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June 16, 2008
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テーマ: 本日の1冊(3712)
カテゴリ: 海外の小説

香水
パトリック・ジュースキント
文春文庫
☆☆☆☆☆
 あとがきにもあったが、奇想天外な物語だ。自分はニオイを持たないのに、どんなニオイでも嗅ぎ分けてしまう孤児グルヌイユが主人公。犬のような嗅覚の持ち主なのだ。が、作中に犬と例えられる場面は一度もなかった。そういえばなぜだろう?この男、とにかくしぶとい。孤児なうえに乳母に気持ち悪がられ、孤児院で雑に育てられたあとは、皮なめし職人に使い捨て労働力として売り飛ばされる。しかし、そこで炭そ病になるが、そこからすら生還。獣同然の待遇から家畜待遇にアップグレードされる頃、グルヌイユは自分の稀有な才能に気付く。そしてそこで香水職人に弟子入り。ここで才能を開花させ、爆発的人気の香水を開発するが、パリを出て行き、山奥で隠棲…。しかし、この男は一度嗅いだ美少女のにおいが忘れられない。そしてその臭いを追い求めてやがては…。ということになる。かつて映画化された作品の原作である。
 しっかし、全編を通じて臭いの描写、香料の名前がこれでもか、と出てきて、臭いの描写は恐ろしく臭そう。しかも、どちらかというと悪臭の描写の方が多いような気がする。フランスが舞台の小説でしかも香料絡みなので、当然グラースも出てくるが、これも美しい描写はあまりなかった。でもパリの描写に比べたら格段にマシだったが。
 凡庸に料理したなら、天才賛美譚になりそうな話だが、それをこれでもかと貶め、一癖も二癖もある物語に仕立てるのは凄い。臭いのほかにも凄惨な場面も多かったのだが(しかもさらっと書いてあるので、そのうち感覚が麻痺する…)これをどうやって画像にしたんだろう?また、訳の方があとがきで主人公の名前について、一仕掛けあるようなことを書いておられる。フランス語の辞書を引いてみたが、良く分からない…。





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Last updated  June 17, 2008 12:36:36 AM
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