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これに基づき、2月末に、衆参の議院運営委員会において、植田和男次期日銀総裁に対する所信聴取と質疑が行われました。
その内容に照らす限り、植田氏は、基本的に黒田東彦(はるひこ)現総裁の金融緩和路線を継承することになります。その意味で、植田氏に金融政策の正常化を期待することは困難だと言わざるをえません。
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いわく、「日本銀行が行っている金融政策は適切」。
いわく、「2%の(物価安定の)目標を早期に達成するという表現が(日銀と政府との)共同声明の中に含まれていることを直ちに変える必要はない」。
いわく、「(日銀は)物価安定目標達成のために国債を買っている」のであって、「財政ファイナンス、政府の資金の調達支援が目的での国債購入ではない」。
いわく、「政策には効果と副作用が常にある」が、「現状では効果の方が副作用を上回っている」。
ここでは、植田発言の問題点を2つに絞って整理しておきます。
第1は、金融緩和政策と財政ファイナンスとの関係です。
日銀が保有する国債残高は約580兆円に上り、政府発行国債の過半を占めます。わが国の名目GDP(国内総生産)を超える金額です。いまでは、日銀による国債買い入れを抜きにしては国家予算を組めないことが誰の目にも明らかです。
逆に、日銀としては、これを受けて、国債の買い入れを中断するわけにはいかない状況に追い込まれています。まさに悪循環です。これを財政ファイナンスと呼ばずして何をそれと呼ぶのでしょうか。
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第2は、政府が、2023年度から5年間で軍事費を1・5倍超の総額43兆円まで膨らませようとしているもとで、 従来は公共事業費にだけ充当されてきた建設国債を軍事費に充当しようとしていることです。 はたして、兵器の購入を公共事業と呼べるでしょうか。
量的・質的緩和政策を転換しない限り、日銀はこうした建設国債をも購入せざるをえなくなるでしょう。 日本銀行法には、日銀は、金融政策に関する意思決定の内容及び過程を国民に明らかにするよう努めなければならない、という規定があります。日銀は、戦争への協力につながるこうした事態を、どのように国民に明らかにするというのでしょうか。
植田氏は3月初旬に両院の同意を得たことから、4月初旬に日銀総裁に就任することが確実です。
筆者は、つねづね、黒田総裁下の金融緩和の諸悪の根源は、2%の「物価安定の目標」への固執と量的・質的金融緩和の追求にあると主張してきました。植田新総裁は、量的・質的金融緩和を撤廃し、金利政策に専念するべきです。また、2%の「物価安定の目標」も撤廃するべきです。
(たてべ・まさよし中央大学名誉教授)
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