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April 27, 2009
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カテゴリ: 日本の小説

極北クレイマー
海堂尊
朝日新聞出版 四六並製
☆☆☆☆☆
 著者名の右側には「病院が消えていく…」の文字。「チームバチスタの栄光」はミステリだったが、この小説は謎解きのミステリではない。そして舞台も桜宮ではない。しかし、登場人物は一部ダブっている。この小説を通して財政破綻の地方都市とそこで瀕死の状態の病院の姿を(多少デフォルメして)伝えようとしているのだろうか。
 財政が破綻した北の地方都市である極北市(どっかに似たような地方自治体があったよな~)に大学病院にいづらくなってやってきた羆のような外科医今中は、新しい勤務先の病院に愕然とする。ゆるゆるにゆるみきった内部、病院スタッフもてきとーならそこにくる患者もかなり……。しかし、そこで孤軍奮闘している産科医三枝はかなり珍しい症例で妊婦を死なせてしまう。この三枝医師が医療事故の責任を問われているところは、この著者の「ジーン・ワルツ」で語られているが、この作品ではまさにその罪に問われる時が語られている。
 とにかく、現役の医療関係者が見たら「こんな病院あるわけないだろ」と怒るんじゃないかというような病院が舞台だ。そして一人を除き医師の質も最低。だが、そんな病院だからこそ、経営が破綻して閉院寸前に追い込まれる……。地方の病院の閉鎖、関東地方でも取りざたされている病院があるが、その隣の市の病院に演奏しに行ったことがあるし、そこの病院に知り合いもいる。一つ病院が閉鎖されたら、隣の市の病院も忙しくなるんじゃないだろうか……。部外者とはいえ、少し気になるニュースなのだった。
 登場人物は実直で不器用な今中、彼はちょっとグッチー先生に似ているかもしれない。そして、年上の今中をいいようにバカにしつつ、医者としてはまったく使い物にならない若い内科医後藤。コイツの最初はただのしょーもないゆとり男だと思っていたら、最後がよかった。東城大付属病院を出たジェネラルも元気な姿を(電話でだけど)見せてくれる。そして、「氷姫」は相変わらず。彼女の鬱陶しい上司はお休み。名前は出てこないが、「氷姫」の口からぐっちー先生のことも出てくる。 そして、この作品では最後、懐かしい名前が救世主として登場する。この人は「ブラック・ペアン」で出てくるのだが、その後名前を見かけないので、途中で激務で過労死したんじゃないかと思っていたのだ。まあ、元気な姿を見せてくれてよかった。他にも気になる人物は出てきたし、今後の作品が楽しみだ。





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Last updated  April 28, 2009 02:49:11 AM
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