2004年05月04日
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慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において

アッサラーム アライクム

第96章(スーラト=ル=’アラク)です。

この章は第2節

ハラカ=ル=インサーナ ミン ’アラク
「(一凝血から、人間を創られた。)」

に出てくる語句が章名になっています。

「象の年」(ハバシュ<エチオピアのこと>のナジャーシャ王がイエメンに派遣したクリスチャンの統治者アブラハが、象軍を率いてカアバ<サウジアラビアのマッカにある>に進軍した年)から数えて40年(ヒジュラ前13年)のラビーウ=ル=アウワル<3月>から預言者様(サッラッラーフ アライヒ ワ サッラム)は、夢を見る時は決まって朝の光のようにはっきりした正夢を見られるようになり、それは6ヶ月間続きます。

アル=ブハーリーのハディースにはこうあります。



奇しくもこの預言者様の言葉は、ご自身の預言者性が死を迎えられるまでの23年間続く事実を予見されていたことを意味します。6ヶ月間の正夢が、使徒として使命を全うされた年月から、ちょうど46分の1の割合になるのは驚くべきことです。

その後、ヒジュラ歴前12年ラマダーン月27日(西暦610年8月19日)「ライラト=ル=カドル(みいつの夜)」と呼ばれるその夜に、ヒラーの洞窟にて最初の啓示が下されました。

ムスリムのハディースにはこうあります。

アッラーのみ使い(サッラッラーフ アライヒ ワ サッラム)は以下のようにお話になりました。

私の処に天使が現れ、
「読みなさい!」
これに対し、私は
「私は字が読めません」
と答えました。すると天使は私をとらえ、やっと耐え得るほどきつく押えつけこう言われた。
「読みなさい!」
「私は字が読めません!」

「読みなさい!」
と繰り返し言われたのです。
これに対し、私は
「文字が読めません」
と同じ答えを述べたのです。すると天使は私をつかみ、三度目もきつく押えつけになった後、私を放し、次の聖句をお唱えになったのです。

(第96章凝血章第1節から第5節)

第1節めは

「イカラ ビ=スミ ラッビカ=ッ=ラディー ハラカ」
(読め、「創造なされる御方、あなたの主の御名において。)

「イカラ(読め)」は「カラ・ア(声に出して読む)」の命令形です。
「クル’アーン」も同じ語根を持ち「声に出して読まれるもの」という意味です。 ですので、「聖クル’アーン」を声に出して読むとその素晴らしさを実感できます。
「ビ=スミ ラッビカ(あなたの主の名前において)」は前置詞「ビ(によって)」の後なので「イスム(名前)」の語尾の母音はカスラ(「イ」と発音)であり、また「ラッブ(主)」も語尾の母音がカスラです。2人称男性単数代名詞「カ」がそれにくっついています。「イスム(名前)」の「イ」は前に語句がくると発音されません。
「ア=ッ=ラーディー」は男性単数先行詞の関係代名詞です。「ア」は前に語句が来ると発音されません。
「ハラカ(創造する)」は3人称男性単数完了形で、行為者(主語)は「アッラー」です。

第2節です。

「ハラカ=ル=インサーナ ミン ’アラク」
(一凝血から、人間を創られた。」 )

「ハラカ(創造する)」の行為者はアッラーです。
「アル=インサーナ(人間を)」は「インサーン(人間)」の目的格(与格)に定冠詞「アル」がついています。この「アル」の「ア」も前に語句がくると発音されません。
「ミン(~から)」は前置詞です。
「’アラク(凝血)」は前置詞のあとですから、語尾の母音はカスラ(「イ」と発音します)ですが、ここで休止する場合は子音の発音します。休止する場合「ク」は「カーフ(Q)」の子音ですので、強く発音します。これをタジュウィード(聖クル’アーンの読誦ルール)では「カルカラ」と言います。

「’アラク」には
1.凝血
2.蛭(ヒル)、医薬用ヒル
という意味があります。

「’アリカ(ぶらさがった)」が語根です。

子宮の中の胎児は
外観とその嚢は、血の塊と似ていますし、 実際この段階での胎児の中の血液は第三週目が終わるまで循環しないそうです。そのため、この段階での胎児は外観もその内実も血の塊に大変似ています。
またその形は「ヒル」にも似ていて、栄養分を他の血から摂る「ヒル」と同じように母親の血液から栄養を摂っています。
また子宮の中で「ぶら下がった状態」です。

詳細は 聖クルアーンの科学に関する奇跡 でどうぞ。

「聖クル’アーン(声に出して読まれるもの)」、それは「あなたの主の御名において、読む学ぶこと」です。「読む」のは何のためなのかとその意図がここで確認されています。
アッラーの最初の啓示が「主の御名において読め」であるが故に、各スーラ(章)の始めににある「ビ=スミ=ッ=ラーヒ=ッラフマニ=ッ=ラヒーム(慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において)」はアッラーの最初の命令を常に喚起するものと言えます。

この96章はその後に啓示されたアーヤ(節)を合わせ、全部で19節になります。
「19」は第18節めにある「ザバーニヤ(看守の天使)」の数であり、また「「ビ=スミ=ッ=ラーヒ=ッラフマニ=ッ=ラヒーム(慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において)」の文字の数でもあります。

「その上には19(の天使が看守る)。」(74:30)


「19」という数字は聖クル’アーンにおいては不思議な数字です。しかし、この「数」に拘りすぎて、アッラーの導きから外れてしまったグループもいますので、これ以上は追い求めないほうがいいでしょう。

アッラーご自身も

「かれらの数を限定したことは、不信心の者たちに対する一つの試みに過ぎない。(それにより)啓典を授けられた者たちを確信させ、また信じる者の信仰を深めるためである。また啓典を授けられた者や信者たちが、疑いを残さず、またその心に病の宿る者や、不信者たちに、『アッラーはこの比喩で、何を御望みになるのでしょうか。』と言わせるためである。このようにアッラーは、御自分の望みの者を迷わせ、また望みの者を導かれる。」(74:31)

と仰せです。

96章は19節の終わりに「サジダマーク」があり、この19節を読んだり、読誦されたのを聞いた時は、
「スジュード(跪礼)」をします。

<サジダの時に言うドゥアー>

*サジャダ ワジュヒ=ッ=ラディー ハラカフ
ワ シャッカ サム’アフ ワ バサラフ
ビ=ハウリヒ ワ クウワティヒ
ファ=タバーラカ=ッ=ラーフ アフサヌ=ル=ハーリキーン
(権能とお力により、視力と聴力を創られそして齎された御方に、私は自分の顔をサジダしました。アッラーは賞賛されるべき御方であり、最高の創造者であります。)
注:Words of Rememberance and Words of Reminder By Dr.Saalih ibn Ghaanim al-Sadlaan(46p)によりますと
サジダマークのある節を読んだ場合は、タクビール(アッラーフアクバル)<タクビールを言う必要があるかどうかは学者によって意見が異なっています。>を言って、サジダし、上記のドゥアーを言うのが望ましいとされています。
礼拝中であろうがなかろうが、行うべきで、礼拝中でない場合は、タハーラ(ウドゥーが有効の状態)である必要はないそうです。

アッラーフ アアラム

アッラーのご加護と祝福がありますように
ワッサラーム





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最終更新日  2004年05月09日 00時31分43秒


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