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March 21, 2011
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カテゴリ: 歴史・地誌・旅行
【送料無料】沖縄文化論新版

【送料無料】沖縄文化論新版
価格:1,890円(税込、送料別)



中央公論(中公叢書)192mmx133mm並製
 しばらく気になっていた本。昨年4月に沖縄に行って以来、結構沖縄の文化に興味が出てきたのだ。あまり暑いところは好きじゃないといいながら、また行きたいとか思ってるし。
 著者が沖縄に赴き、その時の取材を元にこの本を書いたのは主として1959年、昭和34年11月から12月。今から半世紀以上前のことだ。まだ昭和三十年代、東京オリンピックの5年前だ。今から見れば東京だってまだまだ発展途上の時代である。著者が撮った写真には首里城址も「戦火の傷も古色に埋もれて」なんて書いてある。そして、その7年後の1966年、昭和41年のクリスマスイヴからイザイホー(この12年後の1978年を最後に以降行われていない)の取材に久高島を訪れたときのことと沖縄復帰にあたってという一文が増補として収録してある。ちなみに本土復帰を除いては全て私が生まれる前のこと。以前、文庫版を立ち読みしたときから、割と昔のことだろうと思っていたのだが、正直、最初が昭和34年だとは思っていなかった。今と共通した問題もすでに見られてはいるが、白黒の写真といい、隔世の感が強い。そして、本文からも察することのできる著者ご本人が超セッカチが、何だかんだと言いながら沖縄の「島時間」に象徴される風土に馴染んで(?)いっているような気がする。特に沖縄到着直後の様子を読んでいると、あまりいい印象が抱けなかったようで、この先を読んでも求めていた感覚とは違う感性で書かれていてつまらないのではないかと危惧したのだが、取り越し苦労だった。まあ、多少島唄の部分に関しては、「原始」への回帰(?)を強調しすぎのような気もしたが、留学先のソルボンヌ大学で民族学を学び、その知識のある著者にとっては、貧困や「口減らし」の凄惨な言い伝えも想定内らしく、淡淡としている。特に久高島、斎場御嶽、首里の観察の鋭さはとてもほんの半月程度の滞在からのものとは思えない。また読んでいて驚いたのは、久高島が属する当時の知念村が沖縄でももっとも貧しい村だと書かれていたこと。今はそんなこと全く分からなかった。また、レンタチャリで島内を走っていたところ、どこかで鳥を追い払ってるのか?みたいな声が聞こえた。これがこの本で紹介されている「イゾウ(気合)」だったのだろうか?

 そして、今、風葬の風習がこの頃までこの島にあったと書こうとして、検索をしたら、とんでもない記事を見つけてしまった。風葬がなくなったきっかけにこの本の著者が関係しているというのだ。本文によると那覇から来た新聞記者に案内されてこの場所に来た著者が、その風葬の場所の写真をこの本の雑誌掲載時に使ってしまって、島では大変なことになったという。最近、新聞記者に偏見を持つようになったが、新聞記者ってやっぱりそういう無神経な人種が多いのだろうか。案内する記者も記者だ。「地元の人が見られるのを嫌がる」場所にノコノコ入るのはやっぱりやめたほうがいい。まして写真公開するとか考えられない。実際今でも久高島には「祭の間は観光客が入ってはいけないところがある」と明記されているのだ。きちんと手続きを踏めばいいものを、無神経な行動としか書き様がないではないか。確かに著者は「死をたいしたことだとは考えない」と書いているが、それは自分の考えであって、地元の人は全く違う。この本でも本土復帰の沖縄について立派なことを書いているのに、当人がこれじゃ興ざめだなぁ。今更だけど、現代なら多分訴訟か警察沙汰にできただろうに。私も一人旅でヘンなところに入り込むことがあるので気をつけよう。道理で開放的だと聞いていた沖縄の人なのに、この島の人がどこか警戒しているように感じたのは、気のせいではなかったのだろう。折角面白いと思った本なのに。





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Last updated  March 22, 2011 12:24:01 PM
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