音楽日記~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2011.11.29
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カテゴリ: ジャズ




 ケニー・バロン(Kenny Barron)は、1943年米国生まれのモダン・メインストリームのジャズ・ピアニスト。60年代から活躍をはじめ、リー・モーガン、ルー・ドナルドソン、ロイ・ヘインズ、ディジー・ガレスピー、フレディ・ハバート、ロン・カーターなど、名立たるミュージシャンと共演してきた。中でもとりわけ有名なのは、スタン・ゲッツとの共演作(スタン・ゲッツの死の直前に録音された『ピープル・タイム』、1992年)である。

 時は流れ、そんなケニー・バロンも今では70歳が近い、既に生き証人のような存在になってきた。60歳代も後半に差し掛かった2009年に録音され、日本のヴィーナス・レコードから出されたのが、本盤『マイナー・ブルース(Minor Blues)』である。

 ヴィーナス・レコードにケニー・バロンが最初の吹き込みを行ったのは、1992年のリー・コニッツとの共演作(『ジャズ・ノクターン』)であった。その後も機会があるたびにケニー・バロンの参加はあったが、ヴァーヴとの契約の関係上、ケニー・バロンのリーダー盤は制作できなかった。実質的にケニー・バロンのリーダー作を作ったことはあったが、その名義を“スーパー・トリオ”にするなどの形でしか発表されなかった。本盤は、ヴァーヴとの契約終了により、晴れて“ケニー・バロン・トリオ”名義で録音・リリースされた盤ということになる。

 これがベストと言い切るのはためらうものの、実に彼らしい盤で、特徴がよく表れていると思う。録音が新しいせいか、音の面では、各楽器がクリアに聞こえてきて、エッジが実にはっきりしていて、ケニー・バロン自身のピアノはもちろんのこと、トリオを構成するジョージ・ムラツ(ベース)、ベン・ライリー(ドラム)の演奏もとても明瞭に響いてくる。ちなみに、これら二人のうち、耳につくのはドラムであるが、演奏全体を考えた場合にはベースの役割が案外大きい気がする。

 メインとなるケニー・バロンのピアノは実にナチュラルである。スタンダードなことを主にやりながらも、なぜか誰にでもできるわけではない演奏が続く。モダン・ジャズ然としたスタンダードな演奏をやっても、“無理をしている”感がまったくない。きっとケニー・バロンにとってはこれが本当に自然体なのだろう。わざと(意図的に)スタンダードなことをやるのと、自然発生的あるいは自発的にそうしたフレーズが出てくるのでは、結局は演奏の印象に大きな差が出る。長く積み上げられた経験、その中で消化されきった音楽的バックグラウンド…。その成果がこの“ナチュラル加減”ということだろうか。

 全編にわたって心地よい演奏が続くが、せっかくなので個人的好みをいくつか挙げておきたい。1.「マイナー・ブルース」は、本盤唯一のオリジナル曲。三拍子の3.「エミリー」の流れるようなタッチもいい。あと、8.「ハッシャ・バイ」は上記の『ピープル・タイム』にも収められていたもので、流れに乗った自然体のマイナー感が筆者のツボにはまる。ただ“聞き流す”アルバムではなく、けれども仰々しくない自然体というのが、本盤のよさということになるだろうか。



[収録曲]

1. Minor Blues

3. Emily
4. For Heaven’s Sake
5. How Deep Is The Ocean
6. Too Late Now
7. Don’t Explain
8. Hush-A-Bye
9. I’ve Never Been In Love Before
10. My Ideal


[パーソネル、録音]

Kenny Barron (p)
George Mraz (b)


2009年5月4日・5日録音






マイナー・ブルース/ケニー・バロン・トリオ[CD][紙ジャケット]【返品種別A】






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Last updated  2013.08.10 07:17:08 コメントを書く


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