ステレオタイプと言われてしまうかもしれないが、南米的“熱さ”と言えば、1.「エル・パラナ」と5.「エル・セルタオ」が何と言ってもいい。また、起伏のある曲の構成に仕上げられた4.「マリア・ドミンガス」も“熱さ”が存分に感じられる。特にこれら3曲はいずれも尺が長め(8~9分程度)で、聴きごたえも十分にある。なお、少し変わったところでは、同じアルゼンチン出身のアタワルパ・ユパンキの楽曲(2.)を取り上げている。本盤では、2.「月に歌う(Yo le canto a la luna)」となっているが、これは「トゥクマンの月(Luna tucumana)」)と同じ曲で、ガトー自身のヴォーカル・パートも含まれている。
[収録曲]
1. El Parana 2. Yo le Canto a La Luna 3. Antonico
5. El Sertao
[パーソネル、録音]
Gato Barbieri (ts, vo), Stanley Clarke (b), Roy Haynes (ds), Airto Moreira (perc, ds), John Abercrombie (g, elg), James Mtume (conga), Moulay Ali Hafid (perc), Lonnie Liston Smith (p, elp)