音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2020年02月03日
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テーマ: Jazz(1978)
カテゴリ: ジャズ
私的にはパットの代表盤に数えられるべき一枚(後編)


前編 からの続き)
 パット・メセニー(Pat Metheny)の2枚組作品、『80/81』のレコーディングに際し、最初にパットが声をかけようとしたミュージシャンにはソニー・ロリンズ(実際には連絡がつかず実現しなかった)がいたという。その一方で、サックスには、マイケル・ブレッカーに加え、オーネット・コールマンの流れを汲むデューイ・レッドマン(テナー、ジョシュア・レッドマンの父)も起用している。さらに、後々に共演を繰り返すことになるチャーリー・ヘイデン(ベース)と組んだのも本盤が最初である。これらの面々の名前の組み合わせからは、言ってみれば、既存音楽の解体と再構築という意図が感じられる。そして、その結果として出来上がってきた音楽は“フュージョン”という語でラベル付けするよりも、はるかに現代的な意味での“ジャズ”そのものになったと言えるように思う。

 収められた楽曲についていくつか見ていきたい。1-1.「トゥー・フォーク・ソングズ」は冒頭のギターが連想させる広大な風景に軽やかなメロディがピタリとはまり、曲が進むにつれて“フリー”な演奏が炸裂する。このバランス感覚が本盤らしさをよく表しているように思う。表題曲の1-2.「80/81」も、ある意味において同様で、軽やかに聴きやすい部分と既存音楽の解体を意図した創造的部分の組み合わせがミソになっているように思う。

 他方、“聴きやすさ”あるいは“とっつきやすさ”も大事な要素である。2-2.「プリティ・スキャッタード」や2-3.「エヴリデイ(アイ・サンキュー)」なんかを聴くと、結局は複雑な展開になるにもかかわらず、序盤の入りやすさで聴き手の心を掴むという意味において、うまく作られているのだと思う。

 最後に、余談ながら、本盤を最初に手に取った時(要はパット・メセニーをあまりよく知らなかった頃)、“パット・メセニーっていいかも”と思わされた。かなり昔の記憶でそう言っているのだけれど、いま現在、考え直してみると、実はチャーリー・ヘイデンの存在感が大きかったのだろうという気もする。別に、メセニーを貶めるつもりはない。でも、その後の筆者の音楽経験も含めて考えると、“パット・メセニーだからいい”ではなくて、実は本盤は“トータルでよかった”のかなと思ったりもする。


[収録曲]

(Disc 1)

2. 80/81
3. Bat
4. Turnaround

(Disc 2)
1. Open
2. Pretty Scattered
3. Every Day (I Thank You)
4. Goin' Ahead


[パーソネル、録音]

Pat Metheny (g), Charlie Haden (b), Jack Dejohnette (ds), Dewey Redman (ts), Mike Brecker (ts)

1980年5月26~29日録音。





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Last updated  2020年02月03日 05時39分24秒
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