記憶の記録

2009.08.12
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カテゴリ: 住宅革命
相手の理解度が高いと仕事の効率は上がる。僕たちは徐々にレスポンスの良い会話が可能になって行くのを感じていた。

「床下空間を気密化し基礎断熱を施す。この処置で床下空間は外気温の影響を受けにくくなり、冬季外気温が氷点下でも、床下気温は地中熱の影響で13℃程度で安定するようになってくれるのだ。
 基礎コンクリートの熱容量は空気に対して約1800倍もあり、尚且つ熱伝達も地中から基礎コンクリートへの方が基礎コンクリートから空気への熱伝達の数倍から数十倍の効率だ。しかも、住宅の必要換気量は住宅容積の1/2でしかない。
 この家なら一時間に200立方メートルの空気を流しても、つまり、住宅にとって必要な全換気量を床下経由としても、基礎コンクリートの放熱が減少することはない。つまり、理論上、換気によって失われるであろう暖房熱の2/3は地中熱から回収する事が可能となる。もちろんC値に依存するが・・」
(注、C値とは: C値とは住宅の隙間相当面積のこと。 住宅のいたる所に存在する隙間の合計面積を求め、床面積で除した、床面積1m2当たりの隙間のこと。単位はcm2/m2)

「つまり、床下を換気経路にするってことか?だとすれば、床下環境をかなり高いレベルで清浄に整えなければならないな」
流石に高山は鋭かった。普通ならこの程度の情報量では、そこまでの考察は出来ないものだが、この旧友はいともたやすく問題点を指摘したのだった。

「その通り。だから床下の気密を確保する必要がある。そして必要換気量を得るための吸気口の外側に高性能なフィルターを設置する。
 フィルターは外気の通り道だから、外気温と同じ温度になる。外気温と同じ温度のものが屋内にあれば必ず結露してしまうからだ。

 そして、最も大切なこと。それは薬剤による防蟻・防虫防腐処理をしないという事だ。
 居住者のエリアには一切薬物による処理はしない。それ自体有害である事が多く、安全だといわれる薬剤であっても、他の化学物質との組み合わせでどんなものに変化するのかは予測不可能だからだ。
 本来なら、建築用木材の選定でさえ、アレルギーのバッチテストをしてから決めなければならないほどなのだ。
 もうすぐ赤ちゃんが生まれるのだから住環境の確保には全力を尽くそう。」

高山は僕の顔を笑顔で見ている。そして、ぽつりと言った。
「シード、お前を呼んで正解だった。」


つづく





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Last updated  2009.08.12 10:36:02
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