混沌の本棚

混沌の本棚

PR

×

Calendar

Free Space

2010年12月1日より
読書メーター
登録しました。

琵音の今読んでる本

読書メーターに
画像がない本は
反映されないみたいです。

Archives

May , 2026
April , 2026
March , 2026
February , 2026
January , 2026

Keyword Search

▼キーワード検索

June 5, 2013
XML
カテゴリ: 海外の小説

【送料無料】GRANNY DAN(A) [ DANIELLE STEEL ]
Danielle Steel
Dell Publishing Paperback
☆☆☆☆○
 英語の先生に読み易いと薦められて読んでみた。確かに文章は平易でとても読みやすかった。タイトルは「ダンおばあちゃん」とでも訳せばいいのだろうか。物語冒頭の語り手の祖母で、ロシアからアメリカのヴァーモントに移住してきたダニーナ(旧姓ペトロスコヴァ)のこと。ダンお婆ちゃんが90歳でなくなり、ある日、彼女の居た介護施設?から小包が届く。それを開けてみたところ、トウシューズ、若き日のおばあちゃんがバレリーナとして沢山の同僚と一緒に写っている写真、金色のロケット(中にはロシア皇帝ニコライ2世に良く似た男性の写真)、リボンで束ねられた手紙の束が出てきた。孫娘は祖母がロシアから渡ってきたことは知っていたが、それ以上のことは知らず、手紙の翻訳を頼むという設定。そして、本文はその翻訳、そして祖母の近所の人や友人達からの取材を含めての祖母の若き日の小説という設定になっている。
 そして、孫娘も知らなかった、革命直前のロシアで祖母、ダニーナはサンクトペテルスブルクのマリインスキー劇場のプリマだったことがわかる。しかし、まあ、19歳でプリマのしてのキャリアが始まった彼女は、ロシア皇室お気に入りのバレリーナではあるが、バレエしか知らない正直、思慮も足らない小娘。インフルエンザで死にかけたとき、紹介された皇室の侍医ニコライと恋に落ちるが、この男、19歳年上の妻子持ち(奥さんはイギリス人で夫婦仲はすでに冷え切っている)という難有男。この男にののぼせてバレエがおろそかになり、彼女の師でもあるマダム・マルコヴァに叱責されるのだが、当然懲りない。そして、その後も非合法の堕胎で出血多量で死に掛けたりもする。だが、時代は革命に向かって突っ走っていく。一方のニコライは妻との離婚が上手くいかない。そして、彼らが出会って三年目。ダニーナは足首を骨折し、バレリーナを22歳の若さで引退そして、その年の春、革命が起こる。ニコライはダニーナと銀行に勤める従兄がいるヴァーモントへの移住を考える。が、ニコライは皇室一家から立場上離れられず、結局彼女だけがアメリカにわたることになる。実は、このあたりで、物語の冒頭、語り手の祖父が銀行に勤めていた、というのがちょっと思い出される。が、このあたりになっても、正直、ダニーナの思慮の浅さが鼻につく。まあ、職業婦人など上流階級では考えられなかったこの時代、生涯をかける仕事あり、才能あり、難有だけどオトコもできた、人生バラ色~と思うのは21世紀の年増独身女の発想である。当然彼女は仕事か結婚・出産かの選択を迫られ、若さゆえか、あっさり結婚を夢見ているのだ。とにかく、19歳~22歳で著者が設定しているだけにダニーナは思慮が浅い。ニコライと離れ離れになったのだって、彼女がニコライの言うなりになってアメリカに行かず、ニコライを説き伏せて死ぬときはともに、と彼についていけばよかったじゃん、と思ってしまうのだ。
 ただこうした突っ込みどころ満載のダニーナだが、9章の最後、彼女が長年を過ごしたバレエ学校を出て、アメリカにわたる船にのる10章、そしてエピローグにはホロリとした。特に、語り手が実家にもどって屋根裏を探すと、ロシアから持ってきたときのままの荷物が出てくるのだ。その中にはニコライの荷物も開封すらされずに残っていた。そして、ニコライの最期の模様なども語られるとそれまでのありきたりロマンスがすべて演出効果だったように思えてくる。そして、このあたりで、語り手の祖父の名前が出てきて、読者はやっぱり~と納得するのだと思う。
 最後にここまで盛り上げる著者のストーリーテリングの手腕はやっぱりベストセラーを量産する人だなあと素直に感心した。
 ちなみにペーパーバックの裏表紙には著者の写真があるのだが、若くはないが、結構キレイな白人女性で、高価そうで派手なチョーカーをしている。そのせいで、私は文字を読むまで宝飾品メーカーの広告だと思っていた。ついでにいうと、スペルをみて、女性かなとは思ったものの、この写真を見るまで、ダニエル・スティールという小説家は男性だと信じていた。最後の20ページを読み終わるまでは、スティールの小説を英語のリーディングの練習に読むのは止めようと思っていたが、今は別の作品を読んでみてもいいかな、と思い始めている。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  June 5, 2013 10:28:30 PM
コメントを書く
[海外の小説] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: