記憶の記録

2009.10.23
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エンタルピー断熱
エンタルピー(enthalpy)断熱
そもそもエンタルピーとは熱力学での物理量を表す一つの単位であり断熱技術とはあまり関係が無いように思える。
しかし住宅の断熱は外気と室内空気を断熱によって隔てる事に他ならない。外気と隔てられた室内空気はある意味では一つの系(熱的に物質的にも独立した空間)となる事が理想であり、断熱技術はそれを目指している。
エンタルピーは系が持つエネルギーの総量であり(内部エネルギーと体積と圧力の積)で求められる。
簡単にまとめれば、室内空気に含まれる水蒸気の量が多ければ大きいほど室内空気が持つエネルギー量は大きくなり、つまり暖かくなるのだ。

体験的に、湿度が高いと夏は蒸し暑く感じ、冬は快適な暖かさと感じる。
逆に湿度が低ければ夏は涼しく感じ、冬は極端に寒く感じる。これは、気温20℃で相対湿度50%の空気と気温22℃で相対湿度40%の空気とがほぼ等しいエンタルピーを示す(約39kJ/kg)ことから確認できる。
別の視点から見ると湿度が低い乾燥した空気には汗が気化しやすく気化熱を奪われることで涼しく、あるいは寒く感じ、湿度が高ければ気化しにくく体温を放熱しにくくなることから暖かく、あるいは蒸し暑く感じる。断熱技術は、居室の空気環境を人間の体感が快適な状態に維持する事が目的であるけれど、その本質はより少ないエネルギー消費で快適な環境を維持する事にある。
快適さという曖昧な指標は断熱技術など無くても大量にエネルギーを投入することで実現可能なのだ。

快適性のレベルはエネルギーの消費量に比例する。
断熱性能のレベルはエネルギーの消費量に反比例する。
エンタルピー断熱は空気が持つ水蒸気の量が体感に影響する事を前提に、断熱技術で水蒸気量をコントロールする事をテーマとしている。
空気中の水蒸気量(絶対湿度)をコントロールするためには住宅は系(熱的に物質的にも独立した空間)となる事が理想となる(実際には不可能だけれど・・)。
系でなければ、加湿して湿度を上げたい冬の場合、外気は室内よりはるかに乾燥なので室内の水蒸気は屋外に逃げていってしまい、限りなく加湿し続ける事が必要になる。
系でなければ、除湿して湿度を下げたい夏の場合、外気は室内よりはるかに高温高湿度なので除湿して乾燥した室内へ屋外の無尽蔵にある水蒸気が流れ込んでしまい、限りなく除湿し続ける事が必要になる。まさに快適性はエネルギー消費で維持されるのだ。
そこで、完璧とはいえないまでも、断熱層の内部に水蒸気の透過できない密度のフィルムを取り付けることで水蒸気の流れを隔絶し、簡易的な系を構築する。
たとえばガラスの箱の中を除湿すれば、箱の中の絶対湿度は永久に変わらず、除湿に対して消費されるエネルギーは飛躍的に減少する。
断熱技術の完成度は熱的な遮断だけではなく物質的(水蒸気)な遮断も必要であったのだ。
熱的にも、物質的にも断熱する事がエンタルピー断熱の目的であり、この技術は実際に革命的な成功を収めた。一つの問題点をのぞいて・・・


ピンチ

つづく









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Last updated  2009.10.23 09:20:55
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