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2019.05.06
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カテゴリ: 観照
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                          南御堂の本堂前に大きな一対の青銅製灯籠が建立されています。

その文様意匠に注目し、観察してみました。
灯籠の竿は円柱形ですが、他は八角形が基本です。二段になった基壇も八角形です。

それでは、少しマニアックな細見ご紹介をいたしましょう。

一番上の宝珠には火焔がついています。宝珠の請花は弁がきっちりと切り込まれています。
笠の中心部は低い碗型の盛り上がりが見られます。笠には輪宝がレリーフされています。

火袋


中台の格狭間 はこの2種類の図柄が交互になっています。
池中の蓮華がデザインされているのでしょう。

東本願寺の阿弥陀堂前の灯籠の中台格狭間の場合は龍の姿がレリーフされています。
拙ブログ記事でのご紹介ですが、こちらからご覧ください。
             (「スポット探訪 京都・下京 東本願寺細見 -1 阿弥陀堂門・総合案内所・阿弥陀堂ほか」)


中台の連弁請花と竿の下の反花は形状が異なります。

竿の上部と下部は照応して同じ幾何学的な意匠が向き合った形にデザインされています。そして、竿の上部には、一つは桐の葉と思われる文様がレリーフされています。

もう一種の文様はこれですが、何を意味するのか不詳です。
「○○氏」という文字をデザイン化したようにも見えますが・・・・私にはわかりません。



竿の中間の節(珠紋帯)のところ


竿の最下部を観察しますと、 細い幅の帯状の側面 が設けてあり、迷路図のような幾何学文様の装飾が施されています。


反花と基礎は連接しているのが一般的な形式と思いますが、この灯籠では格狭間の高さが狭い帯が中間に入っています。格狭間内には草花文様がレリーフされています。

この帯部分があるために、基礎に帯状の上面ができます。そこにもレリーフがみられます。
写真を撮っているときには、何の図柄なのかわかりづらかったのです。しかし、


        天地を逆にしてみて明らかになりました。 雲龍像のレリーフ です。




灯籠の基礎の側面は格狭間に2種の獅子の姿態と連子窓様の意匠とが交互にレリーフされています。



かなり凝った意匠の灯籠です。青銅製灯籠には石燈籠の彫刻とは異なった細やかな意匠が様々に見られる楽しみがあります。勿論、獅子や龍が定番的に使われていますが、その動きの表現、姿態は灯籠により異なっていて楽しむことができます。

ご覧いただきありがとうございます。

参照資料
『図説 歴史散歩事典』 監修 井上光貞  山川出版社

こちらもご覧いただけるとうれしいです。
観照 諸物細見 一覧表






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Last updated  2019.05.06 23:49:21コメント(0) | コメントを書く


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