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December 8, 2009
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カテゴリ: 日本の小説

澪つくし
明野照葉 (解説高橋克彦)
文春文庫
☆☆☆☆☆
 短編集。ゾクゾクしたり、夜眠れなくなるような怖い小説ではないが、ひや~っとするような怖さがある。ちょうど、新耳袋のようなちょっと怖い怪談を読むような感じだろうか。そして、その怖さには、コテコテではなく、あっさりとしかしピリリとフォークロアの題材が織り込まれている。だが、一番怖いのは 実在するはずもない伝説や言い伝えの怪異やタタリ(?)ではなく人間の心 という描かれ方だ。河童や家族墓、橋の伝説といった内容も読者を冷やしはするが、それが決め手の怖さではない。また、解説の高橋克彦さんも書いておられるが、著者の文章の巧みさもいい。私は古代の共同墓地である横穴式集合古墳(って名前だったっけかな?)の跡地に建ったかつてのニュータウンを描写した「石室」が好きだ。ただ、上に夜眠れなくなるほどではないと書いたが、住んでいるところの近くにこの作品に出てくるのとよく似た伝説なんかあったら、ちょっと怖いかな。ちなみに、現実の地名として鎌倉と東京の中野と日野の多摩川の近くの土地が出てくる。中野は私もよく行くカメラ屋がある場所で、「神様のすべり台」とかいう訳の分からない施設のある近く。この本を読んで思ったが、込み入った路地に雑居ビルが立ち並び、夜はちょっと得体の知れない雰囲気なっているかもしれない場所だ。
 やはりかつての伝説や言い伝えの類にしろ、人知れぬ土地で受け継がれる因習にしろ、遺跡にしろ、昔の人々の積み重ねた生活の地層の上に現在の生活が続いていることを感じさせてくれる作品。私はこんな雰囲気の土地が好きだが(だから奈良が好きなのだ)小説で読むのもいい。





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Last updated  December 8, 2009 11:45:59 AM
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Re:澪つくし(12/08)  
日向 永遠  さん
こんばんは~
面白そうですね。凄く読みたいです。 (December 8, 2009 10:11:05 PM)

Re[1]:澪つくし(12/08)  
琵音  さん
オススメですよ、この本。
文庫本なので、持ち歩きも楽ですし。 (December 9, 2009 12:56:29 AM)

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