Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2021年09月23日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-178
 目的論(英:teleology/独:Teleologie/仏:téléologie)は、世界のすべての事物の生成変化が、大いなる目的を目ざして運行しているという思考です。命名はライプニッツからカントへの橋渡し的存在であるドイツの、近世自然法論者、哲学者クリスティアン・ウォルフ(Christian Wolff/1679年 - 1754年)ですが、それ自体の考え方は非常に古く、古史を見ても寧ろ正統派でした。但し、この「目的」が何によって設定されているのか、具体的内容はどういうものか、となると、時代や人によって多様です。古今東西の歴史は世界のすべてが人間のためにあるという考え方が主流であり、古代や中世で目的論的思想が主流であったのは当然、いっかな古代や中世・近世の一部の思想家に対抗すべき持ち札はありませんでした。其の少ない持ち札で果敢に目的論的世界観に挑んだのがスピノザです。
  付 録
 第五項第一
 しかしまだ付け加えたいことがある。それは、目的に関するこの説は自然をまったく転倒するということである。なぜならこの説は、実は原因であるものを結果と見、また反対に、結果であるものを原因と見る。次にこの説は本性上先なるものを後にする。また最後にこの説は最高かつ最完全なものを最不完全なものにする。というのは、前の二つ、実は原因であるものを結果と見、また反対に、結果であるものを原因と見るは自明であるからこれを略すとして、定理二一 神のある属性の絶対的本性から生ずるすべてのものは常にかつ無限に存在しなければならぬ、言いかえればそれはこの属性によって永遠かつ無限である。定理二二 神のある属性が、神のその属性によって必然的にかつ無限に存在するようなそうした一種の様態的変状に様態化した限り、この属性から生起するすべてのものは同様に必然的にかつ無限に存在しなければならぬ。及び、定理二三 必然的にかつ無限に存在するすべての様態は、必然的に、神のある属性の絶対的本性から生起するか、それとも必然的にかつ無限に存在する一種の様態的変状に様態化したある属性から生起するかでなければならぬ。から明らかなように、神から直接的に産出される結果は最完全であり、そして物は産出されるためにより多くの中間原因を要するに従ってそれだけ不完全である、ところがもし神から直接的に産出される物は神が自己の目的を達するために造ったのだとすれば、最後のもの、それのために始めのものが造られたところのものであるが、すべてのもののうちで最も価値あるものになるからである。
 次にこの説は神の完全性を没却する。なぜなら、もし神が目的のために働くとすれば、神は必然的に何か欠けるものがあってそれを欲求していることになるからである。もっとも神学者ならびに形而上学者たちは需要の目的と同化の目的を区別してはいるが、それでもやはり彼らは神が一切を被造物のためにではなくて自己自らのためになしたことを承認する。なぜなら彼らは、創造以前においては、神のほかには神がそのため働くような何ものも示すことができないからである。したがって神がある物のために手段を用意しようとしたと言うなら、神はそのある物を欠いていてそれを欲求した、ということを必然的に彼らは承認せざるをえなくなる。これは自明の理である。
 理知を獲得した人類の性向は目的論的性向を帯びています。目的論が哲学的に体系化されたのは、アリストテレスにおいてであった。彼によると、すべて個物は形相と質料とから成り立つが、形相はまた個物生成の目的因でもある。だが、その個物はまたより上位の形相を目的として運動し、究極的には、世界全体が第一形相を最高目的として運動するという。中世最盛期以降のキリスト教神学は、このアリストテレス思想を基礎とし、創造主たる神の意志を前面に出すことによって、いっそうはっきりした目的論を展開します。近代においては、キリスト教的目的論が否定され、機械的自然観がとってかわる。デカルトやスピノザあるいはF・ベーコンなど、いずれもが自然科学的・数学的思考を身につけながら、目的論的思想を排除していきます。しかし、人間の奥底にある目的論志向が全く排除されたわけではありません。


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最終更新日  2021年09月23日 07時52分53秒
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