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6月、別のコラムに「ゼレンスキー氏(ウクライナ大統領)は英雄か」という見出しで、ロシアが200%悪いにしても、ウクライナは100%正しいか、と疑問を呈したら、読者から頂いた手紙は賛否半々だった。応答のつもりで7月、「記者の目」に同じ見出しで再論したところ、今度は明確な異論は1通だけだった。
侵攻される1年前から、ゼレンスキー氏が「クリミア奪還」「ロシアの武力侵攻に対抗」「ミンスク合意Ⅱ(ウクライナ東部紛争の和平合意)完全破棄」と繰り返し表明していた強硬姿勢 は、今やよく知られている。米国流の自由と民主主義の価値観を絶対視する バイデン氏(現大統領)らが、数年越しでテコ入れしてきた背景 も明らかになっている。
米欧側かその意図を否定しても、ロシアのプーチン大統領は挑発されていると感じていただろう。さらに バイデン政権の異常な軍事支援を見れば、これがウクライナに戦場と死者を押しつけた米国の「代理戦争」である実態は、否定する方が難しい。
日本の防衛費大幅増は、中国・台湾を近い将来のロシア・ウクライナに見立てた政策の大転換だ。 いや、買わされる兵器と地理的条件を見れば、日本も米国にとっては「東アジアのウクライナ」にならないと誰が言い切れよう。
岸田文雄首相は初めて北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席し、防衛費はNATO並みのGDP比2%を掲げ、英国・イタリアと次期戦闘機共同開発で合意した。NATO準加盟国気取りで来年の主要7力国(G7)議長国を務めることが、最優先の政治目標らしい。価値観外交の図式にはまりすぎて、逆に危うい。
ある大使経験者がつぶやいた。「一番重要なのはロシアを中国の側に押しやらないこと。それには議長国・日本が、ウクライナ即時停戦を主導するくらいの大胆さが必要だ。クリミア・南クリル諸島(北方四島)交換案とかね」
歴史的にロシア領のクリミアはロシアに譲る。交換でウクライナに北方四島を渡す。日本は戦後復興資金を出し、四島を引き取る。きっと防衛費増額分より安い。
「荒唐無稽と笑わば笑え。米国は仰天するよ」
(専門編集委員)
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