音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2024年12月04日
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テーマ: 洋楽(3409)
1977年発表の成功作


 デイヴ・メイスン(Dave Mason)は、英国ウスター出身のロック・アーティスト。トラフィックで活躍したのち、いくつものソロ作を発表していった。本盤『流れるままに(Let It Flow)』は、1977年にリリースされたもので、商業面で最も成功した作品である。そのようなわけで、彼の代表的作品として名が挙げられることの多いアルバムになっている。

 本盤の特徴は、ゆったりとした雰囲気にあると言えるように思う。この“ゆったりさ”というのは、2つの要素から成っていて、一つは、メイスン自身の円熟度にある。年齢的には30歳を超えたあたりの作品だけれども、ただ突っ走るというよりはどっしり構えて音楽制作を行っているという余裕が随所から感じられる。他方、西海岸的なサウンドというのもこの“ゆったりさ”の源になっているように思う。陰鬱というよりはすっきりとした明るさが支配的なのは、本盤を聴いていて非常に気持ちがいい。

 注目曲をいくつか見てみたい。1.「ハイな気分」は、上で述べたような余裕や貫禄が感じられる堂々としたナンバー。2.「ウィ・ジャスト・ディスアグリー」も同様の雰囲気を持った曲で、シングルとして米ビルボードのチャートで12位のヒットとなった。少し幻想的な雰囲気が演出された3.「ミスティック・トラベラー」は、目立った曲ではないかもしれないが、密かに好みの1曲だったりする。

 アルバム表題のもとになっている6.「流れるままに」は、いい感じに肩の力が抜けていて、さらりとした軽快な好ナンバーに仕上がっている。8.「めぐりゆく季節」は、味わいのある楽曲に滋味深いヴォーカルが光っており、本盤の聴きどころの一つになっている。アルバムの最後を締めくくる10.「ホワット・ドゥ・ウィ・ガット・ヒア」は、本質的にはぜんぜん明るい雰囲気の曲ではないのだけれど、演奏とアレンジのうまさで軽妙に聴け、なおかつ、さまざまな工夫が凝らされたその演奏に引き込まれる。この10.に典型的に見られるように、1曲1曲(そしてそのトータルとしてアルバム全体)の完成度が高い、そんな盤と言えるように思う。 


[収録曲]

1. So High (Rock Me Baby and Roll Me Away)
2. We Just Disagree
3. Mystic Traveler

5. Takin’ the Time to Find
6. Let It Go, Let It Flow
7. Then It’s Alright
8. Seasons
9. You Just Have to Wait Now
10. What Do We Got Here?

1977年リリース。



 ​
流れるままに [ デイヴ・メイスン ]




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Last updated  2024年12月04日 06時50分05秒
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