音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2020年12月16日
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テーマ: Jazz(1968)
カテゴリ: ジャズ
若きピアニストと円熟のアルト奏者のデュエット盤


 リー・コニッツ(Lee Konitz)は1927年米国生まれのアルト・サックス奏者で、2020年4月に死去している。共演者のミシェル・ペトルチアーニ(Michel Petrucciani)は1962年フランス生まれのピアノ奏者で、生まれつきの骨形成不全症を抱えており、1999年に亡くなっている。

 本盤『トゥート・スウィート(Toot Sweet)』は1980年代に録音されたもので、欧州での2人の共演を治めた演奏盤である。コニッツにとっては50歳代の円熟期、ペトルチアーニにとってはアメリカに拠点を移して活動の幅を広げていった時期の吹き込みということになる。

 ピアノとサックスだけという演奏スタイルだと、マンネリやワンパターンに陥る(言葉を換えると、最初はよくても聴き進むうちに聴き手に退屈や眠気を誘ってしまいかねない)恐れはあると思うのだけれど、本盤はそういったところがまったくない。両者ともがいいところを発揮するのはもちろんなのだけれど、それらがちゃんと噛み合っているところがその理由なのだろうと思う。お互いに、出るところは出る、引くところは引く、絡み合うところは絡み合うという意識が結果的にこの演奏につながったということだろうか。

 聴きどころとしては、まずは冒頭の1.「アイ・ヒア・ア・ラプソディ」。コニッツはこの曲を表題曲(ヴォーカルはヘレン・メリル)にした『ラプソディ』というアルバムも制作しているのだけれど、個人的にはこの演奏の方が断トツにいい。次に注目したいのは、3.「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」。15分越えの長尺の演奏なのだけれど、緊張感の部分が強くなりがちなこの有名曲にして、まったり感が残るのがいい。これら2曲に限らず、他の曲でもそうなのだけれど、コニッツのアルトはゆったりとした大らかな演奏で、ペトルチアーニのピアノ演奏はある種テクニカルなのだけれど、優雅な雰囲気を決して壊さない。この点が本盤を成功に至らしめた最大の要因ではないかと思うのだけれど、いかがだろうか。


[収録曲]

1. I Hear A Rhapsody
2. To Erlinda
3. Round About Midnight

5. Ode
6. Lovelee


[パーソネル、録音]

Lee Konitz (as), Michel Petrucciani (p)

1982年5月25日録音。




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【輸入盤CD】Lee Konitz & Michael Petrucciani / Toot Sweet




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Last updated  2020年12月16日 23時20分00秒
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