音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2019年03月13日
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テーマ: Jazz(1978)
カテゴリ: ジャズ
フライング・ダッチマンに残された代表作


 ガトー・バルビエリ(ガート・バルビエリ,Gato Barbieri)は、アルゼンチン出身のテナー奏者。ローマ移住を経てニューヨークへ拠点を移し、1970年代を中心に作品を残した。キャリアの中で、当初はフリー・ジャズに傾倒、やがてルーツ(南米)音楽に向かい、さらにはロックやポップスにも歩み寄っていくなど時代とともに音楽スタイルも変遷していった。

 1970年代前半、フライング・ダッチマンというレーベルに所属時の、ちょうどアヴァンギャルドな音楽性から南米音楽への回帰を見せた時期の1971年に吹き込まれ、1973年に発表されたのが、本盤『アンダー・ファイアー(Under Fire)』である。レコーディングからリリースまで間が空いているが、この狭間の1972年には映画『ラスト・タンゴ・イン・パリ』のサウンドトラック(作曲ガトー・バルビエリ、編曲オリヴァー・ネルソン)を録音し、本盤のリリースと同じ1973年にヒットさせ、グラミー賞にも輝いている。

 そうしたわけなので、純粋なジャズを期待して聴くものではない。アルゼンチン出身の、チャーリー・パーカーに触発されたミュージシャンが遍歴を重ね、南米音楽のルーツに回帰し、次なるインパルスでの録音に向かっていく前段階の生の姿を捉えたものだと言える。

 ステレオタイプと言われてしまうかもしれないが、南米的“熱さ”と言えば、1.「エル・パラナ」と5.「エル・セルタオ」が何と言ってもいい。また、起伏のある曲の構成に仕上げられた4.「マリア・ドミンガス」も“熱さ”が存分に感じられる。特にこれら3曲はいずれも尺が長め(8~9分程度)で、聴きごたえも十分にある。なお、少し変わったところでは、同じアルゼンチン出身のアタワルパ・ユパンキの楽曲(2.)を取り上げている。本盤では、2.「月に歌う(Yo le canto a la luna)」となっているが、これは「トゥクマンの月(Luna tucumana)」)と同じ曲で、ガトー自身のヴォーカル・パートも含まれている。


[収録曲]

1. El Parana
2. Yo le Canto a La Luna
3. Antonico

5. El Sertao

[パーソネル、録音]

Gato Barbieri (ts, vo), Stanley Clarke (b), Roy Haynes (ds), Airto Moreira (perc, ds), John Abercrombie (g, elg), James Mtume (conga), Moulay Ali Hafid (perc), Lonnie Liston Smith (p, elp)

1971年録音。




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Gato Barbieri ガトーバルビエリ / Under Fire 【CD】




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Last updated  2019年03月13日 06時52分21秒
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