音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2018年06月18日
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テーマ: 洋楽(3318)
プロテスト=フォークの図式からの脱皮


 ボブ・ディラン(Bob Dylan)はプロテスト・ソングを弾き語るフォーク・シンガーとしてまずは世間に認知された。そこからの変化という意味では、『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』での“フォーク・ロック”路線への転換が大きく取り上げられることが多いが、その前のアルバムでも変化の兆しが見られた。その作品がこの『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン(Another Side of Bob Dylan)』という盤である。

 デビュー盤が1962年、その後、翌63年の 『フリーホイーリング・ボブ・ディラン』 と64年の『時代は変る』で名を上げた。この頃のディランは、いわゆるプロテスト・ソングが中心であったが、『時代は変る』の半年後に出された本盤では、その様相はがらりと変わっていた。ディラン自身、“もう誰かの代弁者でいたくない”と語っていたとも伝えられる。

 その一方、サウンド面では必ずしも大きな変化はなく、その変化は次作の『ブリンギング~』まで明確には示されることはなかった。要するに、本盤は、全編弾き語りがベースで、珍しい点を挙げるとすれば、2.「黒いカラスのブルース」でピアノを演奏しているぐらいだろうか。表題『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン』の“異なる面(アナザー・サイド)”という表現については、ディラン本人の希望ではなかったとのことで、命名はプロデューサーのトム・ウィルソンによる。ディラン自身は、後に“誇張しすぎ”、“あのようなタイトルをつけるべきではなかった”とも語っている。

 というわけで、サウンド的に何か突出した感じはしないものの、注目曲は目白押しと言っていい。オープニングの1.「オール・アイ・リアリー・ウォント」の強い印象、3.「スパニッシュ・ハーレム・インシデント」や4.「自由の鐘」の詞は(筆者の英語力では文字にした詞を読みながらしかついていけないけれど)心に深く刻まれる。他にも、6.「ラモーナに」や11.「悲しきベイブ」といった名曲を含むのに、アルバムとしての注目度があまり高くないというのは、シンプルなサウンドの問題もあるのかもしれないがもったいない。せっかくノーベル賞を受賞(2016年)したのだから、こうした作品も再注目されるといいのだけれど。



[収録曲]

1. All I Really Want to Do
2. Black Crow Blues

4. Chimes of Freedom
5. I Shall Be Free No. 10
6. To Ramona
7. Motorpsycho Nitemare
8. My Back Pages
9. I Don't Believe You (She Acts Like We Never Have Met)
10. Ballad in Plain D
11. It Ain't Me Babe

1964年リリース。




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アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン/ボブ・ディラン[CD]【返品種別A】





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Last updated  2018年06月18日 07時15分16秒
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