Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2023年05月22日
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カテゴリ: 霊魂論
アナーキズムから神智学へ *シュタイナーの「本来的自己」
5:アナーキズムと神智学-2 秘儀の歴史・霊界の真理を解放する「霊学」
 オカルティズムおよび神智学において特徴的な語りのひとつは、「秘儀の歴史」の構築である。西洋と東洋の歴史を通じて,霊界や魂の存在を直観する技法を知る達人たちの集団および結社があり、彼らの保持する「叡智」もそこで隠されているという言い回しである。そして、隠されてきたこの「叡智」が今こそ開示されねばならないとして、オカルティストは自らの言説を価値づける。シュタイナーは、1902年からこの神智学的な言説を受容し、とくに自らの技法を「薔薇十字」として構想した。「薔薇十字」という用語は、近代西洋における「秘密の叡智」を語る際の常套句であり、彼もこの「薔薇十字」という「伝統」を用いた。そして彼はこの「秘密の叡智」が万人に開示されねばならないとして自らの神智学を意味づけたのです。従来の学術研究では、彼は秘密を保持せずに開示することを目指すのであるから、彼の思想は「オカルティズム」ではないと結論づけられてきたが、実はそうではない。秘密を今こそ開示すると宣言するからには、シュタイナーは「オカルティスト」なのです。この「秘密の叡智」の開示という言い回しは、唯物論的な科学と新カント派の認識論という主流の中で、ヘルメス主義的な奥義と霊界の存在を自己が認識できるという革新的認識論を強調したいシュタイナーにとっては有効な言辞であったのでしょう。彼は自らの認識論とそれによる世界観を歴史的に潜在してきたものとして歴史化したのです。 今まで隠されてきた真理という言辞と同時に、主流の歴史や制度の側から抑圧されてきた真理という言い回しも、オカルティズムにおける語りの特徴である。例えば、ブラヴァツキーにとってはキリスト教の教義は真理を抑圧する不純なものであり、またインドに現存する「制度的宗教」も真理を抑圧するものであった。対して,シュタイナーにおいては,唯物論的な科学が霊界を認識する文化を抑圧しているとされる。この抑圧から霊界の真理を解放するのが「彼の主張する霊学」であった。この解放は、今はまだ少数派によって革新的に達成されるものであって、その主軸を担うのが神智学協会、後には人智学協会となる。アナーキズムの自己正当化とも関連しうる。かくいうのも,アナーキズムは、シュタイナーの「個人主義的アナーキズム」も含めて、抑圧されているという現状をまず想定してから主張を展開する。アナーキズムの理想となるのは、抑圧から解放された「自由」である。この「自由」のために目覚めた少数の者たちが世界を変革するのだとアナーキズムは呼びかけます。抑圧からの解放という意味ではアナーキズムとオカルティズムは共鳴しあう。 この時代の「秘密結社」には啓蒙主義的意味合いがあったとはいえ、シュタイナーにおいては、政治的革新は中心的動機ではなく認識論とそれによる世界観における革新であった。



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最終更新日  2023年05月22日 06時15分26秒
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