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一連の「NHKスペシャル」に見入りました。13、14両日放送の「新・ドキュメント太平洋戦争1942」。将兵や家族らの日記、手記、手紙による「エゴドキュメント」です。言論抑圧下、国民の本音から戦争の真実に迫りました。
1941年12月の真珠湾攻撃後、連戦連勝の日本軍。庶民の日記にも「日本人に生まれ合わせたことをしみじみ感謝する」(東京の主婦)と高揚感がありました。しかし半年後、ミッドウェー海戦で主力空母4隻を失う大敗北。その後もガダルカナル島で多くの餓死者を出し撤退したのです。
「ビルマ 絶望の戦場」(15日放送)は、戦争末期の実相を明らかにしました。ビルマ(現ミャンマー)方面軍の無謀なインパール作戦(44年)で無数の兵士が倒れ”白骨街道”を生みました。その後もラングーン(現ヤンゴン)から英軍を攻め、多くの将兵・民間人が命を落としたのです。
番組が教える、この戦争の共通点は-。 補給無視、戦果至上主義により犠牲になるのは兵士たちです。 元兵士は「死臭の漂う生き地獄の状況を脳裏に焼き付け・・・」と手記に書いています。 一方、司令官ら軍首脳は、いち早く逃げていました。 学徒出陣の元少尉は「軍紀の退廃にいたっては欲望の醜悪さ」と断じています。
軍首脳部は、戦争の真実を隠し続けました。 ミッドウェー海戦で大本営は逆に戦果を強調。新聞・ラジオも追従しました。”欧米の植民地の解放”を謳(うた)った当時の為政者。番組でナレーションは結びます。「大東亜共栄圏建設という大義を掲げて遂行された日本の戦争の末路だった」
ウクライナ情勢に乗じて岸田政権は軍事費倍増、九条改憲に前のめりです。熱病のように軍拡を肯定する風潮。戦争体験のある俳優の仲代達矢さんは「徹子の部屋」(15日放送、テレビ朝日系)で語りました。「 抑止力、抑止力といいながら防衛費を高めるという話を聞きますといやな気持ちになりますね。 平和であってほしいですね」。いまこそ戦争の真実に冷静に向き合い、犠牲者の声に耳を傾けるときではないか。
(やまもと・ひさはる ライター)
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