記憶の記録

2009.08.11
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カテゴリ: 住宅革命
基礎を気密化することで昆虫たちの侵入を防ぎ、断熱することで地中熱を利用した床下の温度管理をしようと考えたのだ。

逆に夏は床下気温は24℃~26℃で安定し、外気温より低く推移するために相対湿度が高くなる。このことから夏の換気量は制限されるべきなのだ。そこで気密の基礎ならば換気量のコントロールがしやすくなる。
僕は換気量のコントロールを、建築基準法で義務付けられている24時間間システムを利用して管理して冬も夏も適正な換気量に維持しようと考えた。これは、24時間間システムの換気によって失われるであろう暖房熱を地中熱から回収する事にもなり、多大な省エネルギー効果を期待できる。

「まずは、これの処理だ。」
僕は基礎パッキンを指差し、高山に説明した。
基礎パッキンの外部をステンレス製の防虫網で塞ぎモルタルで固める。
内部から発泡ウレタンで気密と断熱を兼ねる。
発泡ウレタンだけでは、昆虫たちは簡単に侵入してしまうからだ。


「でもそれじゃあ」と高山が疑問を投げかけた。
「床下の換気が出来なくなってしまうじゃないか。いったいどうするんだ。」

「大丈夫! 換気口は確保するよ。大事なのは換気量を適正に管理できることなんだ。隙間だらけの状態では、風任せ運任せになってしまうからな。まずは気密を確保してから容積を確認し、必要換気量を算出する。この時、床下の年間気温推移を配慮することで床下の相対湿度を露点から遠ざけようというわけさ。」

「ああ、そういうことか!床下が外気より高温のときは換気量を増やしても乾燥に向かい、外気より低温のときは高湿度状態に向かう。それを換気量の調整で管理しようというわけか。」
「おっ、のってきたな。そう来なくちゃ!」
僕は、高山の反応が鋭くなってきたなと感じた。
学生時代の高山は、僕よりもずっと優秀な学生だった。
 研究者を目指していたが、家庭の事情でやむなく就職したのだ。
 夢を失ったまま都会で就職をしても新たな人生の目標を探し出す事がなかなか出来なかったのだろう。島根に戻ると伝言を残し、姿を消したのだった。もしもあの時、研究者の道を進んでいれば今頃は準教授、いや教授になっていたかもしれない。

つづく





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Last updated  2009.08.11 08:23:34
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