音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2022年07月20日
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テーマ: 洋楽(3402)
実にハイレベルな“二匹目のドジョウ”


『スーパー・セッション(Super Session)』 (1968年リリース)の続編とも言えるのが、この『クーパー・セッション(Kooper Session)』(1970年リリース)というアルバムである。といっても、その表題は、ほとんどダジャレ(“スーパー”→“クーパー”)でしかない。アル・クーパー(Al Kooper)によるセッション企画の第二弾のアルバムということになるわけだが、『スーパー・セッション』を超えるとは言わないまでも、この『クーパー・セッション』は、ただの二番煎じとは言えない、実にハイレベルな好盤なのである。

 本盤の参加メンバーで最も注目すべきは、ギタリストのシャギー・オーティス。本盤では、彼の存在感とテクニックが半端ない。この人物は、R&Bシンガー、ジョニー・オーティスの息子であり、しかも、この当時まだ15歳という、まさしく“若き才能”であった。

 収録された7曲の演奏は、どれも素晴らしく、全編を通して聴くことをお勧めするが、いくつかの曲を聴きどころとして挙げておきたい。まずは、1.「ベリー・マイ・ボディ」。リズム感に乗って勢いのある曲調が印象的で、その後の収録曲への期待を抱かせるに相応しいオープニング曲である。もう一つ、前半でぜひとも触れておきたいのは、2.「ダブル・オア・ナッシング」。アルのオルガンとシャギーのギターの組み合わせが醸し出すスリリングさがいい(このスリリングさは3.でも継続し、4.で息抜き的にリラックス感が出ているのも、構成の妙と言えるように思う)。

 LPでは、1.~4.がA面で、“The Songs”、5.~7.がB面で、“The Blues”と銘打たれている。後半のインストルメンタル演奏もどれも素晴らしいが、何と言っても圧巻は、5.「12:15スロー・グーンバッシュ・ブルース」で、シャギーの演奏を堪能できる。同じく7.「シャギーズ・シャッフル」も聴き逃がせない。

 それにしても、アル・クーパーという人は、パフォーマーなのか、裏方ないしは仕掛人なのか。彼のいろんな作品を聴くたびに、この疑問がしばしば湧いてくるのだけれど、きっと正解は“両方”なのだろう。実際、本盤でも、ヴォーカルとしての役割、そしてオルガン・プレーヤーとして聴き手の耳に残るパフォーマンスを披露している。しかし、彼が只者でないのは、仕掛人としての才能である。セッションものやその他いくつかのプロジェクトものでのアル・クーパーの役割は、ただのアーティストには容易にできないマルチぶりの賜物である。そのようなわけで、企画者としてのアル・クーパー、プレイヤーとしてのシャギー・オーティスという、簡単には揃い得ない組み合わせが実現されたことにより生み出された稀有な盤ということになるのだろう。


[収録曲]

1. Bury My Body

3. One Room Country Shack
4. Lookin' for a Home
5. 12:15 Goonbash Blues
6. Shuggie's Old Time Dee-Di-Lee-Di-Leet-Deet Slide Boogie
7. Shuggie's Shuffle

1970年リリース。




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クーパー・セッション/アル・クーパー[CD]【返品種別A】




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Last updated  2022年07月20日 04時27分41秒
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