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November 18, 2006
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カテゴリ: ミステリ(日本)


文藝春秋 四六判仮フランス(簡易上製)
☆☆☆☆○
 本格ミステリマスターズのシリーズの一冊。このシリーズ読むのも、この著者も始めて。「月導(つきしるべ)」という死者のダイイングメッセージというか、残留思念が五感に感じ取れるようになったもの、というかが現れる世界の話。
 ファンタジー(SFというには設定にムリが…)とミステリと純文学が交じり合ったような印象を受けた。個人的にはこういう設定がない方がずっと好みだ。どうも、舞台の現実味が中途半端になってしまって、ピンとこない。
 前半は結構冗漫に感じた。が、この「月導」を読む職能である「月読」の過去や作中の殺人事件の解決が仄見えてくると、途端に面白くなった。登場人物の書き方も好みなので、余計「月導」だの「月読」だのが、全く携帯電話のなかったころの日本の話の中で妙に浮いて見えた。ここは好みの分かれるところだろう。が、この設定が不要かというとそんなこともないと思う。私個人は別の手法を用いて、もっと現実味のある話にしてほしかったが。
 この本の巻頭にはコミックのキャラクター紹介のような口絵があるのだが、これを目にして、ちょっとこの本はライトノベルのような内容なのだろうかと思ったが、内容自体はそうでもないと思う(部分否定だけど)。寧ろ、「月導」が作中に繊細で純文学のような雰囲気をあたえていると思う。

 ミステリとしての出来はいいと思う。ラストのどんでん返しは面白かった。これでファンタジックな設定がなかったら、もっとずっと好みだったなぁ…。残念。





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Last updated  November 19, 2006 10:29:05 PM
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