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May 16, 2013
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カテゴリ: 海外の小説

 エムズワース卿の受難録 / 原タイトル:THE MISGIVINGS OF LORD EMSWORTH (文春文庫) (文庫) / P・G・ウッドハウス/著 岩永正勝/編訳 小山太一/編訳
P. G. ウッドハウス
文春文庫
☆☆☆☆☆
 名前だけどこかの掲示板で評判がいいので知っていたジーヴズシリーズの著者と知らずに借りてきた。「綿菓子のような頭脳」を持つ第九代エムズワース伯爵、クラレンス・スリープウッド卿が巻き込まれるコメディ。舞台は古き佳き英国。彼の居城はブランディングズ城と呼ばれている。往時の英国貴族への風刺の利いたコメディなのだろうが、そこに皮肉などはなく、逆にほほえましく思える。
 気にかかっているのはかぼちゃの出来に豚の飼育。お気に入りはブランディングズの女帝と呼ばれるブタさんで、豚の飼育法の本を読むのが何よりの精神安定剤というエムズワース伯爵。彼の綿菓子のような頭脳も昔ながらのゆったりとしたライフスタイルも、何もかもが読んでいて癒された。たとえ彼の妹やその子供たちが厄介ごとを持ち込んだとしても。「殿」って周囲の大騒ぎをよそに泰然自若としているものなのだろう。さりげなく書いてあるけれど、領地の牧師を任命したり、色々な仕事もあるのだが、やっぱりゆっくりしているように思える。彼の息子のフレディは現代っぽい人間なので読んでいてもかなり今ひとつだった。そして、巻末のブランディングズ城を求めても、このエムズワース伯爵があたかもイギリスのどこかに実在したような気分になれて面白かった。
 この著者の本、エムズワース伯爵も執事のジーヴズもドローンクラブのシリーズも面白そうなので、もっと探してみよう。





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Last updated  May 17, 2013 02:49:36 AM
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