記憶の記録

2009.10.24
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
断熱技術には大きなテーマがある。

断熱材は乾燥しているからこそ断熱力がある。結露によって含水率が上昇してしまえば既にそれは断熱材ではなく、熱伝導体となってしまい、熱橋として評価される。
断熱材が熱的な境界を形成するものである限り、断熱材の内部に露点が存在する可能性が高い。この事は古くから認識されている事実だから、断熱材には防湿フィルムという水蒸気を通しにくい材料を断熱材の高温側に取り付けて結露を防いできた。
この方法は功を奏して断熱材が結露による含水率の上昇によって断熱力を失う現象を免れていた。
しかし、日本には四季があり、しかも夏は湿度が高い。
断熱材の内側に防湿フィルムを取り付けて防ぐ事が出来るのは暖房をしている間だけで、夏の冷房時は屋外の方が高温側になってしまう。
高温側が反転してしまえば防湿フィルムが低温側で水蒸気をくい止めてしまうから断熱材内部で結露が生じる逆転結露という現象が起こりうる。28℃程度の冷房であれば心配する必要は無いが、26℃以下の冷房では十分に危険性がある。
夏と冬の逆転結露を物理的に防ぐことこそ断熱技術の永遠のテーマだったのだ。

防湿フィルの外側にも内側にも断熱材があるのだ。そして内外の断熱材の厚さも質も同じものではない。それは、冬型の結露が起こりうる場所は断熱層の中心付近から外側であり、夏型の結露が起こりうる場所は断熱層の内側寄りにあることから、結露する場所を正確に把握する事が出来れば、結露エリアを両方ともかわすことの出来る最適なポジションに防湿層を決定し、夏と冬の結露を確実に防ぐ事が出来るのだ。しかも、防湿層の室内側の断熱材を吸放湿素材とすることで室内空気をエンタルピーのコントロールを手助けする事が出来る。
断熱材に吸放湿をさせるということは基本的には間違いだ。断熱材の含水率の上昇が断熱性能の低下を招いてしまうだけでなく、吸湿して欲しいはずの夏は、外気のほうが圧倒的に水蒸気量が多く、外気から水蒸気を吸湿して、屋内へ放湿するとい、期待とは逆の現象が起きる。吸放湿素材はいかなる時も絶対湿度の高いほうから吸湿し低いほうへ放湿するのだから。
夏だけではない。過乾燥になりがちな冬には、加湿器などを使って室内空気の相対湿度を上げようとする。しかし、断熱材が吸放湿してしまってはせっかく加湿した水蒸気を断熱材が吸い取り、はるかに絶対湿度の低い外気へ放湿してしまう。しかも、壁内結露を伴いながら。
エンタルピー断熱はこの問題も解決した。
防湿フィルムの内側の断熱材を吸放湿素材としても、そのすぐ外側に防湿フィルムがあるから水蒸気を外に逃がさない。しかもそのポジションは外側の断熱材によって露点以上の温度帯域に位置しているから内部結露にはならない。このことで初めて吸放湿素材の持つ相対湿度60%以上で吸湿し、35%付近から放湿するという基本性能を安全で衛生的な状態で利用する事が出来る。防湿するからこそ始めて水蒸気を利用できるようなるのだ。
エンタルピー断熱が持つ吸放湿断熱材はその使用容積が高山邸(床面積140平米)では10m3にも及ぶ。この吸放湿材の吸放湿量は、少なく見積もっても5%!約500リットルにも及ぶ事がわかった。防湿層の内側にあるあらゆる吸放湿素材(木材などの建材)を含めれば20m2にはなるだろう。積極的な加湿を行えば、10%の吸放湿が期待できるだろう。その量は、なんと2トンにも及ぶ。水分量がエンタルピーを左右することから、この大量の水分が持つエネルギーが冷暖房に寄与する効果は絶大なものとなる。高山邸は、十分、無暖房で暮らすことの出来る家となるのだ。









お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.10.24 17:36:30
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Profile

フライングシード

フライングシード

Calendar

Archives

2026.05
2026.04
2026.03
2026.02
2026.01
2025.12
2025.11
2025.10
2025.09
2025.08

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: