをきっとあんまり信用していないと思うよ。信じてれば素直に教えてもらうことができると思うし」
私が彼を信じていま滑っているように。
「そうだね」
彼は答えた。


リフトに乗ると、全然到着しなくて青ざめて行く私。
「また私だまされてる…??」
「初心者コースに行くんだから大丈夫だって」
今までに乗ったことのあるリフトの3倍以上の時間を経てやっと到着した。
着くと、ものすごい角度の坂。

「………」

あとで聞いたが、彼もびっくりしていたらしい。
初心者が滑る角度じゃない、と。
口にすると私が滑れなくなると思い言わなかったらしいが……

しばらく決心できずにいた。
でも、彼はちゃんと前にいるし、はるか向こうで転がりながら頑張っている人も見える。
じゃあ私も頑張ろうとエイッと彼の手を握って滑り出した。
案の定すごいスピードが出て彼に衝突。ふたりで少し転がり落ちた。
「くそ~~~っっ怖いよ~~~ちくしょ~~」
あまりの怖さに本気で泣きそうな私。
ジェットコースターにも乗れない私が生身でこんなスピードに耐えられるかーっ!!!
転がってバタバタ暴れてる私。すぐ脱力して大の字になる私。
「いいよ、自分のペースで。いけるようになったら行こう」
気を落ち着けて再スタート。

その急な坂を越えてからはなだらかな坂の連続で、「あの坂を越えたんだから」とちょっと自信を持ち、かなり気を楽にして滑ることができた。
「いいねぇ、滑れるじゃん!」
機嫌をよくしていたら、後ろから来たボーダーにぶつかられて私だけひっくり返った。
「すみません!!すみません!!ほんとすみません!!」
しばらくビックリして声が出なかった私。
左足が変な方向に曲がってる…まさか…???!!
と思ったけど、無事動いた♪
しっかり謝ってくれたし、「大丈夫です♪」と言って許してあげた。
「ほんとにすみませんでした」と言いながら去っていった。

「気づくの遅くてさけられなかったよーごめん」
「うん?いいよ、あの人も頑張ってるし。いい経験になったさ。」
とはいいつつも…やはり少し足をひねっていたようで、疲れも重なって力が出なくなってしまった。それだけはちょっと残念だった。

それでもちゃんと最初に練習していた地点まで到達できた。
「どうだった?」彼に感想を求められた。
もう帰るのか、と思った私。
「うん、すごく楽しかった!!」
「それはよかった」彼は喜んでくれた。


「ふたりで(スキーに)来るのもいいもんだな」板を脱いでいるときに彼がぼそっとそう言った。
彼も楽しかったのかな…と嬉しくなった♪

こうして無事トラウマ解消!!!!
彼の力はやっぱりすごいのです♪♪♪♪

私がスキーをはじめようかなと言った去年の晩秋、数日して彼がスタッドレスタイヤを買い揃えていました。
だから、行かないわけにいかなかったってのもありました。
頑張って行ってよかったー♪

彼の手をずっと握って信じて滑っている間、とても幸せでした♪
怖くなったら、ダメだと思ったら彼の胸に飛び込んで休憩する。
その繰り返しが…これからの人生にも続けばいいなと思ったりしました。




あれからまだスキーには行ってないけど、こないだ「まだスキーって行けるのかな?(時期的に)」と聞いたら春スキーがあるよ、と言ってくれた。
「お、行きたいのか?」
「…ちょっだけね☆」

彼のことをこんなに信じている自分も知りました。
あ~~スキー万歳っっ!!!!!





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年03月11日 17時52分34秒
[ふたりきり暦] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: