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■正当化
杉田氏は「チマ・チョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさん」などとした過去の投稿が札幌、大阪両法務局から人権侵犯と認定され「啓発」を受けた。その後、10月27日付で投稿した動画では「アイヌや在日(コリアン)の方々に対する差別はあってはならない」とした上で 「逆差別、えせ、それに伴う利権。差別を利用して日本をおとしめる人たちがいる」と語った。 11月1日にはX(旧ツイッター)で人権侵犯認定制度に疑義を呈した。
杉田氏の動画での主張に、情報社会の偏見や差別に詳しい東洋大の高史明准教授(社会心理学)は 「典型的な現代的レイシズムだ」 と指摘する。
現代的レイシズムは主に米国の黒人への偏見で研究されてきた。「劣った人種だ」といった露骨な差別表現が社会的に許されなくなった状況で、 ネガティブな感情を正当化するため「差別はないのに騒ぎ立て、不当な要求で特権を得ている」と主張する ことなどを指す。
■月並み
高准教授はこうした偏見が特定の人種だけでなく、女性や性的少数者にも向けられてきたとして「差別によるマイナスをゼロに近づけるための施策は優遇ではない。杉田氏の発言はマイノリティーのアイデンティティーを否定し、差別を扇動している」と断じた。
動画は4日時点て5万回以上再生され、コメント欄には「真実を教えていただいた」「応援しています」などと称賛する意見があふれているが、高准教授は「杉田氏の振る舞いは特別ではなく、世界中で観察されてきた月並みなレイシズムだと知ることが、幻想を捨て距離を置くことにつながるのでは」と語る。
■意図
「開き直って二次加害を繰り返している」と一連の言動を非難するのは認定NPO法人「Dialogue for People」副代表のフォトジャーナリスト安田菜津紀さん。父親は在日コリアンだ。「ルーツを否定され、自分が社会に存在してはいけないと思わされるような言葉の暴力」にさらされ、差別をなくすための行動を起こすと「被害者ビジネス」とやゆされたという。
杉田氏の動画での発言にも同様の意図が見えるとして「本来は不平等を是正するために社会が考えるべき課題を、被害者に責任を押し付けて黙らせようとしている。差別を温存、放置するものだ」と強調した。
岸田文雄首相が杉田氏の動画に関し「一つ一つ申し上げるのは控える」と論評を避けた10月31日の発言も疑問視する。「一つ一つが重大な暴力性を持っており、厳正な処分が必要だ。杉田氏の重用を続けることは、自民党が人権問題を考慮していないと受け取られても仕方がない」と述べた。
◆差別批判は「言論弾圧」
自民党の杉田水脈衆院議員は、当選前の発言を差別的だと批判して議員辞職を求めるのは「言論弾圧」だと訴え、反発した。2日付で投稿された月刊誌のユーチューブ番組で「耐えられなくなって辞職する人が出たら、大変だと思う。こういう言論弾圧は許してはいけない」と述べた。
言論弾圧は通常、国家などの権力機構が検閲によって報道や表現の自由を規制することを意味する。インターネットで自らの主張を自由に発信する一方、メディアや有権者らからの批判を「言論弾圧」と呼ぶ杉田氏の姿勢は、国会議員の在り方に照らして議論を呼びそうだ。
杉田氏は、落選中だった2016年当時の差別的言動が、今年になって札幌と大阪の法務局から人権侵犯と認定された。
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