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June 17, 2007
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カテゴリ: 日本の小説


角川文庫
☆☆☆☆☆
 途中でやめるつもりだったのに、土曜日深夜から日曜日朝にかけて徹夜で読んでしまった。
 女受けの悪そうな、美人で演奏は一流半のダイヤモンド会社の広告塔ヴァイオリニスト(豪華マンションetc.をパトロンであるその会社の副社長に買ってもらっている)のヒロインが、かりそめの舞台を転げ落ち、そして…という話。こういうヴァイオリニストが現実にいたら、某巨大匿名掲示板にスレッド(いや板か?)ができてお祭りになっただろう、とか思ってしまった。
 そこそこに舞台装置は色っぽいのに、内容はさして色っぽくならない。また、ヒロインのお姫様っぷりが実に嫌味で転落の過程を意地悪半分で読んでしまう。しかし、こういう女いるかもなーと思わなくもない。また、彼女の周囲の人間は悪人のようでいて、意外にいいところのある人物が多い。とはいえ無冠のマイスターと言われる職人さんは罪深いと思うなあ。私の読解力が足りないのかもしれないが、老い先短いとはいえ、もっと反省しろよ。ヒロインがもっと思慮深かったらまあ、ああいう事態にはならなかったろうけど。また、マイスターとヒロインのゴタゴタに巻き込まれた普通の生活をしていた楽器店のペーペー社員と教育大音楽科からプロに進みたいと努力していた女の子が一番かわいそうだ。普通のつましい生活の中で精一杯の努力をしていたのに。普通人はただ、破滅しろという意味なのだろうか?
 今ふと思ったが、結局ヴァイオリンが上手いだけの「普通の人間」は結局一番花やかな舞台から転がり落ちる、という結論が見え隠れしているような気がしないでもない。ミモフタもないっていえばそれまでだけど。タイトルも単行本化だか文庫化だかの際に最初に著者がつけた「マエストロ」というタイトルになったようだが、その前の「変身~Metamorphosis」の方が私はしっくりくる。

 面白いことは面白かったが、かなり救いのない話にも思える。他の音楽を題材にした小説もこんなんなんだろうか? 気が向いたら、ドラマ化された作品もあるし、読んでみたいが。今アフィリエイトリンクの検索をして分かったがこの作品もDVD(鬼嫁主演)化されていた。





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Last updated  June 18, 2007 02:33:15 AM
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