Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

2023年01月14日
XML
カテゴリ: 霊魂論
「神秘学概論」読解
13 思考・自由・精神科学 - 2
 最初に「神秘学の性格」を押し出したことで「神秘学概論」では、科学が通常の対象としているものを対象とはしていないが故に、殊更に、「神秘学概論」では取り上げる精神科学が、如何に科学的かということが強調されているきらいがあります。否寧ろ、通常の科学的営為における認識が、素朴実在論的であって、その認識そのものの在り方が真に検討されることがあまりにも少ないということも示唆し、「神秘学概論」では取り上げる精神科学を強調しています。其の様なことから、シュタイナーがまずその精神科学の基礎として強調しておく必要があったのが、彼の取り上げた思考、つまりは「直観的思考」なのです。その前提として彼の精神科学における「自由の哲学」や「哲学の謎」などの著作の重要性が常に示唆されていた訳ともいえます。彼の著作「自由の哲学」の1918年の新版のための補遺の2に、彼の「直観的思考」に関する考えが示唆されているます。
 思考の中には人間が現実の中へ精神的に参入することのできる要素がある。しけれども他方また、本書の精神全体から、知覚要素が思考によって把握されたときに初めて現実の内容となり得るという立場が明らかになる。思考の外には、現実と呼べるものは存在しない。したがって感覚的知覚だけが現実を保証する、と考えてはならない。知覚内容として生じるものを、人間は人生の途上で期待し続ける。しかし次のように問うことが出来得る。「直観的に体験される思考の観点からみて、人間が感覚的なもの以外に精神的なものを知覚できると期待してもいいのか」。このことを期待していい筈である。なぜなら直観的に体験される思考は確かに人間の精神活動ではあるが、同時にそれは感覚器官なしでも把握できる精神的な知覚内容だからである。それは知覚する人自身がそこで活動しているところの知覚内容であり、自己活動が同時に自己知覚されているのである。直観の中で体験される思考においては、知覚する人間 が精神界へ移されている。われわれは知覚としての世界の内部で、自分の思考が産み出す世界を、精神的知覚世界として認識する。この知覚世界と思考との関係は、感覚的知覚世界と感覚との関係に似ている。それを体験する人間にとって、精神的知覚世界にはどこにも未知の部分が存在しない。何故なら人間は直観的な思考の中で、既に純精神的な性格を持った体験をしているからである。このような精神的知覚世界については本書が出版された後で出版された数多くの私の書物が取り上げている。 「自由の哲学」はそのような後期の著作のための哲学的な基礎づけでる。なぜなら本書は正しく理解された思考=体験がすでに精神=体験であることを示そうと試みているからである。(イザラ書房・高橋巌訳より/P284-285)
 シュタイナーが、数学のような現物質のみに対象を縛られない思考を重要視していることも、それはここで述べられているような「直観的思考」と深く関係している。この「対象のない思考」が可能でないかぎり、人間は「自由」であることはでき得ない。人間は多く外的に対象のある様々なものからの反射的な動き「類型的な行為である反応行動」をもっていて、「彼岸的なもの」から行動してしまうのもそれとは無関係ではない。「天国や地獄」のイメージも外的世界の類推思考としてでてくるようにです。そういう意味で、神秘学の内容を理解しようとすれば、たとえば多く理解困難が指摘されるよう「神秘学概論」に登場する土星紀、太陽紀、月紀、地球紀などのような進化期の理解にしても、「外感覚的には対象のない思考」が必要となってくる。日常的な外的対象を知覚するようにすることでは、おそらくそれらを理解することはかなり困難だからである。そのための最初の入口として、また「対象のない思考」「直観的思考」を育成するためのひとつの訓練としても、また、「神秘学概論」の長文の序文として「自由の哲学」を読み込むことも重要です。



哲学・思想ランキング





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2023年01月14日 06時01分40秒
コメント(0) | コメントを書く
[霊魂論] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

プロフィール

cap-hiro

cap-hiro

カテゴリ

キーワードサーチ

▼キーワード検索

バックナンバー

2026年05月
2026年04月
2026年03月
2026年02月
2026年01月
2025年12月
2025年11月
2025年10月
2025年09月
2025年08月

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: