Motor & Outdoor Journalist 安藤眞の         逆説的よろず考現学

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Oct 20, 2019
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カテゴリ: カテゴリ未分類

みなさん、こんにちは。



 今回の被害で非常に心が痛むのが、亡くなったかたの3分の1ぐらいがクルマで避難する際の事故だったということです。僕は防災関係の雑誌から記事を依頼されることも多く、つい先日も​ ある本 ​に「堤防決壊が始まっていたら、避難所への移動にクルマは使用すべきではない」と書いたばかりなので、なおさら残念です。

 改めて書いておきますと、まず普通のクルマが安全に走れる水深は、タイヤ直径の3分の1までだと思って下さい。半分を超えると、走りかたによってはエンジンが水を吸い込んで止まってしまいますし、3分の2を越えるとドアが開けにくくなり、クルマが浮きはじめます。もし流れがあれば、方向が定まらなくなって、やがては流されます。内水面の氾濫ならともかく、堤防決壊の場合は水位が一気に上がりますから、「浮いた」と気付いてから流されるまでは、1分かからないのではないかと思います。

 また、農地の間を通る道路のようにガードレールが整備されていないと、冠水した場合はどこが道路か見分けが付かなくなり、脱輪するリスクが出てきます。脱輪した方向の水深は深いですから、ドアが開かなくなって脱出が困難になります。窓を割るツールを持っていなければ、クルマと一緒に水没してしまうかも知れません。ですから避難所にいたる経路にそういう場所がある場合、道路が冠水したらクルマで移動するのは避けたほうがいいです。

 そうは言っても家が浸水してしまう、という場合、2階建て以上なら垂直避難(より上の階への避難)を考えましょう。というよりも、本来はそうなる前に、浸水想定域そのものから避難するべきなのですが。

 というわけで、水害時にクルマで避難するのは、原則として避けたほうが良いです。お住まいの家から避難所までの経路をチェックしておき、どうなったら避難するか、どうなったらクルマでの避難は諦めるか、逃げ遅れた場合に助かる方法はあるかなど、改めてシミュレーションしておくことをお勧めいたします。

 ちなみに津波から避難するような場合は、とにかくスピード勝負で少しでも高いところに移動する必要がありますから、クルマが有効に機能することもあります(東日本大震災でも実証済み)。このあたりはご自身の地域特性に合わせて、自分で考えましょう。自分で考える習慣を付けずにマニュアル的情報ばかりを鵜呑みにしていると、本当に死にますよ。






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Last updated  Oct 22, 2019 08:43:19 AM
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