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March 2, 2012
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【送料無料】氷姫
カミラ・レックバリ
集英社文庫
☆☆☆☆
 北欧スウェーデンの田舎町を舞台にしたミステリ。亡くなった両親が遺した家の処分にそこを訪れていたエリカは幼い頃の親友が凍てつく天気の中、その友人の家のバスルームで水に浸かって死んでいるのを発見する。そこから事件が起こるのだが、警察が動き出すまで、登場人物の紹介が結構多くちょっと展開が遅く感じた。お金持ちのイギリス人と結婚したものの、その夫のいいなりになり、更にDVに悩まされているエリカの妹アンナ。(昔の)階級意識に囚われたままの地元の名家の老婦人。しかも彼女の実の息子は23年前に失踪している。そして、町の札付きの役立たず(ヤクザ者ではなく無害)の飲んだくれを養う年老いた母親、ケーキ屋さんを引退したものの、それでも毎日おいしいケーキをたくさん作ってしまう老婦人、ちょっと浮気者っぽい漁師兼教師で主人公エリカの元カレなどなど。誰も彼もいわくありげであやしげだった。
 しかし、この登場人物設定から推して知るべしで、当初「北欧」というイメージでロジカルでドライなミステリなのかと漠然と思いつつ読んだら、全く逆。さながら北欧版横溝正史だった。まあ、田舎が舞台というあたりで気づいた方がよかったかも。それでも、読みにくいが雰囲気満点の地名や、寒そうな気候描写、どこに行くにも車が必要でさらにその車が寒冷地のことゆえエンジンがかかりにくいだの雪に埋もれて大変だの、折々にさしはさまれる北欧の雰囲気は堪能できたと思う。
 個人的に気に入ったのは、ヒロインエリカの恋人、パトリックが結構図体はでかそうなのだが、同僚で犬ぞり競技に熱心な女性にまるで彼女の飼い犬たちのように「お座り!」を躾けられているところ。まるで大型犬だ。そういえばこの本、女性達はなかなか逞しそうだが、彼女達を取り巻く男性の多くは結構このパトリックみたいに図体は大きくても気は優しそうな男が多い。まあ例外もいるが、彼らに限って二枚目に描写されている。
 シリーズ第一作目だが、最初から続巻が予定されていたのか、登場人物の複雑な背後関係がさらに続巻で明らかになっていくようだ。ちょっと読みにくいところがある小説だが、気が向いたら続巻も読もう。





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Last updated  March 2, 2012 03:15:09 PM
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