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October 18, 2008
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カテゴリ: ミステリ(日本)


新潮社 四六上製
☆☆☆☆☆
 こちらの重要人物の一人は「ひかりの剣」でジェネラル・ルージュの好敵手だった帝華大学の清川吾郎、どーも描写からすると軽薄っぽくはあるがイケメンっぽく(というにはちょっと董が立ってる?)もある産婦人科医だ。この作品を通して最近よく騒がれているお産と少子化の問題が取り扱われる。また、このタイトルだがジーンは遺伝子、というのは知っていたが、何でワルツなんだ?と思っていたら、DNA配列の塩基三種類一組でアミノ酸を一つ規定するため、らしい…。だったらメヌエットやサラバンドでもいいじゃん、というのはこのさい措いとこう。
 例によって例の如く難しいところは頭を素通りしたのだが、主人公の産婦人科医曽根崎理恵は禁断の領域に手を染めようとし、それを阻止しようとしつつ、結局片棒担ぎになるのが清川だ。だが、この作品を通じて出産と育児を取り巻く様々な問題が描かれる。たった一人で10万人都市の産科を支えてきた医師が一万に一つあるかないかという珍しい症例で患者を死なしてしまい、重い罪に問われる。私も知らなかったのだが、出産は病気ではないため保険が利かない。ましてや不妊治療をや。さらに代理母…。人間、アタマがよくなっても面倒なことが増えたような気がするな。
 さらに作中では、出産を巡って様々な人間模様が描かれ、私も思わず泣いたエピソードもあった。エンタテイメント小説として充分楽しめる内容を備えているが、同時に社会に出産と少子化の問題提起を果たしているといっていい小説。そして、この「曽根崎」という苗字も決して偶然あてがわれた苗字ではない。そして、作中理恵の同期として一台詞引用されている「真弓」も「ナイチンゲールの沈黙」に出てきている。他にもいるかもしれないが、ちょっと気付かなかった。
 今後もこの世界の小説の続きが展開されそうなので楽しみだ。





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Last updated  October 19, 2008 01:52:29 AM
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