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まず元駐中国大使の宮本雄二日中友好会館会長(79)。物心ついてからずっと、日本はなぜ負けると分かっていた戦争をしたのかを考え続けているという。
一つは、戦前の日本が中国認識を誤ったから。対華21カ条要求への反発から中国に広がったナショナリズムと愛国主義への理解が不十分なまま、中国大陸へ足を踏み入れ、泥沼にはまりこんだ。
もう一つは、米国認識も誤ったから。戦前の日米で唯一本質的な対立点は中国だった。米国は中国市場を開けと迫り、日本は撤退要求をのまなかった。太平洋戦争の出発点は中国問題だった。
今と似た構図が戦前にあり、日本は判断ミスで国を滅ぼした。
これから米中2大国は長期競争関係をどう管理していくか。日米同盟を過信し中国の軍拡だけに目を奪われていると再び誤る。
次にロシア・現代朝鮮史専門の和田春樹東京大名誉教授(88)。いきなり「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」という岸田文雄元首相の言葉は不適切だったと切り込み、1941年ドイツがソ連に侵攻した時、日本がヒトラーを助けようと東西から挟み撃ちしなかったのは唯一賢明な選択だったと説き始めた。
以下、「ブルーリボンのバッジを胸に付けて、米国大統領に支援をお願いする以外何もできていない」拉致外交を批判し、突破口としての対北朝鮮国交正常化、さらに北方領土2島返還、日韓中露と北朝鮮に米国も加えた「北東アジア6カ国」による地域管理構想まで、大胆な提案を並べた。
憤激を買うのは承知だろう。議員も疑問をぶつけていた。だが、常識は本当に「思い込み」「決めつけ」でないのか。やりとりはインターネットで視聴できる。
第二次大戦後国際秩序を、作った米国自らが壊し、台頭した中国が新たな守護者を名乗る転換期。米中を単純な対立関係で理解すると、日本はまた間違える。
朝鮮戦争以来の米中対立を劇的に転換した「ニクソン訪中」。発表の3カ月前に月刊誌でそれを予言したジャーナリストの松尾文夫氏は「米中関係は日米よりずっと長く深い」が持論だった。ペリー浦賀来航の半世紀以上前に始まる米中「共生」の歴史研究に終生余念がなかった。
(専門編集委員)
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