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▽不幸な歴史
1973年、墨田区の都立横網町公園に建てられた石碑には、関東大震災の混乱の中で多数の朝鮮人が命を奪われたとして「不幸な歴史をくりかえさず、民族差別を無くし、人権を尊重し、善隣友好と平和の大道を拓く礎となると信じます」との言葉が刻まれている。
実行委によると、 建立には当時の都議会の全会派が関わり、都とも碑文の調整が行われた。74年から毎年、発生当日の9月1日に碑の前で開いている追悼式典には、石原慎太郎氏ら歴代都知事が「追悼の辞」を寄せてきた。
▽明言避ける
だが小池氏は知事就任2年目の2017年以降、送付していない。追悼式典とは別に、都慰霊協会が主催する大法要に参列して「大震災と、その極度の混乱の中で犠牲になられた全ての方々に哀悼の意を表している」というのが理由だ。
朝鮮人虐殺については、 政府の中央防災会議が09年にまとめた報告書で、震災後に警察や軍隊、住民による朝鮮人らへの殺傷行為が多発し「虐殺という表現が妥当する例が多かった」と明記。 犠牲者を千~数千人と推計している。
都発行の「東京百年史」も、自警団による朝鮮人の殺傷を東京の歴史の「ぬぐうことのできない汚点」としている。都議会でこの点への見解を問われた小池氏は「さまざまな内容が史実として書かれている。何が明白な事実かは歴史家がひもとくもの」と答弁。虐殺の有無に関しては明言を避けている。
▽表現の機会
昨年には、小池氏のこうした姿勢が都職員に影響した可能性をうかがわせる出来事もあった。
アーティストの飯山由貴さん制作の朝鮮人虐殺に触れる映像作品について、都立施設の企画展関連事業での上映可否を検討する過程で、都人権部の職員が「朝鮮人虐殺を『事実』と発言する動画を使用することに懸念がある」とのメールを施設担当者に送っていた。小池氏の追悼文不送付にも触れていた。
結局上映は認められず、都は理由を「精神障害の理解を深めるという企画展の趣旨にそぐわなかったため」と説明。メールに関しては「殺傷事件を否定したものではない」と釈明した。
飯山さんは「都知事への忖度(そんたく)としか思えず、こんな形で表現の機会を奪われることはあってはならない」とし、都庁前で抗議行動を続けている。
追悼式典の宮川泰彦実行委員長は「 自然災害の被害と、人の手による犠牲は違う。過ちを繰り返さないために、未来に語り継ぐ必要がある。 100年という節目に、碑に込められた思いに都が正面から向き合う必要がある」と訴えている。
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