音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2017年08月09日
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派手にはならず着実なブルース・ロックの脈流(前編)


 サヴォイ・ブラウン(Savoy Brown)は、1966年にキム・シモンズを中心に結成されたイギリスのブルース・ロック・バンド。付け加えるならば、はるか後の2013年にとうとう初来日したというグループでもある(無論、来日時のヴォーカルはユールデンではなく、2009年からのメンバーであるパット・デサルボ、ガーネット・グリムという布陣での来日だった)。

 1967年に デビュー盤 (英のみ)、1968年にバンド名と陣容を見直した セカンド作 を発表後、1969年にはスタジオ録音とライヴを併せた盤を2枚リリースしている。1枚は『ブルー・マター(Blue Matter)』、もう1枚は『ア・ステップ・ファーザー(A Step Further)』であった。今回はこれら2枚のスタジオ/ライヴ録音混成アルバムを前編・後編の2回に分けて取り上げてみたい。

 1.~5.がスタジオ録音で、最大の聴きどころとなっているのは、1.「トレイン・トゥ・ノーホエア」。曲名は“行き先のない列車”だけれども、このバンドの行き先はしっかり見据えられており、変に大衆受けに走らないブルース・ロックの路線が明確に出ている。それ以外に個人的に推したいのは、2.「トーリング・べルズ」と6.「グリッツ・エイント・グローサリーズ」。前者を聴くと、こういう辛気臭い演奏(もちろんいい意味で!)を堂々とアルバムに収めてしまうところに自信と信念のほどを感じる。後者は、スタジオ録音の曲だけれど、米国向けシングルを追加したもので、ホーンセクションが印象的ながらも結局はヴォーカルとギターが注目しどころになっているというのが、このバンドらしい。

 7.~9.は1968年12月6日に行われたライヴ演奏が収められている。ツアーが控えており、アルバム完成のためにライヴ・テイクを加えることになったらしい。これら3曲はいずれも尺が長く(各曲の長さは、およそ8分、9分、7分)、演奏をじっくり(まったり?)と楽しめるのだけれど、変則的な点がある。それは、クリス・ユールデンが喉を傷めていて、デイヴ・ぺヴァレットが代役としてヴォーカルを務めているというところ。なので、ユールデンの声を期待する人はがっかりするかもしれないし、確かにデイヴのヴォーカルにもうちょっと粘り気が欲しいと思わないでもないが、演奏自体はお見事というか圧巻なので、スルーするのはもったいない。

 後編(『ア・ステップ・ファーザー』)へ続く。


[収録曲]


2. Tolling Bells
3. She's Got a Ring in His Nose and a Ring on Her Hand
4. Vicksburg Blues
5. Don't Turn Me from Your Door
6. Grits Ain't Groceries (All Around the World)
7. May Be Wrong
8. Louisiana Blues
9. It Hurts Me Too

1969年リリース。




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Last updated  2017年08月09日 06時01分19秒
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