光り輝く毎日を Aurora Gral

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2009年02月04日
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カテゴリ: テレビ・映画
ドイツ語が少しでもわかると、『戦場のピアニスト』の印象がガラッと変わるかもしれません。




映画が始まって間もなく、主人公がピアノを弾くラジオ局が爆撃を受けます。
逃げるときに出会った女性が主人公に声をかけます。
「ミスター・シュピルマン」(日本語では「シュピルマンさん」)

『え、芸名?』
と、即座に思ってしまいました。
あまり細かい内容について知らなかった私は、主人公の名前を気にしていなかったんです。
このシーンで初めて、主人公のラストネームが“シュピルマン”だと認識しました。


「シュピルマン。」と答える主人公に
「ピアニストらしい名前だ。」と言って微笑みます。

私が一瞬芸名かと思ったのと同じ理由でしょう。

ドイツ語では、楽器を演奏することを「シュピーレン」といいます。
後ろに何かしら単語をつけるときは「シュピール~」という形に。「マン」はドイツ語でも人のこと。
「シュピール+マン」で“演奏する人”になります。
本当にピアニストにはピッタリの名前ですね。

お父さんはバイオリンを弾く方だったみたいだし、音楽に造形の深い一族だったのでしょう・・・。



ラスト近く、ドイツ人将校に見つかってしまってからのやりとり・・・。
私レベルでも、ドイツ語の翻訳がイマイチに思えました。
『これって誤解を生じるのでは・・・』と。


ラスト付近のドイツ人将校とのやりとりについて話をふってみたら、思ったとおり酷い誤解をしていましたしょんぼり

母はドイツ人将校に関することだけでなく、他の点でも誤解が多くて。。。
細かく説明したかったけど、あまり興味がなさそうなので止めておきました。


ドイツ語では、親しさに応じて二人称が変わります。
英語は「you」だけですが、ドイツ語は「Sie」と「du」です。


大人から子供へ声をかけるときや、夫婦間・恋人同士・子供同士は「du」。

ポーランドを占領したドイツ兵。
確かまだゲットーへ移る前、主人公のお父さんがジャガイモを持って道を歩いているとき、挨拶をしなかったと言ってドイツ兵に殴られます。そのときの若いドイツ兵は老齢の主人公父に向かって「Sie」を使っていました。
でも、その後はどの場面でも、ドイツ兵はユダヤ人に対して必ず「du」を使っています。

ところが、主人公を助けたドイツ将校は最初から最後までずっと「Sie」を使って主人公と会話しているんです。
主人公はだいぶ年下で、長い逃亡生活ですっかり汚い姿をしていたのに・・・。
それだけでも、ドイツ将校の精神性がわかります。

日本語訳ではそういったことが一切わからないんです。
そのため、母のように「ああ、あの偉そうなドイツ人ね」という誤解が。。。
(あの映画では、そのドイツ人将校はドイツ語しか話しませんが、実際にはポーランド語も話せて、複数人のポーランド人を救い、ポーランドの教会へ通っていたそうです。)

細かい事情はともかく、「Sie」と「du」に関してはドイツ語がわかればわかることです。
なのであの翻訳は悲しい限りです。



主人公がそのドイツ人将校に対して「ピアニストでした」と自分の職業を語るとき、主人公は最初は現在形で話すんですが、ためらって過去形に言い直しています。
そこも、私はきっちり訳してもらいたかったです。



ドイツ人将校の名は“ヴィルム・ホーゼンフェルト”。
主人公は、もし自分が捕まって拷問を受けたときに、彼の名を言ってしまわないように、名前を聞かないで別れたそうです。

映画では、ホーゼンフェルトの名前と行方がわからずじまいで終わります。
後になって、ホーゼンフェルトの名前と現状を知った主人公は、彼を助けるために尽力。
しかし、ソビエトから解放されることなく捕虜収容施設で亡くなったそうです。

(主人公の職業、ラジオ局のピアニストは相当の権力があったそうです。国家首脳に会いたいといえば、即座に会う場所がセッティングされるくらいだったとか・・・)

母は「あのドイツ人(ホーゼンフェルト)もずうずうしいけど、主人公も薄情よね。あの人がいなければ死んでたかもしれないのに、助けられなくても気にしてないふうで・・・。」と発言。
ラスト近く、ホーゼンフェルトは主人公の友人に、「シュピルマンを助けたんだ。」と、自分を助けてくれるように頼みます。
主人公が友人とその場へ向かったとき、その場所には何の痕跡も無くなっていました。
かといって、必死でホーゼンフェルトを探す様子もなく・・・っていう風に見えておしまい。

時間が限られているからか、編集が悪いのか、あの部分は誤解を生じる可能性が高いように感じます。私も主人公に対して「えっ?」と思ったものの、事実がわかってホッとしました。
ホーゼンフェルト氏の最期は悲しいものでしたが・・・。



ストーリーにはまったく関係ありませんが、『おお!』と関心した部分があります。
それは、ホーゼンフェルト氏が右手の薬指に指輪をしていたことです。

100%全員かどうか調査したわけではありませんが、私の知っているドイツ人はみんな、結婚指輪を右手の薬指にしています。
ドイツ赴任歴が長い学科の先生方も右にしていました。

ホーゼンフェルト氏を演じた俳優(トーマス・クレッチマン)が本当にドイツ出身だからか、監督や演出から指示があったのかわかりませんが、その点に関しては『細かいな~』とものすごく感心しました。

私も結婚指輪を右に合わせて作りたかったのに、夫に却下されました。。。





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最終更新日  2009年02月05日 20時16分45秒
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