音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2023年05月08日
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テーマ: 洋楽(3408)
地味ながら滋味に溢れた“元祖アンプラグド盤”


 米国の夫婦デュオ、デラニー&ボニー(Delaney & Bonnie)には、『オン・ツアー・ウィズ・エリック・クラプトン』(1970年リリース)という有名盤がある。しかし、その陰に隠れがちながら、聴き逃がしては絶対に損だと思っている盤がある。それこそが、この『モーテル・ショット(Motel Shot)』という、1971年発表のアルバムである。

 タイトルが示すように、本盤はツアー先のモーテルの部屋で録音された。宿泊施設のルーム内で、アンプで増幅した音を出すなどということはできず、結果、生ギターにウッドベース、ピアノといった演奏は、後世の言い方に従うならば、いわゆる“アンプラグド”の演奏となった。そんなわけで、後世になってから“元祖アンプラグド盤”などと形容されるようになったみたいだが、MTVアンプラグドを軸としたブームよりも30年近く前にそれを先取りしていたということになる。

 生楽器の演奏にロック魂は宿りうるのか。答えはイエスというのが本盤である。プラグを指せば、なるほどデラニー&ボニーのライヴ演奏になったといえそうな演奏が並ぶ。もう一つの特徴は、アルバム名義にも刻まれている“&フレンズ”という部分で、デュエイン(デュアン)・オールマン(スライド・ギター)、ディヴ・メイスン(ギター)、グラム・パーソンズ(ギター、ヴォーカル)、ジョー・コッカー(バッキング・ヴォーカル)、レオン・ラッセル(ピアノ、ヴォーカル)といったなかなかのメンバーが共演している。

 個人的に好みのナンバーをいくつか挙げておきたい。4.「ロング・ロード・アヘッド」は、私的にはデラニー&ボラニーらしいイメージにとっても合致した曲だったりする。5.「色あせた恋」は、通常のライヴ盤ならここで聴きどころみたいになったであろうと想像する。7.「カム・オン・イン・マイ・キッチン」は、かのロバート・ジョンソンのナンバーで、この曲のロック的解釈としてはお手本のような演奏。トラディショナル曲の11.「フィーリング・バッド」もまた、アコースティック演奏ながら、ロック音楽としての魅力に溢れている。結局のところ、音量の大きな演奏でなくてもロックの真髄は表現されうるし、伝わりうる。それを1970年代初頭の段階でアルバムに残しているのは、かなりの偉業と言っていいように思う。


[収録曲]

1. Where the Soul Never Dies
2. Will the Circle Be Unbroken
3. Rock of Ages

5. Faded Love
6. Talkin' about Jesus
7. Come on in My Kitchen
8. Don't Deceive Me (Please Don't Go)
9. Never Ending Song of Love
10. Sing My Way Home
11. Goin' Down the Road Feelin' Bad
12. Lonesome and a Long Way from Home

1971年リリース。



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モーテル・ショット [ デラニー&ボニー&フレンズ ]





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Last updated  2023年05月08日 08時06分31秒
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