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August 14, 2010
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テーマ: 本日の1冊(3712)
カテゴリ: 歴史・地誌・旅行
マジカル・ハーブ

第三書館 A5上製
☆☆☆☆◎
 随分前に買って、そのままになっていた本の一冊。1995年初版。読み始めるまでは、写真などほとんどないかと思っていたら、全ページ中、半分くらいは写真だった。実質的にはフォト・ルポルタージュだと思う。
 著者の方がカメラマンなので、写真はかなり綺麗。内容はサブタイトルの通り、幻覚性植物を使った呪術的な治療を体験取材したルポ。あまり幻覚成分の薬学・化学的内容やシャーマニックヒーラーについての歴史的・文化的あるいは医学的な考察はなくて、著者が直接関わった人々の受けた治療の内容や時には著者自身の体験が書かれている。個人的にはこうしたシャーマニックな治療を受けたいとは思わないが、現にそれを長い間信じて実行して、効果があると思っている人がいる以上、なにせ遠い海外のことでもあるし、あまり否定する気はない。逆にまるで平安時代の日本の貴族社会のように全てが「呪詛」で片付けば楽だよなー、くらいの感覚だ。また作中の幻覚性植物も中毒性はないらしい。だからって、これが日本に入ってきたら困るだろうな。ただ、様々な薬草と一緒に煎じて(?)飲んだり、鼻から吸入したりするもののようなので、全部材料が揃わないと、案外効果もなかったりして。よく分からないけど。
 ただ、以前拾い読みしたミイラの本の中に、生きた人にこうした幻覚性の植物を摂取させて眠らせ、そのままにして死なせた、みたいな記事を読んだ記憶があるので、こうした行為は随分昔から南米では行われていたんだろうと思う。シャーマンが入神する際にも当然こうした植物は用いられるわけだが、南米ではこうした植物を用い、ユーラシアでは太鼓を用いたみたいな一文もあった。さらにこの本が書かれた当時は町の市場でこうした幻覚性の植物や、コカの葉(精製すればコカインになるのだが…)が売られていたり、挙句コカの葉のお茶がホテルで出てきたりしたというのだから、(15年経った今はどうかしらないが)日本人が麻薬やドラッグと結びつけて考えるよりずっと、地元の人にとっては身近な存在で薬に近い感覚なんだろうと思う。現地の政府もこういった使用にはあまり規制をしていないというし。
 だからって、この調子で日本でこんなような植物の摂取が解禁されたらどうなるのかは、ちょっと考えると怖いから、あまり規制が緩和されて欲しいとは思わないが。確か、日本ではないにしろ海外で、ドラッグに入るものの中毒性・常用性のない植物を違法ではなく合法にしようという動きがあるはずだ。
 そういえば、南米は麻薬のシンジケートがはびこる地でもある。が一般の人々のそうした麻薬への接触度がどうなのかは、この本には書いてなかった。日常的に幻覚性植物が使用されている環境だとどうなっているのか気になるところだとは思うが。それともこの本で取材された人々と麻薬関係はあまり縁のない土地なのか、社会階層的にあまり近接してないのかどっちかかもしれない。





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Last updated  August 17, 2010 08:42:12 PM
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