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September 4, 2012
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カテゴリ: ミステリ(海外)

【送料無料】湿地 [ アーナルデュル・インドリダソン ]
アーナルデュル・インドリダソン
東京創元社 四六並製
☆☆☆☆☆
 アイスランドの警察小説。あんな人口30万人のこじんまりした国で一体どんな犯罪が起こるんだろうと思っていたら、この国でなければ起こりえない事件だった。この小説を通じて、アイスランドの現代が垣間見えるといっても過言ではない。以前にもアイスランドのミステリは読んだことがあるが、それもそこそこドロドロなところがあったのだが、これも以下同文。
 今回驚いたのは、首都レイキャヴィクの郊外(だと思う)に第二次大戦後あたりから建てられた古い住宅事情。湿地に建てられて、その約60年後にはいろいろなところが腐っておそろしく不衛生な状態になっているのだ。この国は首都近郊にかなり人口が集中しているので、こういう住宅事情にもなったのだろうが、レイキャヴィクの低層でこ綺麗なアパートが並ぶ光景からは想像もつかない。そして、主人公のエーレンデュルの家庭事情。離婚後20年妻とはあっておらず二人の子供はジャンキーと少年院をいったりきたり……。日本じゃ警官続けられないぞ。このあたりは誇張でもないのなら、日本より荒んでるかも。
 湿地に建てられたアパートの一室で殺された老人。強盗か何かの衝動的な殺人に思われたが、遺体の上にあったメッセージからエーレンデュルはこの殺人がただの殺人ではないと考えて、この被害者ホルベルクの過去を洗い始めたところ、とんでもない悲劇が隠されていた。この悲劇は 全国民の遺伝子情報を記録しているアイスランドでなければ起こりえなかった ことだ。ミステリの定番ではあるが、 ほんのちょっとした偶然が考えられないような悲劇を 生んでしまったのだ。アイスランドに伝わるサガを意識した簡潔な文体はとても読みやすいが、ストーリーはとてもやりきれない。あと、この本もスウェーデンの世界的ベストセラー、「ミレニアム」と同様、女性への暴力が根底にある。北欧の男性の体格を思い起こすとちょっと考えてしまう。確かに暴力的な男として、そういった身長が2mはあろうかという男が結構出てくるし。ちょっとダークな面が強調されすぎているような気もするが、このエーレンデュルを主人公とした小説はかなり巻数を重ねているシリーズものらしいので、続巻を是非読みたい。





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Last updated  September 4, 2012 11:00:48 AM
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