音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2021年09月30日
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表題に違わぬ“これぞロックンロール”な1枚


 ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)は、人気絶頂を保ったまま、1970年代を駆け抜けていった。70年代のストーンズの作品の中で“もっともロックしている作品は”と訊けば、きっと多くの人がこれというであろう作品が、1974年リリースの『イッツ・オンリー・ロックン・ロール(It's Only Rock'n Roll)』ということになるのではないだろうか。

 本作は、英国で2位、米国で1位を記録し、グリマー・ツィンズ(ミック・ジャガーとキース・リチャーズのコンビのプロデューサーとしての名義)による最初のプロデュース作品となった。それまでのアルバムと比べ、ストレートなロックンロールを目指すという方向性が顕著に見られ、その点で何とも爽快な盤に仕上がっている。

 “これぞロックンロール”なナンバーとしては、冒頭の3曲が圧倒的である。1.「イフ・ユー・キャント・ロック・ミー」は、アルバムのオープニング・ナンバーらしく、勢いに満ちており、2.「エイント・トゥー・プラウド・トゥ・ベッグ」は、少し抑揚をつけながら、ロックンロール感を維持させる。そして、表題曲の3.「イッツ・オンリー・ロックン・ロール(バット・アイ・ライク・イット)」は、タイトルと歌詞からして“たかがロックンロール、でも自分はそれが好きなんだ”という、分かりやすく気持ちいいメッセージの曲で、曲調もまさにそのまんまの好曲である。

 他のナンバーももう少し見ておきたい。5.「タイム・ウェイツ・フォー・ノー・ワン」は、ミック・テイラーの長編ギター・ソロが聴きどころ。LP時代のB面(CDトラック6.~10.)に入って、7.「ダンス・リトル・シスター」は、これまた表題も詞もいかにもロックンロールといったモチーフが気持ちいい。アルバム最後の曲の10.「フィンガープリント・ファイル」は、ストレートなロックという意味では軽い変化球だが、“FBIに追われる男”というストーリー性が曲と演奏にも反映されていてなかなか興味深い。

 とはいっても、このようなアルバムの出来とは裏腹に、キース・リチャーズの薬物問題、ミック・テイラーの不満などの難題をバンドの背後に抱え込んでいた。実際、ミック・テイラーは本作を最後にストーンズを去ることになり、次のアルバム(『ブラック・アンド・ブルー』)では、ロン・ウッドが代替メンバーとして活躍することになる。ちなみに、そのロン・ウッドに絡んだところで、実は本作の表題曲(3.「イッツ・オンリー・ロックンロール」)の原型は彼が作ったと言われる。クレジットはジャガー/リチャーズとなっているものの、その“原型”は、ミック・ジャガーがロン・ウッドのアルバム制作に参加していて、その時に作った2つの曲の一方(もう一方は、ロン・ウッドのソロ作に収録)だったとのことである。


[収録曲]

1. If You Can't Rock Me
2. Ain't Too Proud to Beg

4. Till The Next Goodbye
5. Time Waits for No One
6. Luxury
7. Dance Little Sister
8. If You Really Want to Be My Friend
9. Short and Curlies
10. Fingerprint File

1974年リリース。




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イッツ・オンリー・ロックン・ロール/ザ・ローリング・ストーンズ[SHM-CD]【返品種別A】

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【輸入盤CD】Rolling Stones / It's Only Rock N Roll (ローリング・ストーンズ)




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Last updated  2021年09月30日 05時27分13秒
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