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April 22, 2014
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カテゴリ: 日本の小説
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集英社文庫
☆☆☆☆☆
 鉱物シリーズ二作目。北朝鮮と日本の双方に家族を持った北朝鮮のスパイの話。用心深いスパイ、チョンは、今度の仕事が最後になると、妻子を脱北させることにする。しかしチョンはスパイ活動の隠れ蓑も兼ねて日本にも家族を持っていた。そして、用心深いスパイであったチョンの妻子の存在を探り当てたのは葉山だ。そして、チョンの行動の最終目的を見抜いたのも彼だった。でも、この人、やっぱりどこか頼りない。武闘派の坂下といいコンビだと思う。そして、チョンは二つの家族に対してきっちり責任を取ろうとする「家長」タイトルは彼が自分と北朝鮮・日本にいるそれぞれの娘と息子に持たせたものだ。やりきれないところはあるが、この本のラストでの葉山と洪の活躍のお陰で結構爽やかな読後感だった。

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五條瑛
集英社 四六上製
☆☆☆☆☆
 シリーズ番外編第一作目。韓国系の新聞記者の隠れ蓑のもと、ゲイといわれようが、変態といわれようが、名より実を取って情報収集をしている洪が主人公。ごく平凡な生活の背後で、重要な軍事情報が露出していたりする。そして、知り合いから持ち込まれた相談事を利用して、というか踏み台にして、結構阿漕な手を使って情報提供者を得ていく。けれども、彼とて同胞のために一肌脱いだりもしている。そこで、在日朝鮮人の主婦には同情しつつ、彼女と似たような境遇のはずの葉山には一切同情を感じないと書いてあるのにも笑った。確かに、ストーリーは平凡な生活の中に潜む情報戦だったりするのだが、全編を通して、洪が家族に恵まれなかった大男パクを相棒にリクルートするまでの過程に思えなくもない。読みようによれば、違うジャンルの小説に読めなくもない。

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五條瑛

☆☆☆☆☆
 鉱物シリーズ番外編第二作。葉山と同じビルの中にある出版社、中華文化研究所の所長、仲上が主人公。彼はかつては葉山と同じ「会社」に属するスパイだったが、足を洗った過去をもつ。その経緯はこの本の中でほのめかされているだけだ。そして、前作の「夢の中の魚」と同じ連作短編でありながら、趣向が違うのは、前作通じて、登場人物たちが仲上ととある人物との関わりを言及する点だ。そして、妻に逃げられだらしない男やもめの生活を送る仲上に文句を言うチャンという華僑の青年の視点を通じての文章の比率も高い。また、作中の一編「薔薇の行方」は違うジャンルの小説のようなカンジすらする。さらに、間接的にかつての関係を取り戻そうとするとある人物と仲上の関係もあわせるとこの小説全体が違うジャンルでもいいんじゃないかという気がしてきてしまった。でも久しぶりにこんなカンジの小説を読んだので非常に楽しい。





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Last updated  April 22, 2014 11:36:40 PM
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